あれから何年たったのだろうか。ふと思い立って札幌から大晦日の夜行に乗った。
宗谷本線。稚内行きの急行。「利尻」だったか。帰省客で満員かと思えばそんなでもなかった。
ほとんどの人は前日までに帰宅しているのだろう。
この列車に乗っているのはギリギリまで仕事がある超多忙サラリーマンか、
私のようにただの物好きかどちらか。終点に着くころにはガラガラに。
おかげで乗務員とゆっくり話が。
「元日の朝5時に稚内に着いてもどこも開いてない?」
「そんなことないよ。居酒屋○○なら8時までやってるから」
ほんとに満員の盛況。残り物しかないけど、それでよかったら、と言われて席に。
あると言われたものを片っ端から頼んで大満足。オール海の幸で3,000円。
また別の年の話。稚内駅前から、日本最北の灯台のあるノシャップ岬行きのバスに
乗り込んだ。1月だからまず地元民しか乗ってない。午後2時ころ。
5分ほど走ったところで乗務員がドアを開けて降りた。
バス亭ではない。住宅が途切れ途切れに続くただの路上。
積雪は50cmほどだが、道路は圧雪状態でとりあえず走行可能。
止まった理由がわからず前へ行ってみた。
バスの前の路上に大型犬(たしかシベリアンハスキー)が寝そべっていて、
乗務員がしきりに話しかけている。
「悪いけどちょっとどいてくれない」
「?」
「頼むよ、ちょっとだけ」
犬はなんとあの雪の中で眠っていたのだ。
いかに車が少なかったかわかろうというもの。
彼は2メートルほど左にずれてくれたので、バスは予定通りそこを通過した。
こんな光景はもう見れないかも。(2011.10.27記)
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