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大阪消防設備協同組合事務局のブログ

ご存じでしたか?(119) / AED、不具合が300件を超える

2010-05-06 16:45:39 | ご存じでしたか?シリーズ

救急隊員が消防車の中等で使用するAED(自動体外式除細動器)について、不具合の疑いがあるケースが平成13年から全国で300件以上あることが分かりました。

救急隊員が心配機能停止傷病者に対して行うAED(自動体外式除細動器)に不具合の疑いがある事例が、328件あることが全国調査で判明した。全国メディカルコントロール協議会連絡会が全国の消防本部に報告を求めた初の調査で明らかになったもので、平成13年から今年1月15日までの期間で調査した。その結果、13年から18年までは21件だったが、19年は42件、20年は85件、21年は176件と年々増えている。
都道府県では41道府県に及んでいて、ゼロは青森、岩手、東京、静岡、鳥取、長崎の6都県だけ。最も多いのは広島県の45件、次いで北海道36件、千葉26件、大阪24件、愛知22件、新潟21県の順。≪中略≫
不具合の疑いがあった事例は▽除細動の適応がある傷病者に「適応なし」と判断したものが119件▽除細動の適応がない傷病者に「適応あり」と判断したものが38件▽パッドを装着しているのに装着されていないと表示したり、心電図が記録されていないなどが171件。(新日本消防新聞/4月18日発行より)

精密機器であるがゆえAEDは、上記や各種メディアでも時折報道されるように、不具合が発生しています。“機械は正常に働かないこともある”という意識を常に持って、使用者である人間側のミスを極力なくすためにも、知識や技術を確実に身につけておく必要があるようですね。

事務局 農澤宏樹


ご存じでしたか?(118) / コーラが消火器に!?

2010-04-23 14:07:06 | ご存じでしたか?シリーズ

イギリスで、「火だるまになった父の窮地をコーラで救った15歳の少年」という記事が報じられました。

コーラが消火器のかわりになるというのは都市伝説だと思っている人も多いかもしれませんが、実際にも意外と消火に威力を発揮することを証明するような出来事がイギリスで起きました。
たき火から引火して炎に包まれた52歳の男性の命が、機転をきかせてコーラを噴射した15歳の息子によって救われたそうです。

コーンウォール地方Mullion在住のアンドリュー・ワイズ氏(52歳)は、4月18日(日)に息子のニコラス君(15歳)とともに自宅の庭のやぶや雑草を除去し、たき火をしようとしました。しかし、なかなか点火しなかったためガソリンを注いだところ、瞬く間に炎が立ち上がり、ガソリンの入ったボトルは爆発し、ワイズ氏に引火してしまったそうです。
腕から胸、首、耳までも炎に包まれたワイズ氏は地面を転がって火を消そうとしたのですが効果はなく、「助けてくれ!」と叫びながらニコラス君の元へ走りました。
「本能的に、近くにあった2リットルのコーラのボトルを手に取り、振って、炎へ向かって噴射しました」とニコラス君。
その後ワイズ氏は妻のアニタさんの車で地元の病院へ駆け込み、ブリストルの病院へ移送されやけどの治療を受けたとのこと。医師らによると、ワイズ氏のやけどは皮膚移植が必要なものだったとのことですが、ニコラス君の機転がなければ致命的なものとなっていただろうとのことです。
ワイズ氏は、命の恩人となった息子のニコラス君について、「とても誇りに思っている」とのことで、「ニコラスはとても分別があり、冷静です。彼がいなければ間違いなくもっとひどい事態になっていたでしょう。本当に幸運でした」と語っています。

