花菖蒲

日常やら何やらかんやら気儘に綴ります。気儘に。

夢見る三毛猫 其の弐

2020-09-20 21:09:00 | やつがれシリーズ~心を捜して~
三毛猫は
ある日いつもの様に白狐に誘われて
買物に出掛けたのだが…
其の際に不意打ちを喰らう
三毛猫は顔と性格に似合わず
可愛いものが大好きである。
それを知ってるのはほんの一部の関係者のみ。
因みに白狐には
早々にバラした。
と、三毛猫談。
さてそれが念頭にあったかはさておき
白狐が
お昼、饂飩でどう?
なんて言うので三毛猫は当然、饂飩は好物なので
2つ返事で同意するのだが…
店を選ぶ際に三毛猫はマスコットキャラ的な猫に
惹かれておそらく目を輝かせたに違いない。
それを運転中に見落とさない白狐も凄いのだが
昼食時にハプニングは起きる。
三毛猫、デザートに興奮する!
デザートがあまりにも可愛くて
三毛猫は思わずテンションが上がり
我を綺麗さっぱり忘れたのである。
それが三毛猫にとって
とんでもない事態になるのである。
可愛い!!!
三毛猫、大興奮。
そして白狐は写真をこの時、撮影していたのだが…
三毛猫は興奮していた為に己とデザートを一緒に
撮影された挙げ句の果てに
その写真に収められていた己の表情に
凍り付くのだった…
何で撮ってんの!?
あー…しかもこの笑顔…。
三毛猫、屈託のない作らない笑顔を白狐に
見せた瞬間である。
三毛猫は穴があったら入りたい心境に駆られ
恥ずかし過ぎて仕方なかったのである。
真逆、この笑顔を見せるとは…
三毛猫は暫く考え込む
己の無意識の行動に何の意味があるのかを
特に意味が無いのが普通だが
三毛猫の場合は深層心理が出易い。
そんな訳で考え込んだ三毛猫…
だが、しかし…
え…これ…認めたくないかも。
本気で認めたくない状態に陥ったものの
結局は様々なものを天秤にかけて
三毛猫は渋々、認めるのである。
気を許すの早くね?
早過ぎだろぉ…
と、三毛猫の悲鳴は虚しく心の内に木霊する。
そう早過ぎるのだ。
三毛猫が警戒心を完全に解く
これは本当に滅多にない上に
自ら判断を下す場合が多数である。
それが無意識に気を許してるのだから
三毛猫からした青天の霹靂である。
その時から三毛猫は白狐にありのままを
見せる様になった。
と、云うよりは
取り繕うのがどうでも良くなった
これが正解である。
三毛猫は考える…
これから先
どんな風に過ごす時間が機会が
増えて征くのかを
漠然と描く
こう云うのも悪くないね。
意外にもスンナリ思い描けた
先のこと
気持ちに一区切りつけて
肩の力を抜いて
三毛猫は未来を思い描いてみる。

夢…
それは未来絵図。
どんな風に在りたいか
どんなことをしたいか
どういう日々を過ごしたいか
誰かと一緒に居る
そんな未来を思い描くのは
今なら何となく
心地いい。

三毛猫は
流れに身を任せて
己の気持ちに身を任せて
自由気儘に
未来を描いていくだろう。


夢見る三毛猫 其の壱

2020-09-20 13:40:00 | やつがれシリーズ~心を捜して~
夢…
いつから未来を思い描くことを
忘れてしまったのだろうか…?
思考を巡らせど
答えは見付からず
過去の己から応えは返ってこない…
それぐらいの歳月が経っていると云う事だろう。

