医師専用のコミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」を運営するメドピア株式会社が、会員医師に対し「”飲み忘れ”や”飲み残し”による『残薬』の問題」についてのアンケートを実施したところ、約6割の医師が病気の原因が不明な時に薬を処方した経験があると回答したことがわかった。
◎「ある」と答えた医師の、具体的なケースや理由(回答の一部を抜粋)
・原因が不明な発熱や頭痛などに対する対症療法薬。(30代、呼吸器内科)
・痛みの原因を検索中でも患者さんの希望で痛み止めを出さざるを得ない。(50代、整形外科)
・過敏性腸症候群と診断しきれない段階での整腸剤投与。(30代、消化器内科)
・患者が検査を拒否した時、訪問診療で検査ができない時。(30代、呼吸器内科)
・初診時に原因がはっきりすることはむしろ少なく、対症治療が必要なケースは多々あります。(30代、消化器内科)
■複数の診療科による個別処方や多剤投与などが指摘されているが、約6割の医師が真薬を処方する上で不安を感じたことが「ある」と回答
◎「ある」と答えた医師の、具体的なケースや理由(回答の一部を抜粋)
・他の医療機関で何が処方されているかわからない。(50代、泌尿器科)
・患者が薬手帳など持っていなくて、他院で出ている内服などが不明だが、今日薬をどうしても出して欲しいという場合。(40代、整形外科)
・リスクの高い薬(抗凝固薬、抗不整脈薬等)を他院で処方されているが、本人が名前を覚えていない。(30代、一般内科)
・認知機能が低下している患者様の場合や,薬の事を正確に理解せずに処方だけ受けている場合など。(40代、代謝・内分泌科)
・先方の紹介状に薬の用量が記載されていない時、患者さんが併用薬は無いと言っていたのに、後日併用薬の存在を知った時。(30代、呼吸器内科)
■約6割の医師が「薬を出さない医師は患者うけが悪い」と感じたことがあると回答
◎「感じる」と答えた理由(回答の一部を抜粋)
・病院に薬をもらいに来ている人が多いため。(30代、一般内科)
・診察自体に重きをおいてない患者が多く、薬がないと何もしてくれなかったと感じるようだから。(40代、小児科)
・病院に来たのに無治療だといわれる。(40代、放射線科)
・ほとんどの患者は治療を希望して受診されており、内服不要・検査不要で経過観察で帰宅される場合は十分な説明が必要。(30代、小児科)
・医療機関にかかったのに、何もしてもらえなかったと感じるだろうから。実際は安全という何より大事なことを重視しての対処なのに。(40代、整形外科)
・その薬は必要ないと話すと機嫌が悪くなるかよそでもらうと公言する。(60代、一般内科)
■大量の「残薬」が生まれてしまう一番の要因は?
・他科、他院の処方が不明。院外薬局があまり機能していない。(40代、呼吸器外科)
・処方薬の管理が一元化されていないからだと思います。(40代、小児科)
・医師の説明不足と、患者の理解不足。(50代、一般内科)
・患者の服薬管理の限界と薬への盲信。(50代、整形外科)
・患者さんが勝手に判断して服薬を調節してしまう。(60代、一般内科)
・1日1回の服用は忘れにくいが、複数回の場合忘れやすい。(50代、一般内科)
・飲み忘れが多いです。認知症の方は、服薬に工夫が必要です。毎回診察の際、残薬量を確認し、処方量を調節しています。(60代、精神科)
・やはり飲み忘れが多いためと思われる。小児科は成人と違い薬の種類が少なく日数も多くて1ヶ月分処方のため残薬で困ることは少ない。(40代、小児科)
・薬などは保険適用で安価で入手できるために、患者が残薬などを大事にせず、どんどん出してもらっている。(40代、放射線科)
■「大量処方や薬をめぐる問題」についての意見
・患者の服薬コンプライアンスが不良なこともあり、服薬指導は重要だろう。(40代、消化器外科)
・保険証で他院の処方も全て把握できるシステムが必要。薬剤の転売なども防止できる。(30代、精神科)
・とかく、「薬を出す」ことで問題解決を図ろうとしがちなことが問題だと思う。それは、医師側だけでなく、患者の側も同様に。(40代、精神科)
・高額な抗がん薬を、自己判断で減量したり飲まなかったりする症例は相当存在するものと思われ、残薬の管理をする手立てを見つける必要が有る。(40代、血液内科)
・薬局で薬手帳を確認し、フィードバックしてほしい。(30代、循環器内科)
・服薬管理に関する関係各所との連絡調整がしやすくなるとよい。(40代、一般内科)
・個人的な努力に帰してしまうが、自身は外来時に飲み残しを聞いて、面倒でも残薬調整を行って、処方している。また調剤薬局には面倒をかけるときはあるが、残薬がどうしても出るような方には家の残薬を外来に持参していただきそれも含めて一包化したこともある。(30代、消化器内科)
