先日(4年前)、ギリシャのパパンドレウ首相は、EU加盟各国が取りまとめたギリシャ
救済策を受け入れるかどうか決める国民投票を実施すると発表して、世界中が度肝を抜かれた。
利害関係の異なる主要国が、必死に妥協を模索して形成した合意を、肝心の当事者が、そんな緊縮策は受け入れ
られないと拒否する可能性が高まったということで、金融市場の緊張は頂点に達した。
国債の50%棒引きでなんとかおさまるかと安堵したのもつかの間、今度はギリシャ経済の破綻、
国債のデフォルト、EUからの離脱と、悪夢のシナリオが一挙に現実化した。
このケースでは日本経済も対岸の火事ではすまなくなりそう。
リーマンショックどころではなく、本物の世界大恐慌突入で、為替も株式も制御不能、
大企業の倒産、大量解雇どころか、年金制度の崩壊までいってしまい、社会不安は一挙に増大?
大都会はホームレスだらけ、今日の食料を求めて略奪と暴動が相次ぐ途上国以下の地獄絵図がもうすぐ・・・
なんていう超悲観シナリオはともかく、私は別のことを考えている。
これはどこかで見たような光景だ。
政治家は、如何にして自分の責任を逃れるかを考える。
2000年前のパレスチナ。
ローマ帝国の支配下で総督ピラトが仕切る法廷に、ユダヤの支配層は暴動の首謀者であるとして
ナザレのイエスを連れてきた。
尋問した総督は犯罪の事実を発見できなかった。
その旨を告げると、群衆は激昂して「こいつを死刑にしろ」と叫ぶ。
手を焼いた彼は、「お前たちに任せた、私にはこの男の血の責任はない」と叫ぶ。
なんだか礼拝説教みたいになってきたのでこれくらいにしておくが。
少なくともパパンドレウが考えていることはおよそ想像がつく。
彼は、ギリシャ経済が正常化することは、どの道無理だとわかっているのだろう。
まともな政策を出しても、国民に不人気である以上国会は通らないし、仮に通っても次の選挙では敗北必死。
ボロボロになって引退するよりは、この国民投票ではっきり否決され、国民に対し、
「お前たちに任せた、私にはこの国の破綻の責任はない」と叫びたいのだろう。
気持ちはわかるが、そんな無責任な政治家に振り回される日本国民としてはとうてい許せない。
ギリシャ悲劇は舞台の中だけで上演してほしい。私は登場人物になる気はまったくないので。
(2011.11.03記)
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