熱中症対策に「常温ドリンク」が適している理由

2013-07-17 14:26:29 | 健康
 梅雨明けから猛暑が続き、熱中症への注意が必要だ。熱中症対策には水分を十分に補給することがまず大事だが、「高齢者や病気を持っている人は、冷たい飲料を飲むのは逆効果になる場合がある」という。むしろ、「常温飲料がおすすめ」と話すのは日本薬科大学学長で百済(ひゃくさい)診療所院長の丁宗鐵(ていむねてつ)氏だ。

「熱中症になった人に話を聞くと、『水分をとっていた』という人が結構います。ただ、お年寄りや体の弱い人は、氷水のような冷たいものだと量を飲めないので、十分な水分補給になっていなかったのです」

 消化器官は約37度を下回るとうまく機能しないといわれる。冷えた水などを飲んで胃が冷えると、温度を戻そうと体内の血液や水分が急速に胃の周辺に集まる。もともと猛暑で体は脱水症状ぎみ。それなのに水分や血液が一部の器官に集中することで、さらに脱水症状が進むという。そのうえ脳や心臓、腎臓などで血液が足りなくなるので、高齢者や、動脈硬化などの基礎疾患がある人の場合だと、最悪、死につながることもあるというのだ。

「水分を吸収すること自体、体に負荷を与えます。若くて元気な人は冷たいものを飲んでもかまいませんが、高齢者などにとっては15~20度、ちょうど井戸水くらいが適正な温度です」(丁氏)

 外は連日の猛暑だが、一歩屋内に入るとエアコンが利いている。そして、外に出て冷たい飲み物を飲む。こうして暑さと冷えを繰り返すことによって、自律神経が変調をきたし、夏バテにもつながると丁氏は指摘するのだ。「冷房は仕方がありませんが、体の中は冷やさないことが重要なのです」(同)。

 コンビニ業界でも、「飲料は冷えているもの」という常識を覆して常温飲料を販売したところ、静かなヒット商品になっているという。山崎製パンが運営するデイリーヤマザキは7月1日、全国約1600店舗のうち約600店舗で常温のお茶と水を販売するコーナーを設けた。

「ある大手飲料メーカーのアンケートによると、『常温飲料を買いたい』という消費者が4割以上いました。3月から4店舗で実験的に販売したところ、常温の飲料に需要があることがわかりました」

目覚まし時計頼るな…自発的目覚めは頭スッキリ

2013-06-24 21:44:23 | 健康


読売新聞 6月23日(日)15時27分配信
 目覚まし時計に頼らず、朝起きる時間を意識して自発的に目覚めると、朝だけでなく昼の覚醒度も上がることが、国立精神・神経医療研究センターの池田大樹研究員の研究でわかった。

 27日から秋田市で始まる日本睡眠学会で発表する。

 池田さんは、15人の男性(平均年齢41歳)に目覚まし時計を使う場合と使わない場合で、5時間の短めの睡眠をそれぞれ4日連続でとってもらい、数字に反応してボタンを押す簡単なテストで覚醒度を比較した。その結果、寝不足がたまった4日目では、起きる時間を意識して自発的に目覚めた方が、テストの反応時間が朝で12%、眠気が強まる午後2時で20%短く、覚醒度が高かった。自身で感じる眠気には差がなかった。

 池田さんの過去の研究では、起きる時間を強く意識する訓練を1週間続けると、8割が目標時刻の前後30分以内で目覚めることができた。

 池田さんは「十分な睡眠を取るのが一番良いが、取れない場合も、起きる時間を意識して自発的に目覚めることで、覚醒度を高めることができる。目覚まし時計に頼らない生活を試してほしい」と話す。