羽毛田のブログ

Team Limit Break Woraksによる山岳フライト、そして様々な冒険への挑戦の記録。

アルプス縦走フライトへの挑戦

2014年05月16日 | 通常フライト
年月日 :2014年5月4日
エリア :木崎湖フライトパーク
使用機体:OZONE MANTRA6

 先週、準備不足により絶好のアルプス縦走フライトのコンディションを見逃してしまったため、今度は準備を整え再び木崎へ。気象条件は、移動性高気圧に覆われ、後立山連峰の3000m付近は穏やかな予想が出ている。グローブもヒートグローブを用意し、3000m越えでもへっちゃらだ。

Face Bookの情報で久我さん達のグループが白馬主稜を登っているとのこと、私は空から白馬岳を目指し、皆さんと山頂で会うことを最終目標とした。

本日は、絶好なコンディションが予想されたこともあってか、木崎の駐車場は満員御礼状態。空が薄曇りなのが気になるが、いざテイクオフ。



テイクオフ上空で粘るものの、いいサーマルが2100mを超えたあたりから、スーッと消えていく。どうやらこのあたりに強い逆転層があるようである。しかし、アルプスに取り付けさえすれば、斜面沿いに上がるサーマルで逆転層を抜けられる可能性がある。とにかく行ってみるしかない。写真は目標の爺ヶ岳。予報通り、山頂付近は穏やかそう。



単独で尾根に取り付く。思っていた通り、この尾根沿いはサーマルが収束しており、難なく上げられる。
尾根沿いにはテントがチラホラ見えていた。



写真では分かりずらいが、間近で飛ぶと凄い迫力なのである。


尾根沿いで粘るが、どうしても逆転層を抜けられず、爺ヶ岳をトップアウトできない。徐々に渋くなってきたため、木崎テイクオフへ戻ることにした。戻る途中、3機とすれ違う。その内2機はグループソアリングでかなり低めに突っ込んで行った。

 木崎のテイクオフ上空で、すれ違った3機を観察する。その高度まずいんじゃないかと思っていた低く突っ込んでいた2機はグループソアリングの利点を生かし、なんとか上げ返していた。しかし、やはり3機とも逆転層を抜けられず、爺ヶ岳の手前で四苦八苦していた。
 徐々に日が差してきたこともあり、コンディションの好転が期待されたため、私も再度上げ返し、アルプスの尾根へ。そうしたら、3機が戻って来て、再びすれ違う。折角4機で逆転層突破への道を探そうと思っていたのに・・・再度単独でのトライとなった。

再三試みたが2300mを超えたところが本日の限界。逆転層突破し、爺ヶ岳トップアウト~鹿島槍を経て、白馬岳を目指す後立山連峰縦走フライトは叶わなかった。

その後、木崎湖へ戻り、横断。上げ返し、青木湖へ向かう。



青木湖の様子。



青木湖到着。ハート型~



木崎湖へ戻りランディング。なんだかんだで3時間半のフライトであった。前に乗っていたDクラスのNOVAトリトンより、確実に空域が広がっているのを感じた。


まとめ :本日のフライトにおいてハーフアクセル、リアライザーコントロールなしのトランジット中、不意の乱流に右翼を突き上げられ、左翼が潰れた。潰れた量は4割程。潰れた際の挙動特性としては、激しくシューティングするような傾向はなく、普通に押さえていれば、素早く通常滑空に戻る。しかし、しかしだ。翼端がクラバットしてしまい、こいつがなかなか元に戻らない。バテンがラインに引っ掛かっているような感じだった。バテンで補強されたグライダー故の欠点ではなかろうか。
 今回ラインに絡んだ量がフライトに大きく影響を及ぼす程ではなかったからよかったものの、大きく潰れ、グライダーの1/3以上が絡んでしまったとしたら・・・恐らく、通常滑空しながら回復させることは不可能と思われる。そうなってしまった場合、周囲の安全を確認後、フルストールに入れるか、回収しやすい場所でレスキューを投げるしかない気がする・・・改めて、このグライダーによるフルストール訓練の必要性を感じる出来事となった。

 でもまぁ、一番重要なのは大きく潰さないことだから、アクティブリアライザーコントロールはしっかり行おうと思う。

 久我さん達に合流できなかったのが残念である。しかしながら、アルプス山岳フライトへの一歩を踏み出すことができた。気象情報をしっかり把握し、穏やかなコンディションを選びさえすれば、アルプス縦走フライトと言えども、無暗に恐れる必要はないと感じた。今後も、後立山連峰縦走山岳フライトの可能性を模索していきたい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