この2-3年のことだが、内山彦次郎暗殺に興味をもって調べてきた。
小野友五郎の時も同じであるが、歴史の定説には間違いがあるもので、それは、意図せずそうなったのか、わざとそのようにしたのか、理由は様々だが、著名な人の言動や著作によって、信用され、さらに一人歩きすることもある。
だから、歴史は少しでも変だと感じたら、疑って調べる必要があり、面白い。
文久3年、大坂町奉行所与力内山彦次郎が何者かによって惨殺された。維新のどさくさでお蔵入りとなるが、西村兼文「新撰組始末記」によって、新選組犯人説が流れた。
更に、元新選組永倉新八の証言によって、西村の説はいっそう信憑性を帯びた。
しかし、犯人新選組説にはいくつかの疑問があることは、以前から指摘されていた。
極めつけは、真犯人は別にいるという史料の存在がわかっていながら、なぜか重視されなかった。
平成頃から、新選組説は姿を消し、令和になった今では、新規の出版物に見ることはない(たぶん)。