三毛猫は相変わらずである。
この数ヶ月で何が変わった?
と、問われても答えは
そう簡単に変わるか。
その一言に尽きるだろう。
しかし周りはそうは見ない
特に三毛猫の職場の連中は…
「穏やかになったねー」
だの…
「あれ?何か大人しくなった?」
だの…
「元気ない?大丈夫?」
等々…
最後の一言は正に抜身の刀身みたいに鋭かった眼光と物言いに明朗快活さが消え失せたから体調が悪いのでは?
と、本気で心配する声である。
周りの思惑とは裏腹に
三毛猫はこうも毒づく
そう簡単に己を変えれるなら
変えたいと本気で感じた際に
速順応で変えれてるわ。
相も変わらず毒の吐き方が辛辣である。
けれど三毛猫は本当は気付いている。
己の中で爆発的では無いにしろ
明らかに違う風が吹いて
己の内側にあった様々なものが寛解して
消え去ったり
凍てついて溶ける事がなかった筈のものが
その身に溶け出したり
抱え込んで居た蟠りの所在を決めたり
実は内面のパラダイムシフトが閃光の様に駆け巡り
気が付けば己の血肉になり根付いて居た。
その事に気付いた時
三毛猫は少しだけ呼吸がし易くなった。
そして何となく生き易くなった。
テキトー精神が身に付いた
これでいいや
と、割り切れる様になって
少しずつ己の刃を収めて
今は全く刀身を鞘から抜いて居ない
己の中に鞘はない
常に抜身にならないのは
存在するだけで三毛猫の鞘になれてしまう
そんなのらくらした狐が居るからである。
そう相変わらず三毛猫は白狐と一緒に行動を共にしている。
三毛猫曰く
どうせあの天然狐は自分がどれだけ影響を与えてるか気付いてない。
と、云うか無意識。
そう言い切るくらいにはお互いに自然体らしい。
いつの間にか三毛猫は半野良猫になった。
2匹で過ごす日が増えたのは勿論だが
三毛猫の飼主になるには
三毛猫なりに条件がある
一番、譲れないのは
作り笑いじゃない笑顔を見せれるか。
これに尽きるらしい。
で、実際に白狐にそんな笑顔を見せれたのか
その真偽は…

次回。。。

孤独な三毛猫 番外編~頼れる存在~

2020-02-04 18:00:00 | やつがれシリーズ~心を捜して~
三毛猫は酷く心が折れ掛けていた。
特に決定打は有りはしない。
けれど、積もりに積もったものが…
溜まるに溜まったものが…
音を立てて三毛猫の中で崩れて征く兆候があったのは1月29日の事である。
敢えて其処に己からは触れない様に三毛猫はひた隠しにした。
心に蓋をして…
傷口に蓋をして…
総てを閉ざした。
そうしなければいけない。
そう強く感じた。
心の底から翌日の約束を愉しみたかったからこそ隠した。
三毛猫はそう思うのだ。
だから目を背けていたけど結局、少しだけだ吐き出して…
弱音を少しだけ吐いた所で何も変わりはしなかったのだと2月1日、三毛猫は思い知る。
仕事中、いつも1度ならばそう感じる事はある。
けれどその日は多々、そう感じる出来事があり三毛猫の心はズタズタになり壊れた。
やっぱり無力だよな…僕(やつがれ)は。
そう、心の中でポツリと三毛猫は呟くと心は防衛本能に駆られ視界が揺れ霞む。
嗚呼、弱音を吐くだけ吐いたから頑張らなきゃ…
そう、思ったんだけどな…
三毛猫は携帯(iPhone)を片手に倒れ込みつつ…
文(LINE)の画面を開き…
文を送るか、否か定かを考える。
結局…ほぼ無気力状態なまま…
ありのまま…
白狐へ三毛猫は文章を書き上げ送る…
遣り取りを続けるうちに溢れ出した感情は留まることを知らずに止め処なく溢れ…
三毛猫の心は崩壊していく…
ついに無意識に呟いた言葉を三毛猫は文で送ってしまっていた…
声が聴きたい…と、云うか…逢いたい…。
泣きそうな顔をしていたに違いない。
収まらない、鞘が無い刀身剥き出しのこの感情は己だけではどうにもならなくて苦しくて堪らなくなった三毛猫は白狐の存在が頭に浮かんだのだ。
もう…駄目だ…自分だけじゃ…キツイ…逢いたい…。
そうして三毛猫は白狐に吐露をした…。
白狐は時間を作ってくれた。
三毛猫は感謝した。
自分の時間をおそらく満喫してるであろう日によりにもよってタイミングが間違いなく悪いであろう事を予測していた日に三毛猫は弱さを露わにし、頼ってしまった。
その事に罪悪感を感じ更に落ちる。
けれど、文章だけで精神的にやられてる事を白狐が察してくれた事が心に染みた…
似た様な事、普段も吐き出してるのに何で違いが判ったんだろ?
疑問に感じもしたが、矢張り気付いてくれたと云う事実がそんな疑問は些細な事だと言わんばかりに掻き消した。
白狐の提案により、カラオケに行った訳だが…
土曜って事もあり道が混んでるから。と、白狐はスクーターで来てくれた。
おそらくそれだけが理由では無かった様に感じる。
三毛猫は後ろに乗るのを楽しんでいた事が白狐にも伝わっていたからだろう。
その証拠に帰り道、少し速度を上げて風を切って走ってくれた。
声を挙げながら三毛猫は楽しんだ。
白狐は知っているのだ。
三毛猫の悩みは三毛猫の中でケリを付けるしかない様なものばかりだと。
ならば吐き出すだけ吐き出させて、後は愉しませる。
そう云う意図が言葉や行動に示されて居る。
三毛猫はソレをぎこちなくも受け取る。
いつもならもっと楽しくて仕方ないんだけどな…
三毛猫はそんな感情を懐きつつも会話したり歌ったりする。
しかし、途中から白狐の気紛れ大暴走は三毛猫を大爆笑の渦に叩き込むのである。
そうして2時間、笑いながら満喫した三毛猫は白狐に少し硬い乍らも笑顔を見せれる迄に回復した。
別れ掛け、三毛猫は珍しい行動に出る。
「ありがとう…元気…でた。」
そう呟くと背後から白狐をぎゅっと軽く抱き締めたのである。
いつもなら取らない行動を三毛猫は取ったからか白狐が一瞬、固まった様に見えたが…
其処はどスルーの三毛猫である。
帰宅して考える…
頼れる存在なんて…今迄、居なかったのに…
素直に頼ってしまったなぁ。
繁忙期中もそうだったけど…
弱さも
強さも
頑固さも
不断さも
不安も
恐怖も
笑顔も
色々…見せる様になってきたんだな…
嗚呼、そうか…もう、強がって虚勢を張らなくても独りで居なくても良いんだな…
そう、三毛猫は思考を纏めると改めて白狐へ御礼の文を入れ…
久方振りにゆっくり眠りに就くのだった…。

