第五管区海上保安本部への抗議申し入れ行動の報告です。
要請書と交渉の内容を載せています。
13時45分、神戸市にある海上保安本部前に抗議参加者が続々と集まってきました。
14時を回り、海保第五管区が置かれている神戸第二総合庁舎へと向かいました。
交渉には参加者全員が同席したいということを伝えました。
庁舎内には入れる部屋がなかったためか、今回は庁舎の外での申し入れ行動となりました。
まず、要請書を読み上げ、辺野古で海保が行なっている暴力について問い質し、抗議の意を伝えました。
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2015年2月12日
海上保安庁長官 佐藤雄二 殿
第五管区海上保安本部 本部長 菅野孝一 殿
要 請 書
1. 海上保安庁による辺野古・大浦湾での市民に対する暴力行為を、ただちに中止して下さい。
2. すでに行われた暴力行為に関して事実の確認を行い、被害者に謝罪して下さい。
3. 辺野古・大浦湾で行われている市民の工事抗議・阻止行動に対する、海上保安庁の妨害行動の、法的根拠を示して下さい。
私たちは、沖縄・辺野古での新基地建設に反対する「Stop!辺野古新基地建設!大阪アクション」です。
当然ご存じだとは思いますが、沖縄県民は、昨年の名護市長選、名護市議会選、沖縄県知事選、衆議院選の選挙で「辺野古新基地建設No!」を突きつけました。1月26日に、翁長沖縄県知事は埋め立て承認に関する法的瑕疵の検証のための第3者委員会設置を発表し、沖縄防衛局に対して検証作業完了までの工事の中断を求めました。
しかし辺野古現地では新基地建設=埋め立てのためのオイルフェンスの設置が今、まさしく進行中で、海上ではカヌーと抗議船による抗議、また陸上ではゲート前を封鎖して、新基地建設を阻止するための行動が行われています。1月27日にはルール違反の夜中あるいは未明に大型車の搬入や大型の台船を入れ、1月28日からトンブロックを入れるなどして、県民の意志を無視する作業を進めています。
海上保安庁(第十一管区)は、沖縄県民の意思を踏みにじった工事強行に抗議する市民の行動に対して、暴力による妨害を続けています。すでに複数の負傷者が出ており、海上保安官に対する告訴も行われています。1月26日、翁長県知事は第十一管区海上保安本部を県庁に呼び、異例の「市民の安全確保」要請をしました。
海上保安庁による暴力行為を即時中止して下さい。
また私たちは、すでに行われた暴力行為に関する事実の確認と被害者に対する謝罪を要求します。
新聞報道等であきらかな事例をあげると、1月29日 航行中の抗議船に保安官が乗り込み操舵を奪い、船長に「座れ!」と強要した。ポストにつかまって抵抗する船長の指をこじ開け、全治2週間の捻挫をさせた。「名前を名乗れ」と要求する船長に対して、海上保安官は「海保太郎だ」と答えた。
1月30日 抗議のカヌー隊1名から海上保安官がパドルを奪い放り投げた。カヌー隊員は「パドルを取ってくれ」と要求したが応じなかった。その場で抗議をおこなったが、謝罪はない。
2月2日、抗議のカヌー隊8名に対し、飛び乗る、転覆させる、海水を飲ませるなどの暴力行為でGB(ゴムボート)に拘束した。リーフ外沖合4kmまで運んだのち、GBから降りることを強要し、海上に放置した。
これらは、ほんの一例ですが、いずれも市民の生命を脅かすものです。断じて許せません。事実確認をあいまいにすることは、人命軽視そのものです。
そして海上保安庁は、辺野古・大浦湾での市民の抗議・阻止行動への妨害行動の法的根拠を明らかにしていません。法的根拠の明示を要求します。
現場では抗議船に海上保安官が乗り込み、船長から操舵を奪い、勝手に進路を変更することが日常的に行われています。
海上保安庁法第18条によれば、海上保安官が、船舶の航路の変更、指定した場所への移動、進行の開始、停止などを強制できるのは「海上における犯罪が正に行われようとするのを認めた場合又は天災事変、海難、工作物の損壊、危険物の爆発等危険な事態がある場合であって、人の生命若しくは身体に危険が及び、又は財産に重大な損害が及ぶおそれがあり、かつ、急を要するとき」です。海上保安庁は抗議船やカヌーを海上保安庁法第18条に該当すると考えているのでしょうか。
