風のアルバム

些細な記憶の断片
或いは今日の雑感

のり屋さん

2025-03-13 23:51:13 | 日記

 

〜1968年6才頃のできごと〜

商店街の中に1軒、傾きかけた藁葺き屋根の家が

ありました

のり屋さんでした

母と外出した帰りに寄った記憶がうっすらとあります

お婆さんがひとりちょこんと座っていたこと

母が上がりかまちに腰かけ、お婆さんと雑談し

最後にのりを買ったこと

それだけの記憶です

家の外も中も、魔法使いが住んでいる家に

私には見えました

 

 

 

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父はその時なりふりを構わなかった

2025-03-12 23:21:13 | 日記

 

〜1963年1才頃のできごと〜

後年母から聞いた話です

父は、脱腸になった私を抱いて電車に乗ったそうです

都心の病院へ連れて行くためでした

多分その当時、都心まで2時間近くかかったのではないか

その間、痛みで泣く私を抱いた父はどんな思いで

電車に揺られていたのだろう

シベリアで3年間、捕虜として抑留生活を送った父は

大変寡黙で自己表現の下手な人でした

 

最後はアルツハイマーに撹乱されながら旅立っていった父

その父を、母から聞いた逸話で思い出す時

私もその時の父のようになろう、と心に強く思うのです

生きていれば、なりふりなんか構っていられない時が

必ずあります 

誰かを助けるためには

周りなんか気にしてはいけない時が絶対ある

その思いを忘れずに…と自分に言い聞かせる

その日暮らしの今日この頃です

 

 

 

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ハンガリーの首都

2025-03-12 03:36:36 | 日記

 

〜1974年12才のできごと〜

朝の小テストは「ヨーロッパの国々の首都」でした

答え合わせは班の中でするのですが、

私と同レベルのおっちょこちょいK子ちゃん、

ハンガリーの首都を「ブタペスト」と書いてしまいました

正解は「ブダペスト」

きっと覚える時に「豚(が)ペスト(で死んだ)」みたいに

暗記したのでしょう

おまけで⭕️にしてくれてもいいのに…

惜しかった!

 

 

 

 

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オトメさん

2025-03-11 03:18:39 | 日記

 

〜1974年12才頃のできごと〜

兄姉の誰かが買ったミュージックテープを

聴いていました

流行歌が次々と流れてきます その何曲目

パンチのきいたイントロと歌声!

朱里エイコの「白い小鳩」です

 

🎵………うぶ毛さえ消えぬうちに

夜の酒場つとめだして 流れ者に 

うーだまされたっ あわれな 

そうよ 小鳩〜

いつかはきっと みじめな私も

この羽根広げて 遠く 遠く 

旅立つわ〜 あーはー………🎵

 

それまで洗濯物をたたんでいた母の手が止まりました

「この娘は白い小鳩なんかじゃないわっ!」

どうやら「夜の酒場」で「流れ者にだまされた」ことが

母の抱く白い小鳩のイメージとは違っていたらしいのです

意外や乙女の母が現れて、面白かった一幕でした

 

 

 

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揚げ物

2025-03-10 08:11:26 | 日記

 

1975年から1981年にかけて〜

お芋の天ぷらを揚げながら母の弁当を思い出しています

中学と高校の6年間、毎朝作って持たせてくれた弁当には、

しばしば揚げ物が入っていました

こんな大変なこと、よくまあ母は朝からやったものだと

お芋を揚げながら感慨にふけっていると 一旦は止んだ雨が

また降り始めました

 

 

 

 

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