きまぐれ日記2

気まぐれに日々感じることをデータや情報を調べながら自身のためになるよう、なるべく読みやすいよう書いてみます。

忍び寄る悪夢~新型コロナウィルスがもたらすもう一つの危機

2020-03-15 01:24:39 | 日記
世間では新型コロナウィルスの影響が甚大だ。京都の街も八坂神社の前がガラガラだと聞いた。インバウンドの2大巨頭中国韓国がウィルス影響下にありしかも入国制限まで出た。2月の時点で関空の利用者が昨年の3分の1だそうだ。
まず中国人観光客のバス運転手とガイドさんの感染が確認された報道があった時点で私は市中感染は避けられないと感じていた。私自身人と接することが多い職業なのでコロナとは違う症状ではあったが2月初めの時点で体調不良の時は仕事をセーブした。
感染者が少なかったのは検査がほとんどされていないからだ。それは検査をすることが分かったら恐怖で殺到することになり本当に検査が必要な人にまで行き渡らないからだと思う。それはマスク買い占めやトイレットペーパー不足の状況を見ればすぐ想像できる。
ただそれと同時に一部週刊誌で報道されたよう疫学的視点で保健所で発生数を管理しようとしていたことも事実であろう。おそらく厚生労働省はそこまで深刻なものと考えていなかったので疫学優先の発想があったのかと思われる。

現代のサプライチェーンなど事業の国際化は各国の往来を止めることが大きな損失となる。それを前提に考えた時おそらく今回のようなことが発生しても直後に感染防止のため鎖国することはできない。疫学的に観察してはじめてその深刻さが判明する。予防のために鎖国していたら何度もその都度経済混乱が起こる。
東日本大震災の原発事故でもそうだが未経験の災厄に面したとき十分な対応を求められてもおそらく不可能であろう。私は安倍内閣など鼻くそほども評価しないが今回の件をもって批判することは困難だと思う。
起きた結果をもって批判することは誰にもできる。だが未知の災害や疾病においてはその時点で手元にある知識で対応できる範囲や方法、それと対比して起きうる人的あるいは経済的被害を勘案してどの程度の主権制限を掛けるか様子を見ながらせざるを得ないのだと思う。

そのうえで私が懸念するのはウィルスによる世界的な経済停滞がもたらす日本への影響である。今週に入りウィルスの感染状況がパンデミックであるとWHOが発表した。このことは各国の株式市場を混乱させている。アメリカもトランプの対策に失望感が走り株式の暴落が止まらない。
当然日本もそういう状況である。これを書いている時点で株価は17000台だ。
このような災厄は予想が不可能だ。だが大地震もそうだが予測不可能なことはいくらでも起こりうる。その時必要なのはどう対処できるかだ。例えば中国はその独特な社会体制だからできたことだが往来の遮断を直ちに決め、即席で病院を作り治療を始めた。では日本の経済はどうなのだろうか?

私は安倍内閣の最も危険な政策はアベノミクス第一の矢である金融緩和だと書き続けてきた。それは経済が失速したときに手当てができない政策だからだ。
日本はご存知のように少子高齢化社会だ。現在の出生数は年間86万人、20歳になる人口が120万人、それに対して65歳の世代人口はおよそ160万人程度だと思われる。毎年160万の年金受給者が発生する一方で新たな働き手は120万しか現在の時点で供給されない。それがさらに20年後には86万人しか供給されないのだ。
これは十分な経済失速議題だ。しかも不可避である。それと併せて安倍政権で決まった東京オリンピックだ。オリンピックは社会インフラの整備がまだまだ発展要素となるオーストラリア(日本の面積の20倍で人口6分の1)のような国では経済停滞はないがアテネ(ギリシャ)・ロンドン・リオデジャネイロ(ブラジル)全て経済不安や危機が起こっている。
冬季でも長野の後不景気がありソルトレーク(アメリカ)の後にリーマンショックがありトリノ(イタリア)後イタリアの経済は危機に陥っている。ソチ(ロシア)も同様だ。中国でさえ北京以降は少し停滞している。ここでもバンクーバーのカナダ(日本の面積30倍で人口4分の1)だけは影響があまりない。
これはオリンピックが需要の先食いをするからだ。お祭り前に必要以上の建設ラッシュや買い物需要を煽り、当然ながらその先需要はガタ減りとなる。そして国立競技場建設でも明らかになった通り明らかに当初予算が膨れ上がっていたのだ(コンパクトにやると立候補の時に入っていたにもかかわらず)。
それに関連していると噂されているのが森喜朗や菅義偉などの面々だ。当然政治家や企業が身を切って増えた費用を出すのではない。5から8に上がり10に上がった例のものが直接的ではないが財源に充てられている。
すでに震災が頻発していることをいいことに二階は国土強靭化計画なるものを発動し毎年2兆円(消費税0.8%分)10年間つぎ込むと言ったのとは別枠でこういったオリンピック経費がその名のもとに集められている。

