先日ブックオフで買った、「JR全線全駅下車の旅」を読了した。
横見浩彦著で、オリジナルは2005年刊。私のは文庫本なので2009年か。
1992~95年にかけて、4636駅に降り(または乗り)まくった貴重な記録だ。
私も同じ時期に同じようなことをしていたので、きっとどこかですれ違ったのではと思う。
楽しいのは間違いないが、定職があったら絶対に不可能なので、尊敬するばかりだ。
本書中に「停まる列車は一日に一本」という項目があるが、そこを読んで昔のことを思い出した。
北海道は石北本線だ。
ここは網走・北見・知床方面行きの特急列車が相当数通る、いわゆる幹線であって、
ローカル線というイメージはそれほど強くない。
しかし沿線の人口は極端に減り、乗客が皆無の駅が続出したため、廃止のやむなきに至った
ところもかなりある。
著者はその直前にここを通過したわけだが、私は税務署や裁判所の競売・公売情報を通じて
この地域に関心をもっていた。今でも記憶に新しいのはこれだ。
「所在:奥白滝駅徒歩2分
土地:約120㎡(所有権)
建物:木造平屋建約50㎡(所有権)築40年
現況:空家」
写真を見る限り、古いことは古いがそんなにボロ家というほどではない。
しかも価格は2万円! 大いに心が動いた。
しかし最終的に断念したのは、近所に住んでいる人がなく、したがって商店もなく、
交通手段は朝晩の鈍行1本だけで、車がないと生活できないから。
入札者は当然ゼロ。
もしあれを購入して、民宿とかやったら、JRも駅を廃止できなかったのでは。
ただし、ヒグマに食い殺されても仕方のない場所なので
「宿泊者の生命は保証できかねます」と予約者には伝えねば。
今ですか、もう何もありません。時刻表からも駅名が消えて久しい。
寂しいとかいって感傷に浸るのは自由ですが、もともと人が住む場所でなかった。
あそこはただの信号所に過ぎないのです。(2012.2.21記)
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