取材の話しにもどります。
取材先の情報を得て、編集会議にかけて、取材をして、記事を書いて…。
そんな生活に慣れてきた頃、ふと自分の中に疑問がわいてきました。
取材する人たちは、皆、長年何かを続けてきて
それが形になって表れてきている人たちでした。
反面、自分は…というと、
その人たちの断片を切り取って記事にしてみんなに伝える…。
それはそれで悪い仕事ではないのですが、
取材が終わればその人との関係も終わってしまいます。
相手からすれば、記事にしてもらえばもう私と関わるメリットはなくなるわけですから…
私の考え方に柔軟性がなかったと言えばそれまでですが…。
子育てを終えた後の自分の価値を仕事で計りたいと思っていたのだと思います。
心理学的にいうと、「自分のアイデンティティを仕事に求めていた」というのでしょうか。
アイデンティティとは、
心理学で「自我同一性」といわれていて、
「自分が今までどうやって生きてきて、これからどう生きていくのか、
この社会の中で自分なりに生きるにはどうしたらよいかを考え探索し、
その結果どう生きるかの決断し、それに添って生きていくこと」
(「心理学」有斐閣発行より一部引用)
昔は、アイデンティティは青年期の課題として考えられていましたが、
今は一生涯アイデンティティの獲得の問題は続くと言われています。
昔は出産数も多く、家族を持ち子育てをすることで
一生を終えていました。
しかし、今は子どもの数も少なく、子育て後の時間がたくさんあります。
そのため、男性にとっても女性にとっても子育て後のアイデンティティの確立
(子育て後どういきていくか)が大きな課題になってきています。
今、急速に時代は変わっていっています。
当時をふり返ると、自分もまたその時代の波の中で、
アップアップしていたのだと思います。
(つづく)
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