・多量の薬を内服している人の処方を見るといまいち処方されている理由がわからないこともあり、経営上の問題での過剰処方も中にはあるような気がする。また、薬の副作用を抑えるためにさらに追加で処方してしまうというケースも結構あるのではと思う。(30代、麻酔科)
・外来に関しては基本的に院外処方になっている病院、医院が多く、薬を出せば出すほどもうかった一昔前とは事情が違うはずなのに、いまだに服用しなくてもいい薬を大量に処方する医院があります。(50代、泌尿器科)
<調査概要>
調査対象:医師専用コミュニティサイト「MedPeer」に会員登録をする医師
調査期間:2015年5月18日
有効回答:163名
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150607-00010003-dime-soci
琉球大学教育学部の照屋俊明准教授と禹済泰(う・ぜて)琉大地域連携機構客員教授(沖縄リサーチセンター社長)、韓国のハンリム大学のユン・ジョンハン教授の研究チームが、シークヮーサーの皮に含まれる成分・ノビレチンが、がん細胞の成長を促進するとされる肥満状況下でも、がん細胞の成長と転移を抑える効果があることを発見した。このほど、神奈川県で開かれた国際学会「アジア栄養学会議」で発表した。研究チームは「今後、シークヮーサー製品を、既存医薬品と組み合わせる『補完療法』の可能性を目指し研究を進めていきたい」と述べた。
研究チームは、高脂肪食を与えたマウスに皮膚がん細胞を移植し、がん組織の成長とがんのリンパ転移を検討した。高脂肪食の餌を与え続けたマウスでは皮膚がんは大きくなり、リンパ転移も促進したが、高脂肪食にノビレチンを混ぜた餌を与えたマウスでは高脂肪食のみと比べがん組織の成長とがんのリンパ転移が70%ほど抑えられた。
ノビレチンに抗肥満効果とがん細胞の増殖を抑える効果があることは報告されていたが、肥満状況下でのがん組織の成長を抑えることは初めての報告となる。
ノビレチンは、ミカンやグレープフルーツなどかんきつ類に多く含まれるが、中でもシークヮーサーの含有率は高く、温州ミカンの10倍とされる。照屋准教授らは、シークヮーサー残さからノビレチンを効率的に抽出する製法を確立しており、6次産業化を進める技術としても注目されている。
禹教授によると、がん組織の成長とがんのリンパ転移を抑えたメカニズムとして、ノビレチンが、高脂肪食によるがん細胞の増殖や血管新生の促進を抑えるとともに、がん細胞の自殺(アポトーシス)減少を阻害することによりがん組織の成長が抑制される。また脂肪組織周辺にある転移に関わるマクロファージの増加を、ノビレチンが抑えることによってがんのリンパ転移を抑制した−ことが考えられるとした。
http://mainichi.jp/area/okinawa/news/20150522rky00m040002000c.html
細胞の中で酸素からエネルギーを生産するミトコンドリアは、細胞の核のDNA(デオキシリボ核酸)の変化によって機能が落ちるとの研究成果を、筑波大などのチームが英電子版科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表した。ミトコンドリアの機能低下は老化が進む一因と考えられており、今回の発見は「細胞の若返り」の研究に役立つ可能性があるという。
ミトコンドリアの機能低下はこれまで、加齢によってミトコンドリア自体のDNAが突然変異を起こすことが原因とみられていた。しかし、チームが胎児~12歳、80~97歳の2グループから提供を受けた体細胞を分析すると、ミトコンドリアDNAの突然変異に年齢による差はなかった。
一方、高齢グループの細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作ると、エネルギーを作る機能が回復した。iPS細胞では、細胞核の時計を胎児のような状態に巻き戻す「初期化」が起きている。初期化してもミトコンドリアDNAの突然変異は消えないため、機能低下は細胞核の遺伝子が「メチル化」と呼ばれる変化をしたのが原因だと結論付けた。
さらに、機能低下した細胞にアミノ酸の一種「グリシン」を加えると、機能が一部回復することも確認された。チームの林純一・同大特命教授(細胞生物学)は「グリシンを摂取すれば老化を遅らせることが期待できるが、がん細胞を増やすとの報告もあり、慎重に研究を進めたい」と話す。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150609-00000032-mai-sctch