この先オリンピック委があろうがなかろうがその先に日本のしかも東京のようなインフラ整備が進みその恩恵が出にくいところに出費したがゆえ昭和の時代のような高度成長は起こらない。
私は日本でオリンピックをやるなら広島長崎しかないと思っているがそういう地方でやるならまだ発展の余地がある。だが現状東京圏が地方の人口を吸収し都心の人口過密さらに地方の疲弊が起こっている現状に東京に人と物と金を集める乱痴気騒ぎを起こしてその先どうなるかは語る必要もなかろう。

さらに今回は直前の消費憎悪税による景気後退がすでに確認されたばかりだ。もっとも政府見解はなぜか緩やかに回復と戦争時のような大本営発表をしているがだ。それは国会質疑でも表れている。野党が実質GDPの値を首相に質問したときだ。
当然数値は知っているのだが首相は頑としてその数値を口にしなかった。答えはドル表記で民主党政権末期で6.2兆ドルが昨年末の時点で5兆ドルになっている。2018年時点で国民一人当たりGDPは世界26位だ。G7ではイタリアの次に低い。
彼は自分の名が冠されたアベノミクスを批判されることを認められない。ということはそれが間違っていたと告白し修正することもできないということである。このことはここで書くことが現実となった時その対応を誤ることになるだろう。

首相が演説で誇らしげに語る名目GDPだけ上がるのは当然だ。金融緩和で日本銀行紙幣は民主党政権末期から23兆増えた。だがマネタリーベースは130兆の4倍近い500兆に増えた。その多くは日銀内の当座預金口座に入っている。その手法は日銀や年金機構が株や債券を買い漁る手法だ。
そのため実体経済とかけ離れた株価の上昇がつづき現在の株式市場の筆頭保有者は年金機構、そしてそれを日銀が追い抜くだろうと言われている。この2者だけで全体の1割を保有し、日銀が上場企業の半分の大株主(上位10位の株主)だそうだ。
それに上述した人口構成の変化で労働不足が顕在化し人件費が高騰している。高騰しても収益が必要なので物価が上昇する。本来ならこれでデフレ解消となるはずなのだが消費者に購買力が無いので物価上昇に転嫁されない。実際食料品は物価指数上昇が民主党政権末期に比べて14%も上昇しているのだが消費者物価指数は同じ期間で5%程度だ。
食料など人件費がそのまま値段に転嫁せざるを得ないものは上昇している。だからその分余計な出費を抑えざるを得ない。さらに研修制度で連れてこられる外国人労働者で労働単価を下げて価格抑制を維持せざるを得ない。
だから名目GDPも495兆から550兆に増えた。だが金融緩和で為替が1ドル80円から110円になった分世界的な評価では明らかに後退した。その分輸出企業は安く売れるので喜んでいるだろうが資源や食料を多く輸入している日本では燃料や食料その他に価格上昇が添加された。最近ではラーメンやパンなどの価格上昇が目立つが当然その原料の小麦が輸入に頼る部分が大きくしかも農水省利権でもあるからだ。
金融緩和で恩恵を受けたのは投資関係だけだ。それも官製相場で下がれば政府が買い支えるという構造が見えているからだ。実際今回でも相当買いが入っていると予測されている。

金融緩和はその9割が日銀当座預金として民間銀行が保有したままである。一つは貸し出しが伸びないことが原因だ。それはバブル期に銀行が押し付け貸しはがした融資を企業が経験していることも大きな原因だろう。このことはおそらく企業が内部留保を増やすことの一因になっている。さらに少子高齢化による需要増加の見込みのなさもあるだろう。
日銀はそのためマイナス金利を設定し金融機関に当座預金を出させて市中に回そうとしている。だが需要の見込みが変わるわけでもないし物価上昇以上の賃金増加による消費拡大の展望も見込めない。
つまり金融緩和は実質奏功していないと私は考える。輸出は為替操作に近いこの手法で伸びていると思う。だが日本のGDPの輸出は16%程度だ。日本経済のその多くが内需に依っている。
だから投資先に回った金融緩和が一般に回ればその効果はあったのだと思う。だが融資は伸びず、給与は物価上昇より低く抑えられる現状では内需の拡大などありえない。結局セレクトセールのようなあぶく銭を使うところや不動産投資など地価の上昇にその資金は流れた。競馬をする私の経験からは投資した資金はおそらく再び投資に流れる可能性が高いと思う。

