ある3歳の幼児が泣いている時。母親はかわいそうだと考えたのでしょう、児童精神科に相談に行ってしまいました。児童精神科医は彼と目を合わせない3歳の幼児をみて、「この子は自閉症ですね、残念ですが」と診断を下しました。
「え・・でも、この子は他の子と比べてもそんなに違いがあるでしょうか?」親は少し疑問に思ったのか、自分の子が普通でいてほしいという願望があったのか、児童精神科医に尋ねました。「失礼ですが、私はこの分野では何百という研究を重ねてきた専門中の専門医です。是非私を信用してください。」親はその言葉を信じて、児童精神科医に治療をゆだねることにしました。
児童精神科医はある研究中の治療を提案しました。理論上その治療は副作用がほとんど起こらず、理想的な方法だというのです。親は是非その治療法を試してみたいとして、薬をもらい家で子供に飲ませることにしました。子供はまだ3歳でその薬を飲むのをとても嫌がりましたが、親はどうにか工夫を凝らしてその薬を飲ませるようにしました。
その薬を飲ませて少したってから子供に異変が起こりました。吐き続け、目がうつろになり体が傾いています。痛いのでしょうか、泣き続けていますが姿勢を直そうとしても直せません。親は驚いて児童精神科医に相談しに行きましたが、彼の答えはこうでした。「自閉症に特有のチック症状が出てきました。チックのために別の薬を追加しましょう。」そして、チックのためという薬がさらに追加されました。
その薬を飲んだ後、3歳のこの様子はさらに悪化していきました。体がのけぞり、生物として正常な状態に見えません。しかし親は児童精神科医の言葉を信じ薬を飲ませ続けました。そしてその子は言葉をしゃべることができなくなり、身動きすることができなくなり、いわゆる重度身体障害者のような状況となりました。
さすがに親はおかしいと思ったのでしょう。違う医師のところへ相談に行きました。しかし答えはあまり変わりありませんでした。何件も何件も回ってもその児童精神科医の治療は間違っていないとの答え。最後の最後に親は何の期待も抱かず、予約を取ったぼろい病院に向かうことになりました。そこでの答えは驚くべきものでした。
「先生、やはりこれは子供の病気なのでしょうか?」
「いいえ、違います。これは明らかに薬による悪影響です。こうなるのはある意味で当然であり、調べれば誰でもわかることです。」
「え・・・でも、あの先生は副作用がなくて安全だって言いました。それに他の先生にも聞きに行ったんですが、全員今の症状はしょうがないと言われたんです。」
「その医師たちの話が正しいと信じる理由は何ですか?」
「え・・・だって専門の先生じゃないんですか?」
「専門の先生なら必ず正しいんですか?」
「じゃあ、私も悪かったってことになるじゃないですか?そんなこと、認められません。」
「子供はどうするんです。飲んでからこうなっているんですよ。」
「そんなこと、そんなこと、認められません!」
親は怒って診察室から飛び出します。動けない子供を抱えながら夜道を一人で歩いていきます。「絶対違う、絶対違う」と繰り返しながら・・・
数週間後・・・あの最後のヤブ医者の言葉が頭から離れません。「もし、それが本当だったらどうしよう・・・」ついに親は少し教えてもらった情報源に目を通すことにしました。そこには驚くべき情報が網羅されていました。
「・・・・・」そこには自分の子と同じような子供たちが、そのまま情報として掲載されています。親はPCの前で泣き崩れます。私は一体何ということをしていたのだ・・・私は子供の声を無視して、私が都合のいいように薬を強制してきたんだ・・・この子はこの薬とやらがどれだけ体に悪いのか、ちゃんとわかっていたんだと・・・
親は裁判を起こすことにしました。しかしこの世に誰も味方はいませんでした。あらゆる医者がそれが薬害であることを否定し、あらゆる弁護士が医療裁判の援助を断りました。きっと前例がないのでお金にならないと思ったのでしょう。
あるジャーナリストがこの話を聞きつけます。その子と同じくらいの年齢の息子さんがいたそうです。そしてこの話題を大きなシンポジウムの体験談で話してくれないかと打診しました。親は少しためらいましたが結局OKしました。自分の恥をさらすような気がして少し躊躇があったのでしょう。
シンポジウムの当日、親は少し緊張の面持ち。親御さんは静かに語り始めます。「精神科の薬は病気をよくしてはくれないということを、わたしは身をもって学びました。今はすべてを知りあの主治医を恨んでいます。ただすべての根源は私にあるのです。私はよく夢を見ます。夢の中の私はまだ若く、腕の中に小さな赤ちゃんを抱いてミルクを飲ませています。私はそのミルクに猛毒を入れているのです。そうです。私はこの手で赤ちゃんに猛毒を飲ませ続けました。私がそのことに気付き両腕を切り落とそうとするところで、いつも目が覚めるのです。私は誰よりも罪深い人間なのです」
一体この日本で、誰がこの話を受け止めることができるのでしょう?何も知らず犠牲になった子供の家族でさえ、「私は悪くない、悪いのは皆、医師たちだ」と訴えます。しかし本当にそうでしょうか?悪いのは、こんな世の中にしてしまった私たち日本人、私たち大人が、無関心だったから、真剣に取り組まなかったからではないのでしょうか?私は心からその事を悔いています。そして一人でも多くの方に、本当に子供に必要なこと、本当に意味があることを考えていってほしいと願っています。
