羽毛田のブログ

Team Limit Break Woraksによる山岳フライト、そして様々な冒険への挑戦の記録。

富士山フライト

2013年11月25日 | 山岳フライト
テーマ:富士山山頂からの山岳フライト(単独)
日時 :2013年9月29日
使用機体:OZONE ADDICT

 富士山が閉山後、約1ヶ月、予想気圧配置(特に高層天気図)、ウインドプロファイラ等とにらめっこをし、ついに、絶好と思われるフライトコンディションが見込める日がやってきた。
 9月27日、あまりに急な、富士山フライト計画であったため、仲間とも日程が合わず、実行に移すには「単独」でという条件付だ!
 浅間山、男体山と山岳フライトの経験を重ね、単独でも十分可能な挑戦ではあるが、できるなら、単独行は避けたいところ。
 しかし、年に数えるほどしかないこのコンディションを逃せば、富士山が世界遺産となった記念フライトは、二度とできなくなる。とにかく、準備してきた装備を担いで、現場(富士山山頂)に向かうことにしよう!最終判断はそれからでも遅くない。

 単独であったため、仲間の車によるピックアップはない。したがって、高速バスの予約をとり、9月28日に富士スバルライン五合目へ向かった。



昼食をとり、13時30分、いよいよハイク開始!装備は、フライト道具(ツリーラン脱出装備含む)、登山道具、食糧、水4ℓを含め二十数キロ。












爽快な景色とともに、サクサク登っていきます!

















この辺になると結構キテます。








夕日に照らされた雲が美しい!





いよいよ、ゴール!!時間は確か19時ぐらいだったか。装備重量が堪えて、思っていたより時間がかかってしまった。

 山頂には、すでにツェルトを張り、ビバークされている方が2名。私も、軽い夕食を済ませ、グライダーをザックから取り出す。
 気付かれただろうか?そう、取り出したのはツェルトではなくグライダーなのだ!決して、この夜中に飛んでしまおうと言う訳ではない。装備軽量化のため、初めてのグライダービバークである。風待ちのため、テイクオフでグライダーに数時間包まったことはあったが、ここは、9月も終わりの富士山山頂。気温が氷点下になることは間違いない。果たして大丈夫か・・・

 答えは・・・確かに、寒い。が、何とか大丈夫である。それよりも、問題だったのは、寝入った後のぐるぐる感!意識があるときは、全く問題ないのだが、睡眠に入り、暫くたつと、気持ち悪さに目が覚める。まるで、かなり酔っ払って寝た時のようだ。もしかして、これ高山病なのか?と気付く。どうやら、睡眠に入ると、酸素吸入量が大分落ちるようだ。高山病にかかったのは初めての体験であった・・・
 高山病にかかった原因として考えられるのは、登るタイム自体は遅かったが、装備重量を考えると、それなりに負担があったのかもしれない点。山頂に付いた後、寒くてすぐに寝ようとした点が挙げられる。
 睡眠後の高山病を防ぐためには、レースをしてる訳ではないので、さらに時間をかけ登り、山頂の低酸素環境に、体を慣らしてから(少なくとも数時間は必要か?)寝る必要があるだろう。
富士山山頂でのビバーク、侮り難し。高山病に要注意だ!!

二日目


う~寒い~。








おっ!


おおっ!


御来光来たー!! この後の安全フライトを祈願する。

 朝食を済ませ、朝8時、フライトの準備に取り掛かる。良い感じのブローがすでにあるが、全面雲海に覆われているので、テイクオフができない。雲の切れ間ができるのを待つ。ランディング目標地点は、河口湖駅付近。車によるピックアップがないため、帰りの高速バスにすぐ乗れる地点を目指す。
 30分以上待ち、雲の切れ間が出来始めた。しかし、河口湖方面は依然として雲海に覆われたままだ。だが、これ以上待って飛べなくなっては元も子もないので、フライトを決意する。
 程よい緊張感に包まれながら、いよいよ日本最高所からのフライト開始!!

これが、冒険フライトの記録だ。
Mt.Fuji flight 富士山山頂から飛んでみた。




雲海の上を飛んだのは初めてである!これぞ富士山山頂フライト!


振り返って。なんと雄大で美しい姿だろう!!







まとめ:あまりに急な富士山山頂フライトの単独行であったが、実行に移すのが急であっただけで、この裏には、計画を安全に遂行するための綿密な準備が存在している。
 例えば、富士山の登山自体は過去に2回あり、テイクオフ可能な場所の調査を行っているし、ランディング候補地点の近くにあるパラグライダーエリアから何度もフライトし、地域的な風の状況の把握、ランディング可能ポイントを探っている。また、風向、風力に合わせて、どのルートを飛べば良いか、ランディングポイントはどこにするか、もし実際飛んで予定通りいかない場合の第2プラン、第3プランの作成を行っている。気象判断、ツリーランからの自己脱出の準備も然りだ。
 安易に真似をし、自衛隊の演習場にランディングなんて事のないように!

