『追憶の炎』
閉じようとした夜を
こじ開けてしまう人
甘え声と
優しい笑顔が
記憶の奥底
未だに過る
追憶の炎
呼び起こしたのは誰
まとわりつく湿気が
熱い愛の日々を
走馬燈のように
ありもしない銀幕に映し出す
追憶の炎
呼び起こしたのは誰
別に責めるつもりもないさ
仕方ないからこの疼き
抱き締めたまま
夜を超えて行かないと
※6/20に某アプリ内に書き下ろしたもの。
『清流とあの夏の日』
少し古ぼけた
写真たち
写るのは那珂川の清流で
カヌーを楽しむ人々と
JA11型のジムニーと
夜宴を楽しんだ名残
夜露に濡れた
テントは二つ
いつだっただろうか
早朝に鎌倉山に登り
共に雲海を眺め
実はあれの正体は
川霧だと教えたのもこの場所
友よ
今はどこで
何をしているのか
同じように思っていたなら
それだけで十分だろう
※久しぶりの純粋書き下ろし。