医師は悪くない 内海聡(http://www.facebook.com/satoru.utsumi)
「え・・でも、この子は他の子と比べてもそんなに違いがあるでしょうか?」親は少し疑問に思ったのか、自分の子が普通でいてほしいという願望があったのか、児童精神科医に尋ねました。「失礼ですが、私はこの分野では何百という研究を重ねてきた専門中の専門医です。是非私を信用してください。」親はその言葉を信じて、児童精神科医に治療をゆだねることにしました。
児童精神科医はある研究中の治療を提案しました。理論上その治療は副作用がほとんど起こらず、理想的な方法だというのです。親は是非その治療法を試してみたいとして、薬をもらい家で子供に飲ませることにしました。子供はまだ3歳でその薬を飲むのをとても嫌がりましたが、親はどうにか工夫を凝らしてその薬を飲ませるようにしました。
その薬を飲ませて少したってから子供に異変が起こりました。吐き続け、目がうつろになり体が傾いています。痛いのでしょうか、泣き続けていますが姿勢を直そうとしても直せません。親は驚いて児童精神科医に相談しに行きましたが、彼の答えはこうでした。「自閉症に特有のチック症状が出てきました。チックのために別の薬を追加しましょう。」そして、チックのためという薬がさらに追加されました。
その薬を飲んだ後、3歳のこの様子はさらに悪化していきました。体がのけぞり、生物として正常な状態に見えません。しかし親は児童精神科医の言葉を信じ薬を飲ませ続けました。そしてその子は言葉をしゃべることができなくなり、身動きすることができなくなり、いわゆる重度身体障害者のような状況となりました。
さすがに親はおかしいと思ったのでしょう。違う医師のところへ相談に行きました。しかし答えはあまり変わりありませんでした。何件も何件も回ってもその児童精神科医の治療は間違っていないとの答え。最後の最後に親は何の期待も抱かず、予約を取ったぼろい病院に向かうことになりました。そこでの答えは驚くべきものでした。
「先生、やはりこれは子供の病気なのでしょうか?」
「いいえ、違います。これは明らかに薬による悪影響です。こうなるのはある意味で当然であり、調べれば誰でもわかることです。」
「え・・・でも、あの先生は副作用がなくて安全だって言いました。それに他の先生にも聞きに行ったんですが、全員今の症状はしょうがないと言われたんです。」
「その医師たちの話が正しいと信じる理由は何ですか?」
「え・・・だって専門の先生じゃないんですか?」
「専門の先生なら必ず正しいんですか?」
「じゃあ、私も悪かったってことになるじゃないですか?そんなこと、認められません。」
「子供はどうするんです。飲んでからこうなっているんですよ。」
「そんなこと、そんなこと、認められません!」
親は怒って診察室から飛び出します。動けない子供を抱えながら夜道を一人で歩いていきます。「絶対違う、絶対違う」と繰り返しながら・・・
数週間後・・・あの最後のヤブ医者の言葉が頭から離れません。「もし、それが本当だったらどうしよう・・・」ついに親は少し教えてもらった情報源に目を通すことにしました。そこには驚くべき情報が網羅されていました。
「・・・・・」そこには自分の子と同じような子供たちが、そのまま情報として掲載されています。親はPCの前で泣き崩れます。私は一体何ということをしていたのだ・・・私は子供の声を無視して、私が都合のいいように薬を強制してきたんだ・・・この子はこの薬とやらがどれだけ体に悪いのか、ちゃんとわかっていたんだと・・・
親は裁判を起こすことにしました。しかしこの世に誰も味方はいませんでした。あらゆる医者がそれが薬害であることを否定し、あらゆる弁護士が医療裁判の援助を断りました。きっと前例がないのでお金にならないと思ったのでしょう。
あるジャーナリストがこの話を聞きつけます。その子と同じくらいの年齢の息子さんがいたそうです。そしてこの話題を大きなシンポジウムの体験談で話してくれないかと打診しました。親は少しためらいましたが結局OKしました。自分の恥をさらすような気がして少し躊躇があったのでしょう。
シンポジウムの当日、親は少し緊張の面持ち。親御さんは静かに語り始めます。「精神科の薬は病気をよくしてはくれないということを、わたしは身をもって学びました。今はすべてを知りあの主治医を恨んでいます。ただすべての根源は私にあるのです。私はよく夢を見ます。夢の中の私はまだ若く、腕の中に小さな赤ちゃんを抱いてミルクを飲ませています。私はそのミルクに猛毒を入れているのです。そうです。私はこの手で赤ちゃんに猛毒を飲ませ続けました。私がそのことに気付き両腕を切り落とそうとするところで、いつも目が覚めるのです。私は誰よりも罪深い人間なのです」
一体この日本で、誰がこの話を受け止めることができるのでしょう?何も知らず犠牲になった子供の家族でさえ、「私は悪くない、悪いのは皆、医師たちだ」と訴えます。しかし本当にそうでしょうか?悪いのは、こんな世の中にしてしまった私たち日本人、私たち大人が、無関心だったから、真剣に取り組まなかったからではないのでしょうか?私は心からその事を悔いています。そして一人でも多くの方に、本当に子供に必要なこと、本当に意味があることを考えていってほしいと願っています。
医師は悪くない 内海聡(http://www.facebook.com/satoru.utsumi)