私にはプロを目指して院生をしていた男の子の弟子が一人いました。その子が学業に専念するということで、院生をお休みをすることを決めました。
とても賢い子なので、勉強の心配はまったくないと思います。
彼とは早碁を100局位は打っていましたから、自分の人生でも一番対局数が多いのではないかと思います。
毎年強くなって、成長していく姿がとても嬉しく、頼もしく感じるのが育てる喜びでもあります。
少し内気なところも弟子というより弟のように可愛く思っています。
しばらく勉強に専念して碁から離れたとしても、碁は一生の趣味にすることも、大学に入ってからプロを目指すこともできるので、きっと彼の人生を豊かにしてくれると思います。
一番大事な時期に普通だったら経験できない厳しい道を歩んだことはきっとこれからの助けにもなってくれることでしょう。
今になって分かったことは弟子をとるというのは、ご家族の特殊な芸事への世界に入らせるという不安も一緒に預かっていたのだということ。
碁のプロになるというのは受験とは全然違うのです。受験であればスパルタだったり、その時期だけに猛烈に頑張るという方法でいいのかもしれません。
しかしプロになるというのはその遥かなたにあって、受け身で知識を吸収するだけではトップアマになるまでが限界です。
東大に行きながら将棋の棋士になった方に大学受験と、プロ試験どちらが難しかったか聞いたことがあります。
その方は「比べようがないくらいプロ試験のほうが難しい」とおっしゃっていました。
棋士になるには今まで囲碁になかったような手を自分で考えて打つぐらいでないといけません。
弟子が囲碁に対する姿勢が真直かどうか、勉強している背中を一目見ればわかります。私はそういう時はだまって見守るのが一番だと思っています。
それ以上のことをしようとすると逆に成長期に必要な自分で考える力を育てる機会を失ってしまいます。
自分の経験をふまえて言葉にしておきたいのは、一昔前ならいったん弟子として師匠に任せたなら、周りは口を出さないというのが普通でした。
しかし最近の親御さんは、囲碁の世界のことを知らない方も増えてきました。これからは親御さんと師匠で定期的に話し合いの場を作りながら、一緒に弟子を育てるような方法も、囲碁界に必要な指導方法になっていくのではないかと思います。
棋士を目指すというのは人生の一大事ですから、当事者の間で誤解などが生まれないようにケアしていくのはとても大切なことだと思いました。
長くなりましたが、これからの楽しみは弟子がアマの大会に出られるようになるので竹清杯などで優勝してもらって公開対局など、真剣な場で打てるかもしれないということです!
真剣な場で弟子と対局できるのは夢だったんですよね♪
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そうですね、ぜひがんばってほしいですね!
応援してます!
けど・・その子は誰だろう?何歳くらいの子ですか?