三連休なので、福島から東京に出かけた。
鈍行乗継で約5時間。
おかげで、1年ぶりに国会図書館に。
利用したことのない人のために説明しておくと、本当になんでもある。
正確には昭和24年以降に国内で刊行されたすべての出版物(取次ぎを通ったもの)。
総点数は数百万にのぼる。
だから、館内は不思議な光景が。
①ただの暇つぶしでソファーで居眠りするお年寄り
②古い漫画を山と積み上げて一心不乱に読みまくるヲタク少年
③卒論の資料集めに没頭するまじめな女子大生
④エロ本のグラビアをコピーするため付箋紙を張り続ける仕事熱心な編集者
これらが同居して異様な雰囲気を醸し出す。
普通の図書館と決定的に違うのは「お子ちゃま」がいないこと。
未成年者は入れない。だから静かだ。
誰でも自分の世界に浸っておれる。
30数年前、私もここで卒論を書いた。
今と違って、パソコンどころかワープロも存在しない時代。
いや存在はしたかもしれないが、1台5000万円くらいか。
最先端の研究所くらいしか買えなかった。
400字詰めで200枚の論文を書くのに3か月。
清書するだけで1週間。
今の学生には想像もつくまい。
下準備さえしてあれば、論文なんて3日で十分、と豪語する学生。
コピーアンドペースト。
♪ 糊とハサミで作られた「暗くてさみしい」原稿。
これを摘発するのが准教授の仕事だと自嘲気味に教えてくれた友人。
私だって人のことは言えない。
直接使用した「種本」には一言もふれず、その本の引用文献だけを列挙した「参考史料一覧」。
それにひきかえ昔の人の律儀だったこと。
毎日アサイチに並んでいた上品なご老人。
当然裏から入れるのに、「イヤ、扱いは平等に」と、行列に。
後から考えるに、あれは大久保利鎌大先生だったのでは。
疲れた頭を3階の喫茶室のコーヒーでほぐしながら
考えるのは、そんなことばかり。(2012.9.17記)
もっと近くにあれば毎日通えるのに。
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