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長沼智恵子に会いたい

2015-06-27 06:14:33 | 旅行

今、福島県の二本松にいる。
元は10万石の城下町。
このあたり出身の有名人で、最初に名前が浮かぶのは、長沼智恵子ではないか。
そう、高村光太郎と結婚して「智恵子抄」を著したあの智恵子だ。
彼女は明治の半ば、当時の安達郡油井村に生まれた。
生家は造り酒屋で、後に実家が破産し、家屋は人手に渡ったが、現在自治体が
買い戻して修復し、記念館として公開している。
屋号は「米屋」、銘柄は「花霞」。
入り口には大きな酒林が下がっていて、それらしい気分を出している。
ここはちょうど江戸時代の奥州街道(現在は県道)に面していて、
街道歩きの旅人がふと眼を留めていくそんな場所だ。
静かなたたずまいは、朝の散策にちょうどよい。
しかし和菓子の製造販売の店と、酒屋がやたら多いのは土地柄か。
何も智恵子は文学を志して上京したわけでもなかろう。
美術学校に行って、たまたま遊び仲間の光太郎とつるんでしまっただけではないか。
そのオヤジがたたき上げの彫刻家で、美校教授の高村光雲だったから、
今日に名前が残ってしまったというのが真相?
わ、こんなこと書いたら地元にドヤされそう。
だいたい東京に「空」を求めるのが間違ってるし。
そういえば昔、変わった女の子がいたな。
あの山は何? と聞かれればなんでも「安達太良山」と答えるし、
あの川は? 「阿武隈川」。
いつか彼女は「智恵子」と呼ばれるようになったっけ。
あの子を喜ばせるのは簡単だ。
「年をとると、あなたはだんだんキレイになる」と言ってやればいいのだから。
(2012.7.8記)
最近、高村光雲旧宅跡を訪ねた。
いわゆる谷根千地域。近所には鴎外の観潮楼も。



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