以上、誠実なご回答を求めます。
Stop!辺野古新基地建設!大阪アクション
呼びかけ団体:
辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動
沖縄とともに基地撤去をめざす関西連絡会
「しないさせない!戦争協力」関西ネットワーク
沖縄意見広告運動・関西事務所
ジュゴン保護キャンペーンセンター
日本キリスト教団大阪教区沖縄交流・連帯委員会
日本キリスト教団大阪教区社会委員会
沖縄の高江・辺野古につながる奈良の会
関大校友連絡会
9条改憲阻止共同行動
釜ヶ崎日雇労働組合
辺野古の海に基地をつくらせない神戸行動
連絡先:大阪市中央区内淡路町1-3-11-402
Tel:06-7777-4935
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(■ここから、海保職員との交渉の様子です。)
「辺野古へは、全国動員ということだが、第五管区からも行ってるんですか?」
職員『東京のほうでハンドリングしてやっています』
「第五管区からも何人か行ってるって事?」
職員『・・・具体的なことはお答えできないです』
「第五管区からも行ってるでしょ、全国動員なんやから。だから我々関係ないなんて言われへんのやわ。当事者やねん。」
「実際にやってんねん。(市民への)妨害行為。暴力的に。」
「そういう暴力行為は、ここの保安官の意思ではなく、海上保安庁全体の意思でやってるわけ?」
職員『そのような事実関係の報告は受けていません。』
「事実関係を調べなあかんやんか。マスコミでも報道されてるやんか」
「そのような暴力行為をやれと、上から命令されてるわけ?」
職員『・・・事実関係を把握した上で・・・』
「事実関係を把握した上で回答してくれるわけね?」
「(回答してもらうのは)一週間後ぐらいでいいかな?または幅を持って半月後くらい。それでまたこちらから回答もらうことにしましょうか」
職員『はい』
「事実関係を把握するのに時間をかけるのはいいよ。しかし、その間に同じことが繰り返されたり、もっと大きな犠牲が出たり、っていうことやったら絶対にあかんのよ。僕らそれで来てんねんから。」
「今、五管から十一管に送ってるってことをお認めになってんですよね?当事者の責任があるってことをお認めになったんですよね?そこ一番知りたいんですよ。そこ、ちゃんと回答いただかないと。」
「今日か明日か、誰か死人が出るかもしれない、緊迫した状態なんですよ。」
「ほんまに死人が出るかもわからんねんで。」
「そうなったらどうするんですか」
「カヌーを外洋に出されて、潮の流れ、大きな波の外洋に放置されて、死者出るって、ほんとに現場では言われてるわけなんで。そこに五管が関わってるわけなんでしょ。当事者としての責任あるわけじゃないですか。」
「海保の方は訓練されてる方だからちょっとやそっとのことでは大丈夫だと思いますけど、みんなは一般の市民たちなんですよ。沖合いに連れて行って放置するとか、ほんとに波が高くって、沖合いに流されていったら誰も助けに行けないんです。で、暴力を振るわれて肋骨を折ったとか、頚椎を捻挫したとか、そういうことが日常的に(海保職員によって)行なわれているので、ほんとにそれは、自分の立場とか、国が決めたことだからとか、そういうことじゃなくって、真剣に(あなた個人としても)考えてほしいです。」
「(海保はカヌーが)外洋から辺野古崎を通って帰る水路を塞いだりとかもしてるんですよね、今。だから、二重三重にすごい(ひどい)ことやってるわけなんで、これ、ちゃんと一回答えていただかないと、僕ら困るんだな。」
「公式見解を出すんですね?」
職員『出すか出さないかは海上保安庁が決める』