現状では消費拡大を促すような景気拡大は人口構成上からも難しく、公明党が大好きな地域振興券のようなヘリコプターマネーをしてもその多くが貯蓄に回るという循環からは逃れられないのだと思う。そこで長い前振りだったが何がコロナウィルスがもたらす災禍かという話をしたい。

現在株価が下落している。当然防衛ラインというのは17000より上にあるはずでそれを割った時点で筆頭2大株主である日銀と年金機構は大きな損失を被るわけだ。これが一時的なものであれば利確をしていないので別に何の問題もない。だがそうでない場合が気になるのである。
そうでない場合はリーマンの時と同じで追証を求められる投資家が続出する。その資金確保のためいわゆる狼狽売りが行われる危険性がある。そうなれば大暴落が起こりうるからだ。
今回は日本自身も問題だが世界も大変な事態だ。救済できる能力が低い。というより自国や自身の穴埋めにむしろ積極的に売る可能性の方が強い。そうなればリーマンあるいはそれ以上の大暴落が現実味を帯びてくる。

日本銀行は日本銀行券の発行権を持っている半官半民の政府から独立した機関だ。収支が悪化すれば現在のように大量に存在する日本銀行発行券は信頼をなくすわけだ。それはすなわち円安だ。
円安ラッキーとニュースで吹き込まれている方たちはそれを物価で知ることとなる。石油などの資源の多くを輸入している日本にとって円安は物価上昇に直接響く。食料や資材の輸入も当然値上げする。これはGDPの大半を占める内需を痛めつけるだろう。

では先程書いた人口構成の推移のなかで国力が上昇する希望はありますか?
その希望を遮る危険性が深刻なのは日本の研究能力だ。これは散々書いてきたことだが平成の30年間で世代人口数は3分の2になったにもかかわらず大学数は1.5倍になった。もちろん多くが私立だ。その私学助成金を払うため国立大学は独立法人化された。
その影響で研究者は任期制となり不安定な身分で研究の長期的な持続が困難になっている。即結果の出る安易なテーマが増え、世界を震撼させるような斬新な研究は困難になる。
評価の高い英字論文投稿に掲載された日本人論文の大多数が国立大学である。独法化され予算減少された事実から現在論文掲載数の減少が報告されているのは前に記事にした通りだ。世界第2位から中国ドイツに抜かれ4位に転落した。

世界で評価される科学技術を日本が出せなくなっているという事実は今後の日本の産業力の低下につながるだろう。本来人口が20%減少する30年後を見据えれば一人当たり現在の125%のGDPを稼がねば同じ国力を維持できない。また維持しても世界が成長していれば取り残される。それはマンパワーによるものでは無理だ。技術特許など付加価値をつけなければなしえない。
だが外国人留学生で補助金を搾取していた東京福祉大学や首相の忖度で設立された加計学園の獣医学部のよう申請された施設も怪しく蔵書すら疑われる大学のように文科省予算を懐に入れるための大学設立に浪費している。それに文科省OBや与党政治家が吸い付いている事態を日本国民が放置している以上、現状は甘んじて受け入れなければならない事実だ。

国力が維持できないならばマネタリーベースがそれに見合うものに縮小しない限り通貨安・国債安は避けられない。マネタリーベースの縮小は金利上昇だ。今の日本で金利上昇すれば住宅ローンや事業融資の破産が続出するだろう。そうしなければ今度は金融機関が破綻する。
では放置して通貨安になれば輸入に頼る資源食糧が上昇し国民生活を圧迫する。国債安は今までと同じ財政を保つのに必要な国債発行高がさらに上昇するということである。これは更なる5年10年後の財政を圧迫する。

中には年金や日銀保有の株債権を売ればいいと思われる方もいるかもしれない。だが2大筆頭株主が大量の売りをして損失カットするという行動に出れば他の投資家はおとなしくしているであろうか。
さらに一度に売らなければその行動で自身で値を下げることになる。損失切りの傷口は深くなる。一方一度に売ればどうなるか、当然日銀と年金機構発信の恐慌を引き起こすことになる。そんなことを出来るのだろうか。これはもう何年も前に室井佑月氏がバラエティで指摘していた点である。
つまりこれだけ大きな巨人が損切りなんてできないのである。余程歴史に残る悪評を背負う覚悟のある政治家役人が決断しない限り巻き込まれて共倒れしかできない。実質GDPを頑として答えない首相にはそれは無理というものだ。

