最近は上達のアドバイスを囲碁研究で書かせていただいております。
碁ワールド、囲碁未来、囲碁研究と発行されているほとんどの囲碁雑誌で上達などに関するアドバイスを色々書かせていただきました。
今まで以上に囲碁雑誌を目にする機会が増えたのですが、囲碁雑誌のクオリティは本当にすごいと思います。
碁ワールドは井山さんの自戦解説などがあります。いまどき普通なのかもしれないですが、生の声だったことを想像するとものすごい贅沢ですよね。
囲碁未来もトップ棋士が上達に関するコラムを書いてくれていますし、囲碁研究ではイー・チャンホ先生の講座があり、なんと現地で直接取材してるのだとか。
(若干情報が古い可能性があります)
いずれも囲碁ファンはもちろん棋士にとっても現代の囲碁雑誌は上達に欠かせない存在になっております。
下記は囲碁研究に書かせていただいた上達のコラムです。一年間続けさせていただく予定で、こちら一回目となります。
題名:岡目八目に学ぶ
はじめまして。棋士の竹清勇です。
今回から囲碁研究の読者が強くなるための上達アドバイスをさせていただきます。よろしくお願いいたします。
まず初回は対局をする上で気持ちのコントロールをすることがいかに大切かをお話したいと思います。
上達するために必要な技術は二つあります。
それは盤上の技術と、盤外での気持ちをコントロールする技術です。
後でみたら「なぜこんなに簡単なミスをしたのだろう…」と思う事がよくあると思います。
それはプロである私もそれは全く同じです。
自分本来の技量から考えると信じられない様なミスをしている場合は、気持ちの面でミスをしている事がほとんどです。
人間ですから対局中は誰もが欲が出ます。
勝ちたい、石を取りたい、相手はミスしてくれるのではないか、等々…普段はなかなか出せない、こういった感情を素直に出せるのは碁の魅力ではありますが、あまりにその感情が強すぎますと、棋力の向上や勝利の妨げになります。
これは他の競技にもきっと共通する事だと思いますが、肩に力が入り過ぎるとミスは増えます。
スポーツでは力むと瞬発力がなくなるのは有名な話ですが、囲碁ではどのような影響があるかと申し上げますと、力むと例外なく碁盤全体を捉えることが出来なくなります。
碁は部分戦においても常に碁盤全体での判断がされるべきです。
部分戦で石を取って大勝利!と喜んだのもつかの間、よく見るとカス石を取らされて全局では負け碁に…なんてこともよくある話です。これは力み過ぎて視野が狭くなったのが原因です。
碁盤全体を捉える状態を作るためには、対局前に深呼吸をし、背筋を伸ばし肩の力を抜きましょう。
気持ちが落ち着いたらそれが自然体です。
それは最も頭の働きが良い状態といえます。
囲碁には「岡目八目」という言葉があります。
他人の碁を横で見ているといつもより良い手に気づくという事です。
これは他人の碁だと邪心が入らず、自然体で碁盤を見ているからだと言えます。
ですから自分の対局でも同じように、肩の力を抜いて碁盤全体を素直に考えるだけで「岡目八目」の良い状態を作る事ができるのです。
岡目八目、囲碁から派生している言葉はいっぱいありますね。
今、囲碁史探偵が行くを借りて読んでいるのですが、囲碁がどれだけ角界の著名人に愛されていたか、どれだけその時代に影響力を及ぼしているかがわかります。
そんな囲碁が好きな自分が少し誇らしげに思えるのです。
本当に竹清先生の文章はわかりやすく、伝わりますね。碁盤が無くても囲碁を文字で理解できさせるような文章力で、読んだだけでも少し強くなり、意欲が沸きます!
近々、竹清杯があるんでしたっけ?
今、僕は、体調を崩して行こうとも行けませんが、参加される方々が楽しまれることをお祈りしています。
優勝者は、後日、竹清先生と対局?!
すごいプレゼントですね!
僕も竹清先生と同い年です!これからも囲碁を趣味に活動の幅を広げられるよう頑張ります!
竹清先生も体に気を付けて、特に熱中症など怖いので、十分水分補給をしてくださいね。
公式対局も普及活動も期待していますね!
ところで体のほうは大丈夫ですか?暑くなってきましたのでご無理をなされないように(T ^ T)