「そもそも、出さないということがあると理解してもいいんですか?自分たちのやってることの法的根拠を説明できないと理解されても構わないと。今やってることについては根拠がありませんと多くの人は理解するに決まっていますよ。答えないというのは。現実に起きてるわけじゃないですか。毎日毎日、本来の任務とは違うことやってらっしゃるんだから、それは説明する義務があるんですよ。(仮に)その義務を果たさないということであれば、それはまったくの無法ですよ。拘束して拉致して放り出して、これをなんの説明もできませんというのと同じじゃないですか。」
「それも、海の上やからね!」
「なんで拘束してることについての法的な説明をできないんですか。身体の自由を奪って(その人の)意思に反して遠くまで持って行って放り出してるわけじゃないですか。これは拉致じゃないですか。海の上で。だからその法的な根拠を説明してくれと、言ってるわけですよ。」
職員『・・・この要請書に関しては事実関係をふくめて、あらためてお答えします』
「お願いしますね。頼みますね。ほんまに。」
(職員に沖縄タイムスの記事を見せながら)「80歳もの方が小船で抗議してるんですよ。(記事には)“怖い、でも海へ出る”と書いてある。で、この言葉の上になにがついてると思う?“海保が怖い”と書いてある。(職員の皆さん)自分の問題として考えてくださいね。当事者やねんから。第一管区から第十一管区まで全部出しとんねんから。(あのでかい巡視艇についても)全部我々の税金やで。ね。(あなた)関係ないとは言われへんのよ。」
「法的根拠を説明する、それがあなた方の仕事ですよ。ぼくらも、あなたがたが答えやすいように質問してるわけだから。」
「僕ら、(海保を)非難して突き上げるというよりも、神戸市民で兵庫県民だから、自分が加害者になってるという気がするわけですよ。五管から行ってる方たちがこういう暴力に加担してるということが、自分たちの責任だと感じてるわけです。だからそれ、僕らに説明していただきたいんですよね。」
「説明責任というのがあるんですよ。責任なんですよ、これは。もしも派遣目的と違うことが行なわれているということであれば、それは上層部に言うべきですよ。そして、説明できないなら説明できないということも言うべきですよ。そしてもしも説明できないのなら、私たちは訴えますよ。無法だと。拉致暴行を行なっていること、海上保安庁はそういうところだと、世間にどんどん広めますわ。」
「私は、保安官の人がすべて、暴力を振るいたいとか、痛めつけてやろうとかって思ってるとは思わないんですよ。その人たちも、嫌だけれどもやらなきゃと、そう、上から言われたから、命令だからと、これに歯向かったら、自分の職がなくなるとか、辛い思いをしてやってる方もいらっしゃると思います。そのかたがきっと、この先自分はあの時あんなことをしてしまったと後悔して、PTSDになるとか、自分の、生涯にわたって心に傷ができるのも、それも嫌です。だから、それも、言われたことだからと、黙って、仕方がない、じゃなくって、中の人たちから自分の思ったことを少しでも言ってあげて、それが大多数になれば、こういうことって覆ることがあると思います。だから、一人ひとり、そういうことを考えてほしいです。・・・お願いします。」
「よろしくお願いします。」
「回答お願いします。」
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そして、その後は、参加者一同で海保に向かってシュプレヒコールを行ないました。
「辺野古新基地建を阻止するぞー!」
「ジュゴンのすむ海を守るぞー!」
「辺野古新基地建設を許さんぞー!」
「海上保安庁の弾圧を許さんぞー!」
「辺野古新基地建を阻止するぞー!」
「海猿は弾圧をやめろー!」
「大阪アクションは闘うぞー!」
「辺野古新基地建を阻止するまで闘うぞー!」
「沖縄の人々と連帯して闘うぞー!」
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海上保安庁は今すぐ市民への暴力をやめ、
そして、辺野古の海を壊す新基地建設の工事に
加担しないでほしいと願います。