世紀末

21世紀に破局は来るか?人類の終焉?

藤巻健史氏の「円の紙くず化」

2022-12-31 18:05:13 | FX

このところ、藤巻健史氏が、日銀破綻円の紙くず化について、いろんなところで書いているのが目に付く・・

藤巻氏は、モルガン銀行等でトレーダー経験も長く、金融実務の現場経験豊富で、かつ一時参院議員も務めるなど、面白い経歴の持ち主である・・

昨日で今年のFX取引も終わったことだし、ここらで、彼の主張を整理しておきたい。

ますは

President Online 12/30 「いまの円高は一時的な調整に過ぎない…金融のプロが「1ドル=500円の大暴落に備えよ」と警告する理由

「経験上、ドル円の相場を決めるもっとも大きな要因は「経常収支動向」と「日米金利差」の2つ・・・現在、日本の経常収支は減少の一途をたどり、日米の金利差も大きく開きつつあります。つまり、2つの要因のどちらもが「円安」を示しているのです。こんなことは私の経験上、初めてのこと」

つまり、経常収支の縮小・マイナス+日米金利差の拡大 → 円安

と一般的なことを言っている。

「2022年12月、日銀もついに「利上げ」に踏み切りましたが、これは市場の圧力に負けた日銀の「悪あがき」です。具体的には0・25%だった長期金利の「防衛ライン」を0・5%に引き上げたわけですが、これは日銀にとっていわば「最終防衛ライン」」

「私が1ドル400円、500円となり、その後は天文学的数字になると言っているのは、日米金利差よりも「ばらまいたお金を回収(QT:量的引き締め)」するFRBと「未来永劫、お金をばらまき続けなければならない(QE:量的緩和継続)」日銀との金融政策の違いなのです・・・近年の世界的なインフレの主因は「お金のばらまきすぎ」ですから、インフレをコントロールできるFRBの通貨と、「インフレをコントロールできない」日銀の通貨との価値の差・・・そこで、1ドル400円から500円くらいまでドル高・円安が進みます。その結果、日本は世界に冠たるインフレ国家なります。しかし、日銀にはそれを制御する手段は何もない、ということでハイパーインフレが進行円の紙くず化)すると思っているのです」

ここでは、日米金利差よりも

量的引き締めと量的緩和継続との違い、インフレをコントロールできる通貨とコントロールできない通貨との違い → 円安

と円安要因の相違・展開へ・・

「これほどの超低金利で日本国債を購入するのは日銀しかいない・・・日銀が購入をやめれば(QEの中止)長期金利は暴騰し、前述したように政府は予算を組めなくなります。また、日銀自身、非常なる低金利で莫大な量の国債を保有していますから、巨大な債務超過が発生してしまいます・・・中央銀行が信用を失えば、その発行する通貨も信用を失い紙くずとなってしまう」

つまり、言いたいことは後者で

日銀が国債購入をやめれば → 長期金利は暴騰

金利を上げれば → 巨大な長期債務が発生信用喪失円の紙くず化

結果、「いずれ日銀を廃せざるを得なくなる」と・・

 

同じく、President Online 12/28 「日本円の紙くず化は避けられない…「事実上の利上げ」の次に日銀を襲う「債務超過」という最悪の危機

では、12/13の前回の主張をより具体的なデータ・グラフを用いて展開しているので、是非読んでおきたい・・

 


藤巻健史 「日本銀行が債務超過で潰れる日」

2022-12-13 21:29:09 | FX

まもなく日本円は紙くず化する…この半年で5兆円超の資産価値を失った日本銀行が債務超過で潰れる日」 藤巻健史 PRESIDENT Online

日銀破綻への藤巻健史氏の重要論文なので少し丁寧に整理してみよう

 

「日銀が11月28日に発表した4~9月期決算によると、保有国債を時価評価すると8749億円もの含み損が発生・・・6カ月で5兆2483億円も資産価値を失った・・・0.058%の金利上昇で

「雨宮正佳日銀副総裁・・1%の金利の上昇で28.6兆円、2%で52.7兆円、5%の上昇で108.1兆円、11%上昇で178.8兆円の評価損を食らう・・・日銀の引当金+準備金は9月末で11.1兆円しかない」

「日銀の信用が揺らげば、貧乏と増税地獄が待っている・・・国債債券先物市場では、10年債金利6%の架空の債券が取引されている」

「黒田東彦日銀総裁・・「日銀は償却原価法すなわち簿価会計を採用しているから財務上、損失が現れることはない」・・・この答弁は国際標準では通用しない・・・世界の信用審査は問答無用で時価評価・・仮に簿価会計で信用を測り、純資産なら問題なしとなれば、リーマン・ブラザーズも、山一證券も倒産などしなかっただろう・・・つい先日、英国のトラス前政権が市場の反乱で史上最短で崩壊したが、あれも債券の時価評価の結果である」

「紙幣をいくらでも刷れるから大丈夫」はウソ・・・米銀はG7の主要先進国であろうと、国も中央銀行も倒産の可能性があると判断し、時価評価をしたうえで取引枠を定めていた。信用が落ちれば取引枠が削られ、最悪の場合、廃止される。」

「2018年の日本金融学会の特別講演で、雨宮副総裁自身が以下のように述べている。「マネーが『信用』を基盤とする点は変わらないでしょう。そして、このような信用を築き上げるには『コスト』がかかります。(略)ソブリン通貨(円のような法定通貨のこと)の場合は、中央銀行の独立性を担保する制度的枠組みや、信頼に足る業務や政策のトラックレコードなどが必要となります。もちろん、中央銀行への信用がひとたび失われれば、ソブリン通貨といえども受け入れられなくなることは、ハイパーインフレの事例が示す通りです」」

