「ドッペルゲンガー」の話

地上波で放映、録画されていたのを見ました。これは、ホラー？サスペンス？何？


ドッペルゲンガー ASBY-2458


あらすじ
メディカルサイテック社の研究者・早崎道夫（役所広司）は体が不自由な障害者や高齢者の為の人工人体の製作に生き詰まっていた。前の大ヒット作・血圧計から１０年、周囲からの期待と催促がプレッシャーとなりストレスを貯めこんでいた。
そんなある日、助手の高野（佐藤仁美）から友人の永井由佳（永作博美）の弟の話を聞く。その弟はドッペルゲンガーを見た為に死んだのだと。
その時は興味の無かった早崎だったが、ある日自分がドッペルゲンガーを見てしまう。

監督は「回路 Pulse」「アカルイミライ」の黒澤清。

主人公のエリート研究者・早崎道夫を役所広司。
弟のドッペルゲンガーに悩まされる女性・永井由佳に永作博美。
ドッペルゲンガーの連れて来た男・君島をユースケ・サンタマリア。
その他、助手の高野に佐藤仁美、同じく助手の青木に戸田昌宏、友人でよき理解者である部長の村上に柄本明らが出演。

ホラーっぽいが、サスペンスなのかな？先の読めないストーリー。こんな方向に向うとは観る前は思いませんでした。
作品中で自分のドッペルゲンガーを見たものは死ぬと言っている割に全然死なない主人公。
しまいにはドッペルくんが一緒に研究を背後から手伝ってくれたりして。
研究者らしく神経質で真面目な早崎と違って、ドッペル早崎は言葉巧みに女性を口説き、眉一つ動かさず人を殺すような男です。

ネタバレ
不思議と面白かったのがドッペルゲンガーが死んでも死体が残る事。消えないんだという感じは斬新に思えました。由佳の弟のドッペルゲンガーの死体が出てきたら混乱するだろうなと、それでも死体が出てくることはありませんでしたが…。
最後に現れた傷だらけの早崎が、果たして本体かドッペルかと思っていたのですが、どうも合体作のようですね。
研究成果も金も捨て、全てから解放された早崎と由佳がいったい何処へ向うのか、それで終わる所が渋いですね！

評価（６０点）：


楳図かずお恐怖劇場「蟲たちの家」「絶食」 DA-756



アカルイミライ 通常版 ZMBZ-1539



カリスマ KIBF-55



大いなる幻影 BWD-1257



ドレミファ娘の血は騒ぐ PIBD-7072



地獄の警備員 PIBD-7073

「船を降りたら彼女の島」の話

以前から観てはみたかったのですが、ソフトを買ったり、レンタルしたりするほどではなかったんです。ＮＨＫ-ＢＳで放送されていたのを録画、このほどやっとこさ観ました。

船を降りたら彼女の島 TDV-2745D

あらすじ
海辺の廃校となった小学校を改築し民宿を営んでいる元教師の周三とその妻・泰子。
娘の久里子は、２年ぶりに故郷の「瀬戸島」に帰ってきた。
突然の帰郷に、娘に東京で何かあったのではと心配するが口には出せない父親。
両親に結婚を決めた事を言えない娘。
上京する前の自分の荷物をしていた久里子は、鶴姫の鈴を見つけ幼い日の初恋の事や祖母と行った三つ首の祠の事を思い出す。
瀬戸内を舞台に九里子の思い出探しが始まります。

監督は「がんばっていきまっしょい」「群青の夜の羽毛布」「解夏」「雨鱒の川」の磯村一路。
押尾コータローが音楽を担当しており、映画の中での独特の世界観を醸し出しています。
原案となったサキヒトミさんの漫画「カントリーパラダイス」は、公式サイトで読むことができます。（下のリンク参照）

主人公の河野久里子に木村佳乃、父・周三をベテラン大杉漣、母・泰子を大谷直子が好演。
その他に九里子の幼馴染み・健太役で照英、兄・創平を佐々木蔵之介、高校の同級生・美香を小山田サユリ、等が出演しています。

基本的にアルタミラピクチャーズの作品が好きなので磯村監督の上記の代表作も全てＤＶＤソフトを持っています。
しかしながら「群青の夜の羽毛布」が良くなかった事もあってこの作品は購入を控えていました。
いかにも地味な内容ですし…。

以下、ネタバレ含みます。
感想は、どこか昔ながらの日本映画を引きずっているかなと。
鶴姫、初恋、三つ首、両親への結婚決意表明という４つのテーマから成り立っています。
このうち三つ首はどうしてか解明されませんでしたね。
最初、カットされたのかなとも思ったのですが、どうも本当に無かったようです。
九里子の思い違いなのか、本当にあったのか気にはなりましたね。

幼馴染みで九里子に気のある健太は可哀想ですね。
はなからその気が無い事を九里子が言わないものだから、結局良いように使われて、自分の立場に置き換えてみると受けなくて良い心の傷を深く負ったように思います。
そういう意味では九里子は嫌な奴ですね！

終盤の婚約者の登場の必要性については多くの方が疑問を持っているでしょうね。
海の見える丘の上に建っていた自宅が好きだった九里子。
そこに現れた婚約者は、九里子の性格形成の説明をさせる為か、あるいは九里子の代弁者として父・周三と話させたかったのか。
私は最初は一人で帰ってきた九里子が島を出る時には、婚約者と２人で旅立って行く、別れのシーンを演出したかったのかなと思います。
島を出る時は、もう私の島では無い、そんな事を言いたかったのかなと。
健太の漁船が互いに気付かずに九里子の乗った船とすれ違うのが、もう別々の道へ走り出したのだと表わしていたのではないでしょうか？

・アルタミラピクチャーズ・船を降りたら彼女の島公式ＨＰ

評価（５０点）：

雨鱒の川ファースト・ラブ スペシャル・コレクターズ・エディション PPF-111135



解夏 TDV-2865D



群青の夜の羽毛布 PCBE-50521



がんばっていきまっしょい コレクターズ・エディション PCBG-50806



目を閉じて抱いて ニュープリント・デジタルニューマスター版 TBD-1087