ん?文(LINE)?誰からだろう…?
土曜の昼過ぎ、三毛猫の携帯(iPhone)は文(LINE)を受信した事を伝える為に着信音を鳴らす。
モゾモゾと寝台(ベッド)で横になっていた三毛猫は携帯の画面で誰からの文かを確認する。
次の瞬間、三毛猫の眠気と気怠さはぶっ飛ぶのである。
白狐からだったのだ。
仕事後、朝、見かけなかったので取り敢えず文をしたため入れといたのだ。
数回、やり取りをした感じからして白狐が公休日と察した三毛猫は数日前に逢って居た為、誘いの連絡が来るとは思って居らず、仕事で消耗した身体を休めようか…と、少々、寂しさに暮れて居たのだが…
まさかの白狐から食事の誘いであったのだ。
コバン食べた?
ん?まだ食べてないよ?
コバン食べる?小判
食べる!ん?小判?…今、気付いた…ごめん。
三毛猫、あまりにも浮かれた所為で白狐の変換ミスと云うボケをどスルーする始末である。
何とも恥ずかしい。。。
白狐に漢字表記されて初めて気付く始末。
どれだけ三毛猫が浮かれたか、白狐にはおそらく伝わっては居ないだろう。
合流後、白狐が提案した選択肢から三毛猫は何を一緒に食べるかを考える。
ってか…どっちにしろ肉じゃん!
と、三毛猫は白狐の選択肢に笑いつつもまだ一緒に食べてないトンカツにしたのである。
基本的に三毛猫は肉は苦手だが、最近は白狐とならば普通にいけてしまうから不思議である。
そうして食事中に他愛の無い会話をする…
白狐以外のセンター内のSDは皆、既婚者で愛妻家。と、云う話から普段、話さない方々の一面を知り三毛猫は興味を示し聴き入る。
時には質問をしたり、己の見解を述べたり…
とても充実して居た。
そして白狐がPCゲームで漢字の読みを解くゲームの内容を話した瞬間に三毛猫は目の色を変えた。
自称・本の虫
である三毛猫には退けない何かと惹かれる何かを感じたのだ。
漢検問題に近い内容だと白狐は述べるので三毛猫の興味関心は更に擽られ…
挑戦させて貰う事にしたのである。
白狐の自宅に向かう途中、漢字に関して少し白狐と話した。
三毛猫の出身地は北海道。
北海道の地名は当字だったり、難読な表記だったりするのだ。
現に三毛猫の実家がある地名は「幌向」と書いて「ほろむい」と、読むのだ。
大半の方は「ほろむかい」と読んでしまったりするだろう。
そうして大体、アイヌ語が地名の原型にある話やアイヌ語は割と我々が使う日本語には無い様な発音をする筈。と、云った話しをしていた。
白狐は意外とこう云うものに興味関心を示すのだ。
そう、彼は普段の言動から察せないが…
物凄く知的好奇心が旺盛で知識欲も強い方なのだ。
視野がとても広い。
三毛猫も話していて楽しくて仕方なく、色々と学ぶ部分がある理由は彼のそう云う所なのだ。
話題が変わり…
本を読んでる際に漢字に関して読めないものがあった場合、どうするの?
そう白狐に質問された三毛猫。
内容が読めなくても想像が付く場合は調べないが、物語に関しては全ての表現をちゃんと理解しないと大幅に印象が変わるので必ず調べる。
と、三毛猫が回答すると白狐は驚きを示す。
何せ普段の三毛猫はかなり大雑把且つ大胆不敵な行動を引き起こす上に行き当たりばったりな行動を取る場合が多い為、そんなイメージは無いのだろう。
実際、三毛猫は几帳面ではないし神経質ではない。
しかし、拘りは凄く強いのだ。
故に物語と云う作品を前にすると…
作品の全てを楽しみたい。
と、云う拘りが強い為に小まめに世界観を楽しむ為にも動くのだ。
内容が調べてる感に飛んじゃったりしないの?
そう、白狐に訊かれた。
記憶力だけは良いから基本的には忘れない。
只、数行遡れば最悪の場合に陥った際は思い出せる自信があるけど。
と、平然と返して白狐を更に驚かせたのである。
そんな驚かなくても良くない?
と、内心、少しだけ傷付いたのは白狐には内緒である。
三毛猫は己が唯一、誇れるものは記憶力だと自負している。
それくらいに記憶力には自信があるのだ。
本当、他の人があまり興味関心を持たない様なゲームするよね。
三毛猫は白狐に突っ込んでみる。
え?普通じゃん。麻雀と将棋もやるよ。
それは知ってる。けど、地名当てとか漢字の読み解きは好き好んではやらないよ。普通。
三毛猫に普通について諭される白狐が物凄く哀れではある。
三毛猫の普通じゃなさ加減も大概だと云うのに…
正に己の事を棚に上げた発言である。
と、云うか私は将棋よりは囲碁の方がまだやれるかな。
囲碁もあるよ?オレ、やってないけど。
だろうね~。
そうこう話してるうちに白狐の自宅に着いたのだが。
早速、件の漢字読み解きをやるのだが…
は!?これ制限時間ある上にタイピングすんのっ!?
そう想像も付かなかった落とし穴に三毛猫は襲われたのである。
勝手に慣れるまであたふたあたふたと三毛猫はテンパリつつ挑戦していたのだが…
ドカッ!
…やっと落ち着いてきた頃にこう云う事を平然と…する?(´-ω-`)
え?何?( ̄∀ ̄)
白狐は椅子に2人座りするのがお決まりパターン。
しかし三毛猫、何だかんだそう云う密着のされ方は未だにテンパるのだ。
あのさ、未だにコレ、テンパるからね?(_д_ll)
そうなの!?Σ(´□`)
絶対に確信犯だ…コレ。
と、三毛猫は内心思いつつ集中しようとするのだが…
矢張り集中出来る訳もなく…
暫くあたふたあたふたを続けたのだが。
ふとした瞬間に三毛猫のスイッチは切り替わり集中し出したのだ。
それを白狐は見逃さなかった様でそのスイッチが入った瞬間に何故か傍を離れる。
そうして集中力が高まった三毛猫は見事に白狐の記録を塗り替えたのである。
え。レベル4いったの!?
うん。普通にタイピング追いついたからいけた。
凄いね。オレ、レベル4は滅多にいけないよ。
レベル3も案外、よく読む漢字だったよ?
意外だ。
おい、私を何だと思ってる訳?
席を離れた筈の白狐は気が付けばまた椅子2人座りを悠々としていたのである。
流石に其処は突っ込まなかったのだが、三毛猫はこの後された質問を聴いた瞬間に…
本当に分かり易いわ~この狐。
と、内心、クスっと笑ったのである。