「雨宮副総裁が述べたことは「日銀財務が健全ならば」という大前提が守られた上での話だ・・・しかし今は大前提が崩れている

「現在日銀は、新発10年債に対し0.25%の指値オペを行うことにより、必死で長期金利の急騰を抑えている・・・長期金利が上昇すれば、巨額の債務超過で、日銀の信用、ひいては円の信用失墜してしまう」

495兆円の日銀当座預金1%の付利を行えば4.95兆円の支払い金利が発生する。2%の付利で、9.9兆円もの支払い金利増だ。今の年間1兆円から1兆5000億円の収入だと毎年巨額の純損失の発生だ。生じた評価損を純利益で穴埋めなどできない・・・日銀の債務超過は、世界が一直線にデフレに逆戻りしない限り、簡単には解消しない」

「学問的に中央銀行が債務超過になっても大丈夫な条件が3つある

債務超過が一時的だと考えられること
②中央銀行の債務超過がその国の金融システムを助けるためで中央銀行自身のオペレーションは適格におこなわれていること
の財政が健全化に向かっており、将来税収で、中央銀行の債務超過を補塡ほてんできる目途があること。

日銀は以上の条件を何一つ満たしていない・・・日銀は、日本の物価上昇が激しくなっても対処する手段が無い。債務超過がでかくなりすぎるからだ」

 

確かにその通りにも思えるが・・

10年ものを0.25%程度で、日銀が買い続けられれば、そこまでは持つように思えるが・・

1211の中尾元財務官が心配するように、極端に流動性が低くなり、突如暴騰・暴落という状況まで行って、破局が訪れるのではないかなぁ・・・

2023年に来るか?

 


中尾元財務官 「日銀は新総裁体制下で政策調整を念頭に点検・検証を」

2022-12-11 17:59:27 | FX

 「日銀は新総裁体制下で政策調整を念頭に点検・検証を」-中尾元財務官(bloomberg)

「10年に及ぶ大規模金融緩和により、国の財政規律民間銀行の事業活動への悪影響、大幅な円安進行といった副作用が積み上がっていると指摘」

「長期金利の上昇を低く抑える日銀の政策によって債券市場の機能銀行の利益が損なわれていると指摘。これが「事実上の財政ファイナンス」にもつながっており、政府は安い資金調達コストに大幅に依存して経済を支え、財政規律が犠牲になっているため、膨張する債務負担を考えると不安な状況だ・・・

政策変更をいつまでも先延ばしすることはできない。これは明白だ、インフレ目標とイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)、大量の資産購入、将来のコミットメントの組み合わせについて再検討を始める必要がある」

出口となれば、住宅ローン政府の資金調達年金運用にも影響が出るだろう。多くの人にある種のショックが生じる、これは決して好ましいものではない。ただ、今のままの状況を永遠に放置しておくことはできない

 

けっこうはっきり言いますね・・

2023年は、面白い年になりそうですねー・・(FX)

いよいよ円暴落・日本売りが始まるのかなぁ・・・

 

 


「円の下落は、日本経済の弱体化を反映している」

2022-12-08 17:27:44 | 経済

円の下落は、日本経済の弱体化を反映している」(WSJ 米カーネギー倫理国際関係協議会 Richard Katz)

「日銀が集計している円の全貿易相手国通貨に対する「実質実効為替レート」は10月の段階で、半世紀ぶりの低水準となった」

「かつては品質面で競争力を持ち、無くてはならない革新的製品を生み出してきた日本企業は現在、輸出維持のため低価格を売りにしている」

円安は、増税と賃金の伸び率低迷と相まって、2019年(新型コロナウイルスの流行前)の実質消費支出が2013年をほぼ1%下回り、現在は同年比2.6%下回っている主因になっている。家計部門の消費が、これほど長期間にわたって減少したことは戦後を通じてこれまでに一度もなかった」

「四半世紀にわたりほぼゼロ%に維持された金利は、日本企業を(無利息で融資が受けられる)「フリーマネー」に対する中毒状態にした。現在、日本の全銀行融資の37%は0.5%未満の金利で貸し付けられており、そのうち半分は0.25%未満である。突然の大幅な利上げは、合計何百万人にも達する従業員を抱える多くの企業の支払い能力が突然、大幅に低下する可能性があることを意味する」

「 日本が必要とするのは根本的な生産性と革新性を向上させる堅実な改革であって、金融操作ではない

 

やはり、日銀は金利を上げられない、のか・・

根本的な生産性と革新性を向上」させるのは、少なくとも当分(○十年)は、無理だなー・・・

 


日銀・雨宮副総裁 1%上昇で評価損は28.6兆円

2022-12-02 23:31:18 | FX

日銀・雨宮副総裁 「イールドカーブ全体が1%上昇した場合の評価損は28.6兆円、2%で52.7兆円、5%で108.1兆円、11%で178.8兆円になるとの試算」

前回の「6ヶ月間で、0.21%から0.25%までで0.04ポイントの上昇で

含み益4兆3734億円が8749億円の含み損となったわけだから、

計5兆2483億円のマイナス」

とずいぶん違うが、根拠が??

1%だと、単純計算では、100兆円くらいのマイナスになると思われるが・・・

あなたが総裁になったら、来年実際に上げてみてね!