竹清勇の囲碁の宝石箱

普段何気なく囲碁に接している時間。
愛好家の方には上達の宝庫だと思い紹介していこうと思いました。

役立つヨセの基本

2010-07-24 01:16:28 | 初段を目指す
今回は教室で一度は必ず題材にしているヨセの基本を紹介します。
よく「これは2目の手です」というように一手の価値を数で解説しているところを目にされると思います。
一体どうやって一手の価値を数値化するのか?これを詳しくやりたいと思います。
実はやり方さえ覚えてしまえば意外と簡単なんですよ!

先に計算の方法だけ分かりやすく日常で表現します。
ヨセには2通りの計算方法があります。

二人でコインを1枚ずつ持ってジャンケンをし、勝ったほうが負けたほうからコイン1枚を貰えるとします。
こんな時あなたはジャンケンに勝ち、コインを相手から1枚貰った場合、手持ちのコインが1枚増えたので1枚得したと考えますか?
それとももし負けていたら1枚払うところだったので得と損を足して2枚の得と考えるでしょうか?

碁の計算方法も実はこのふたつです。

①「実質計算」自分の元々の手持から減ったか増えたかだけを計算する。

②「出入計算」得した時と損した時を足して計算する。

これを実際にヨセの図を使って解説していきます。
(注:本やテレビでつかっているのは出入計算なのでこちらだけ覚えればいいのですが、両方知ることで理解が深りますので両方の計算方法をやります。)



「この手何目?」



ヨセで必ず出てくる一線のハネツギ。この手は何目でしょうか?
このハネツギによって黒と白の陣地がどれだけ変動したのかを知る為にここにお互いどれだけの陣地があったのかを調べてみましょう。



①「実質計算は陣地の境界線を引く」



このように境界線をしっかり引きます。このときに気をつけるのが白にも黒にも公平であることです。
この場合シンプルな形なので公平な境界線になっているのはお分かりいただけますでしょうか?ケーキで言えば綺麗に二等分です。

黒3の陣地、白3の陣地があることがわかりました。
最初の黒のハネツギの図に戻ってお互いの陣地を計算してみてください。
黒3、白2ですね。ということは黒のハネツギは白を1目減らして、「実質計算」ではハネツギは1目の手ということになります。
コインのたとえで言うとお互い手持ち3枚の状態から始めて相手のコインを一枚減らしたというわけです。



②「出入計算は相手が打ってきた時も考える」



この図は陣地が黒3、白2でしたね。
得と損を足すのが出入計算ですからこれに加えて反対に相手がここへ打った時のことも考えます。



白から打った時は黒から打った時とは反対に陣地は黒2、白3になっていますね。
黒から打てば相手を1減らせる、相手から打たれたら1減らされる。
これを足すのが出入ですから出入計算の答えは2目の手です。

一般的には出入計算を使ってますので、こちらを覚えてください。
「実質は1目」なーんていうと浮いちゃいますからね!



問題を出しておきます。



黒番です。出入計算してみてください。

①Aの白を一目取るのは何目か?
②Bのハネツギは何目か?
③黒が正しく打った場合の終局図は黒が何目勝っているか?

初めての方はひとつ正解できれば充分です!次回に答え合わせしますのでチャレンジしてみてくださいね。
ちなみに序盤で「この手は20目くらい」とか言ってる時がありますが、あれはただのカンなんで気にしないでください!出入計算であることは確かですけどね。



コメント (9)
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