 綿密な計画と、十分な準備を整えた者にとって、富士山山頂フライトは、かけがえの無い体験になることでしょう!富士山、飛ばせてくれてありがとう。

中禅寺湖上空を飛んでみた(後編)

2012年05月27日 | 山岳フライト
テーマ   : 中禅寺湖上空を山岳フライト(後編)
日時    : 2012年4月29日 
使用機体 : OZONE ADDICT
提供    : Limit Break Works

 後編をアップします。おそらく、ここを飛ぶことはもうないでしょう。個人的にとても貴重なフライトです。
 また、関係者の皆様におかれましては、この山岳フライト挑戦を成功させていただき、大変ありがとうございました。この場をかり御礼申し上げます。


中禅寺湖上空を飛んでみた(後編) Lake Chuzenji Flight Part2.mpg

中禅寺湖上空を飛んでみた(前編)

2012年05月02日 | 山岳フライト
テーマ   : 中禅寺湖上空を山岳フライト(前編)
日時    : 2012年4月29日
使用機体 : OZONE ADDICT
提供    : Limit Break Works

 昨年のGWは、河口湖上空をフライトしたので、今年もどこかの湖上をフライトしたいと考えていた。近場の湖といってまず思い浮かんだのが、中禅寺湖である。しかし、ここを飛ぼうと思って山岳フライトを試みたが、過去に2度敗退している。
 飛べないと約25kgの装備を担いで下りることになるので(1000mを超える担ぎ上げと、担ぎ下ろし)、ヘトヘトのガクガクのグタグタになってしまう。なんとしても成功させたいところだ。



前日の中禅寺湖の様子。今回は湖上空をフライトし、そのまま湖畔に降ろす予定なので中禅寺湖周辺を踏査。



この浜もギリギリ使えそう・・・



当日の午前9時頃。以前2回の敗退時と比べ、非常に穏やかだ。いけるかも!!それにしても、濃いブルーな中禅寺湖が綺麗だ!期待がいやがおうにも高まる。



登りで一緒になったOさん。思わぬものが見られましたでしょうか?



テイクオフ準備。それにしても穏やか過ぎる。今日の本流は西風予報。若干斜め後ろから風が来る。ヤバイ飛べないかもと思いつつ、一時間ぐらい風を待つ。



一瞬のサーマルブローを捕らえ、テイクオフ。木々が近く、助走距離がとれないため、スムーズかつ、自分の「行ける」感覚を信じ、木々の間に躊躇なく突っ込む度胸が試される。



木々をすり抜け無事に離陸成功!!



強烈な上昇風で乱されるも、どんどん上げていく。それにしても凄い迫力だった。写真や動画では、あの迫力の半分も伝わらないところが残念である。



トップアウト!!



中禅寺湖の全景。



なかなか、見られない景色に感動!



中禅寺湖ブルー



日光レイクサイドの様子。



いよいよランディング。



まとめ : 現在は都合により5年以上前の2(C)クラスのグライダーを使用しているが、足のあるグライダーなら中禅寺湖一周も十分可能なコンディションだったと感じた。さらに、アイゼン、ストックや、食糧、水等の山装備がハーネスの収納に収まらず、本来入れてはならないリアセクションに入れたため、形状が崩れ有害抵抗となり、思い切り性能が落ちていたのが痛かった。
 改善策として、パラグライダーに関していえば、軽量かつ高性能なLM4が非常に有効だろう。(欲しい!!)
 山装備に関しては、アイゼンを持っていなければ山には上がれなかったし、軽装過ぎるのは危険過ぎる。しかし、収納できないからといって、リアセクションに入れるのは性能を著しく落とす。では、どこに・・・前に持つか・・・でも、どうやって?すでにレスキューパラとツリーランセットがあるし・・・。

 なんてことを考えるのは非常に楽しく、これも山岳フライトの持つ魅力の一つだろう。


中禅寺湖上空を山岳フライトしてみた Lake Chuzenji Flight Part1.mpg



 

浅間山 山岳フライト

2012年04月01日 | 山岳フライト
テーマ :日本百名山である浅間山からの山岳フライト初挑戦
日時  :2011年10月9日
使用機体:OZONE ADDICT
提供  :Limit Break Works


 長野県と群馬県の県境、活火山の浅間山からの山岳フライト初挑戦の記録です。
テイクオフ地点から見える範囲では、ランディング出来そうな場所が全く無いので、ランディング予定地点まで飛んで行けるかがカギでした。


長野県佐久市からの浅間山。この風景が一番好き


浅間山の爆裂火口


Team Limit Break Worksのメンバー


まとめ:このような場所から飛ぶのは、管理されたエリアで飛ぶのと訳が違い、非常に緊張を要する。今後も事前調査を入念に行い、気象状況・テイクオフ可否の判断力、セルフレスキュー技術を高め、山岳フライトに挑戦し続けたい。
 


浅間山から飛んでみた Adventure flying from Mt.Asama