孤独な三毛猫 其の拾陸

2020-01-31 10:40:00 | やつがれシリーズ~心を捜して~
01月26日の朝。
三毛猫はいつも通り気怠い身体を引き摺るに引き摺り出勤した。
日曜だけは毎週毎週、三毛猫は気怠さMAXである。
さて、いつも通り業務を熟しつつ様々な事に思考を巡らせていた三毛猫。
07:50頃からそわそわしだす。
頭の回転も良くなり、正に絶好調!
そして白狐も出勤なので08:00前には現れる!
そう、逢える。顔を見れる。
そんな嬉しさが込み上げてきてるので動きも良くなり、テンションも少しだけハイになる。
クールの仕分を開始した頃…
一時仕分け用のコンテナに入れるのに下を向いていたのだが、斜め上前方に見慣れた姿がチラッと視界に入り込んだ。
そのまま仕分をしていたら…
正に白狐が直ぐ近くを通ったのだが…
どスルー。
は?今、通った…よね?
真逆のどスルー!?\\\٩(๑`^´๑)۶////
白狐が気付いて居なかったのか、或いは敢えて人が近くに居たから声を掛けなかったのか…
不明ではあるが…
挨拶しても不自然じゃないだろうが!
と、三毛猫はイラッとしたのである。
そうして2.3回スルーされた三毛猫は頭に血が昇り何故か分からないが白狐が所属するセンターのドライアイスが三毛猫の所属センターのコールドBOX(クール荷物をトラックで輸送する際に使用する専用のBOX)に入ってくるのでそれを引っ掴み苛々しつつ持って行く。
案の定、白狐は自分が稼働するトラックの荷台に居たので…
普段はやらない不意打ちを三毛猫は仕掛ける。
おはようございま~す。(超重低音かつ小声)
!?お、おはようございます。
ドライっす。(いつも職場で使うトーンかついつもの声量)
ありがとう!
んじゃ、宜しくっす。
正に不意打ち。
そして不貞腐れてます。私。の、図を見事に表現したのである。
白狐は声を掛けた瞬間、ビクッとした。
白狐にしか聴かせない低い声のトーンで挨拶をしたからであろう。
その反応を見逃さなかった三毛猫は内心ざまぁみろ。と、本気で思ったのである。
三毛猫は珍しく寂しくなったのだ。
数ヶ月前までは目を合わせなきゃ挨拶なんてしなかったのに…
今となっては挨拶を交わして一言、二言だけだが会話をするのが当たり前のルーチンワークになったからだ。
それが無かったので無性に寂しくなったのだ。
不思議なものだ。と、三毛猫は感じる。
けれど白狐が好きと云う事実がそうさせるのだろう。
と、三毛猫は推察する。
その後、何事も無かったかの様に三毛猫は白狐へ文(LINE)をしたため、入れる。
流石に不貞腐れてるのを察知したのか…
将又、気まぐれか…
白狐の返信は予想以上に早いのだった。。。
そうしてRoll Over Beethovenの話で盛り上がる事になる。
不貞腐れてた姿は何処へやら…
些細な事で不貞腐れる己に三毛猫は苦笑を洩らしつつも、白狐とのやり取りを楽しむのだった。