少し先の日本を見つめれば医療により長生きする日本人を支えるため若い世代はより社会保障の負担が重くなることから逃れられない。それでも無理で国債の発行を今以上に要求されるであろう。そんなことはもう20年も前から言われていることで誰でも知っていなければならない。
だから今国債の発行を減らして次世代の負担を少しでもやわらげなければ7公3民の江戸時代の農民状態になってしまう。そこから新たな産業発展は困難だろう。
まずGDP500兆に債権が1000兆円(あるいは税収60兆に予算100兆)なんて財政を放置している限りこの将来不安からは逃れえない。政府がまずすべきことは予算を要求から積み上げるのではなく総枠を決めて予算の優先順位を国民に明らかにしたうえで収支改善を図るということである。
そのためには消費増税は逃げられない。有権者の半分が選挙に行かない状態を放置した日本国民は自身の生活でその代償を払わなければならないのだ。誰も文句を言わないから東京オリンピックに当初予算の4倍の1兆円という予算を投じさせた。

今回のウィルス騒動は想定範囲外だ。だが世の中に絶対などというものはない。何かあったときに対策を立てる想定が出来なければいけない。金融緩和や公的資金の株式債権は安倍政権が進めた政策だ。もしもの対応を考えてその政策を進めたのだろうか?
私にはどう考えても現状利上げは出来ないと思う。それでは海外が現状の日本を見て現在と同じ価値と認めて株債権を売り抜けずにいてくれるだろうか?あるいは国内で現状のように債権を自国通貨で回すだけの体力がウィルス騒動渦中の日本の投資家企業にあると思えるだろうか?
ウィルス騒動が長引けばそれは現実のものとなるだろう。そして対策は現実として無理である危険性が高いと私は考える。もちろんそうでなければ選挙に行かない呑気な人が間違いを犯すことはなかったことにはなる。でも危機対応ができないならそれを放置したらまた違った形で災厄は来るだろう。その時は再び神風が吹くと思っているのだろうか。

直近の衆議院選挙の投票率は54%である。ちなみに民主党政権交代時の投票率は69%だ。日本の有権者数はほぼ1億人なので1500万人という有権者が選挙を放棄した。これは民主党政権の犯した最も重い罪である。そして民主党政権を4年間させなかった有権者の罪でもある。
政権交代は革命ではない。民主的なプロセスを踏む以上一気に変革などできない。現自公政権が国会投票すれば憲法改正できるのにしないのは一応審議をしなければ投票できないと認識しているからだ。だから審議に出て来いと言い続けている。審議時間さえ稼げば強行投票も可能だと考えているのだろう。
民主党政権は参議院選挙で早くも過半数を失った。党のドタバタはみっともなかったがそれでも予算の在り方を変えるのはここでしかなかった。過半数を失い政権運営はますます困難になった。案の定自公政権復帰とともに従来型の政権運用が復帰した。
民主党政権時に汚いヤジを飛ばすことを覚えた現首相はその立場になってもお口が止まらないのは周知のとおりである。またさんざん民主党政権時にばらまいた根拠のない誹謗中傷は現在地方政治にも運動員が活発に風説を流布しているのは地方のネット掲示板を見ればすぐに確認できる。それは先日の森法相の福島の検察発言のように議員自身が事実と混同しているくらいだ。
政治の行方は政治家が決める。だが政治家を決めるのが国民である以上その政治がもたらす結果は国民自身が受けなくてはならない。安倍晋三はたとえこれで失敗しても泥水をすすりながら生活することはないしチャウシェスクのように公開銃殺もされないだろう。
だが今回の懸念が現実となれば後世の教科書に名指しされるレベルで日銀黒田とともにその汚名を残すだろう。そしてその屈辱を甘受するのは我々だ。

これはあくまでも私が政府資料や専門誌記事などをネット検索して調べたことだ。これを最後まで読んでくださった辛抱強い方ならこれが事実であるか自ら調べて欲しい。そして自分のデータをもって選挙で判断して欲しい。ネットにある経営科学出版なんてものは広告だ。つまりそういう世論誘導をしたい保守系の機関が広告料を出して記事を書いている。
必要なのはデータを自ら集め自らその仕組みを考え判断することだ。難しいと思う。私自身これが正解だと言い切るつもりはない。だがこれを否定する根拠もないと思う。
なんとなく選挙に行かなかったり頼まれたから投票したりカッコがいいから投票したり、有事でなければそんなこともあってもいいだろう。だが有事なんて前触れがあるとは限らない。そんな時に後悔したくないのなら考えて投票すべきだ。そして国会論議を一度でも最後まで見るべきだ。
今首相がどういう態度で国会答弁しているか。そしてこの国の代表があの人で誇らしいのか?判断するのは有権者一人一人である。そして各々が日本という大きな山車を引いている以上その行先で地獄を見るのもまたその責任であるということを忘れるべきではない。