それでは前回の続きです。
正解は白1です。これは妙手で、謝ちゃんも「タイトル戦で打ちたい手」と言ってくれたくらいです。
どういう意味か検証していきましょう。
実戦譜
白の割り込みが働いて、黒は白をF-9に切にいくと両あたりになるので、切れなくなっています。
実戦は中央に白は進出して、黒模様を大きく削りました。
黒は中央に出させないようにするのであれば、黒1のつなぎです。
黒1とつなげば白は実戦のようにハネても今度は黒にきられるので、顔を出すことはできません。
しかし、黒1の下に白から出が残ります。白は攻め合いの関係ですぐにはしないですが、黒からしたら頭痛の種でしかありません。
それならば実戦のように中央に顔を出されても味の良い図を選んだほうが黒は正解です。
つまり黒に抵抗の余地はなかったのです。それが妙手の所以です。
実戦の続きです。
黒が中央に1とかかえるのは中央を厚くするため、必要な手です。
そのあと白2が強烈!厚みに見える黒のわずかな隙をみつつサバキをしようということです。
ただし白は、上辺で小さく生きるのでは白の左上隅も痛みますし、得していません。
当日もそう大盤で解説しながらどうするのかなと思ったらなんと、上辺はすべて捨ててしまいました。
その代わり白14と先手で逃げれば打てると判断をしたのが絶妙。謝ちゃんさすがとしか言えない。
白は上辺を捨てると決めたらすかず白7まで先手で利かします。
そして本命の狙いは白9からの切りです。白15まで下辺の黒を攻めて得しようということです。
上辺の黒地は大きく見えますが、下辺で得をすれば打てるという判断は素晴らしいです。
実戦白10までの打ちまわしも素晴らしく、黒下辺の大石は目二つの生きはまのがれそうにない。こうなると大抵もう五分五分になっているとしたものです。このあとは小熊も妙手で応戦して良く戦いますが、時間にも追われ敗着がでます。
白番謝プロの中押し勝ちとなりました。
まとめ:謝ちゃんの良いところがダイジェストされたような内容で素晴らしい名局でした。
永久保存版の二子局でしょうね。
名局は一人では生まれないという言葉がありますが、小熊もよく戦いました。
2子でここまで互角に戦えれば立派にトップアマと言えそうです。
こんなに面白い棋譜はそうそうないと思うので、印刷して実際に碁盤で並べてもらえればと思います。
それではまた