孤独な三毛猫 其の拾伍ノ参

2020-01-29 22:15:00 | やつがれシリーズ~心を捜して~
白狐の真逆の暴走(?)
いや、暴発(?)により三毛猫はえらい目に遭ったのだが…
その後の会話は有意義だった。
「音楽」
に、ついて話を拡げて征く。
どんなジャンルを聴くのか。
どの歌手が好きか。
白狐も三毛猫も基本的に己の世代に囚われず更にはジャンルも多岐に渡る。
そんな話しの中で三毛猫の音楽の趣味に対して白狐はこう言い放つ。
渋いね~d( ̄  ̄)
慥かに三毛猫は自覚がある。
己の趣味が渋いであろう事に。
しかし最近の嵌り所が中島みゆき、アンルイス、松任谷由実、テレサテン、ピンクレディー、狩人…
ラッツ&スター、THE ALFEE…この辺りを挙げたに過ぎない。
ジャンルはJPOPだけには留まらず、洋楽もクラッシックも聴く。
洋楽ならThe  Beatles、Carpenters、Queen辺りを聴く。
クラッシックはBeethovenの月光がお気に入り。
勿論、ショパンやモーツァルト、バッハなんかの著名な音楽家の作品も聴く。
さて、この日、三毛猫が白狐の好きな歌手に触れて嵌るに嵌った歌手と楽曲がある。
Chuck BerryのRoll Over Beethoven
先ず曲名からインパクト充分。
ベートーベンをぶっ飛ばせ的な意味なんだよね~
この白狐が言い放つ一言に三毛猫はビビッと感じる何かがあったらしく…
ベートーベンをぶっ飛ばしちゃうの!?
と、興味津々に嬉々として白狐へ問い返す。
そうして三毛猫は楽曲を聴かせて貰うとすっかり曲の虜になる。
翌日には白狐に文(LINE)にてこう報告している。
Roll Over Beethovenダウンロードして聴いてるよ~
エンドレスで歌詞を追いながら聴き入る。
そして白狐とこんなやり取りをした。
ぶっ飛ばしていいんだ…笑
いいんだよ。笑
ぶっ飛ばしちゃって。笑
最早、クラッシックを聴く者の発言とは思えない発言を三毛猫はするのだが。
歌詞の意味合いとしてはクラッシックよりロック。
だからベートーベンはぶっ飛ばしちゃえ。
みたいなニュアンスを三毛猫は感じ取っていた。
故にユーモアを感じるし、何より曲のテンポも小気味いい。
すっかりお気に入りになったのだ。
白狐はこうも文を返してくる。
音楽サイコーでしょ笑
サイコー笑
三毛猫はそう応じたのだった。
こういう感覚が堪らない。
好きな者と互いに好きなものを共有する感覚。
好きな者と好きなものについて心ゆく迄、語る事。
その日(土曜日)、三毛猫には凄く濃かった。
狭い視野が広がり、見識も深め、知らなかった事を知り、気になる者の好みや価値観を知れた。
これ程、掛替えの無い有意義な時間を共に過ごせた。
そんな充実感と満足感に三毛猫は満たされてその日(土曜日)は眠りに就いたのだ。
次の日(日曜)の朝に不貞腐れ事件が起きるとも知らずに…。
演歌を聴く白狐の方が絶対に渋いと思うんだ…
僕(やつがれ)よりも遥かに…
気の所為?