Helston(ワイズ氏が住むMullionの近郊の町)消防署のKeith Stringer署員は、「たき火では安全に注意し、ガソリンは使わずに行ってください。人々はたき火に液体の燃料を注いでいるだけだと考えがちですが、液体の周囲に揮発したガスが危険なのです」とたき火でのガソリンの使用について警告しています。
コーラは二酸化炭素を含み、ボトルを振り回してから開けることにより噴射の勢いで火を弱めることもできるという点で、ミネラルウォーターなどよりは消火に効果的かもしれませんが、たき火などの際にはあらかじめ水を確保できる場所を確認し、火の扱いは慎重に、安全に気を配るようにしたいものです。【Gigazine / 2010年04月23日 12時59分13秒】


たまたま近くにあったコーラを消火器の変わりに使用したら消火できた…というだけの話ではありますが、実際に炭酸飲料が消火に効果があると聞くと少し興味深い話ではあります。(そもそも「コーラが消火器のかわりになるという都市伝説」ですら聞いたことは無かったのですが…)

記事には、「コーラは二酸化炭素を含み、ボトルを振り回してから開けることにより噴射の勢いで火を弱めることもできるという点で、ミネラルウォーターなどよりは消火に効果的かもしれません」とあります。
消火器もそろそろ新しいスタンダードが出てきても不思議ではありません。何でもエコのこの時代、安価で地球に優しい…となれば『炭酸水消火器』なんていうも「ひょっとしたらアリかも!?」と思えるから不思議です。もしかすると、本当に都市伝説では無くなる日がくるかもしれませんね。

事務局 農澤宏樹


ご存じでしたか?(117) / ナマズと地震

2010-03-01 15:53:01 | ご存じでしたか?シリーズ

中米のハイチ、南米のチリとここ最近相次いで大規模地震が発生し、多くの被害が出ています。地震はいつ起こるか分かりませんので、特に地震の多い日本に住む私たちは余念なく対策をしておかなければなりません。

日本では昔から、「ナマズが暴れると地震が起こる」という説があります。
初期の微振動の電流に反応しているとか、地面の下に巨大な大ナマズがいるとか言われていますが、実際に地震とナマズの関係について科学的な根拠は実証されていないようです。

では、いつ頃どんな理由で、ナマズが地震の予兆だという迷信?が生まれたのでしょうか。
ナマズが地震の源であるという俗説は、江戸時代の初期頃には生まれていたと考えられています。実際に、不思議な行動をするナマズと突然発生して大きな被害をもたらす地震、このふたつに纏わる言い伝えはこの時代以降、多くの書物や民話に残されています。

例えば、安政江戸地震の状況を書いた『安政見聞誌』には次のような記事が書かれています。

 「本所永倉町に篠崎某という人がいる。魚を取ることが好きで、毎晩川へ出かけていた。二日(地震当日)の夜も数珠子という仕掛けでウナギを取ろうとしたが、鯰がひどく騒いでいるためにウナギは逃げてしまって一つも取れぬ。しばらくして鯰を三匹釣り上げた。さて、今夜はなぜこんなに鯰があばれるかしら、鯰の騒ぐ時は地震があると聞いている。万一大地震があったら大変だと、急いで帰宅して家財を庭に持ち出したので、これを見た妻は変な事をなさると言って笑ったが、果たして大地震があって、家は損じたが家財は無事だった。隣家の人も漁が好きで、その晩も川に出掛けて鯰のあばれるのを見たが、気にもとめず釣りを続けている間に大地震が起こり、驚いて家に帰って見ると、家も土蔵もつぶれ、家財も全部砕けていたという。」 
安政江戸地震の3~4時間前に地震を予知した話です。【HP「東海大学地震予知研究センター」より】

ナマズに加えてカラスやミミズ、コウモリ等の異常行動、あるいは雲の種類や色等で地震が「予知」できる等々…多説ありますが、どれも科学的な根拠は証明されていません。
目に見えない上に予兆なく突然襲ってくる地震に、昔の人も火災や水害とはまた違った脅威を感じていたことから、様々な理由をつけて地震を「予知」しようとしていたのではないかと考えられます。

地震予知については世界で様々な研究が進められており、数十年単位での予知(予測)は可能になったといわれています。また、地震速報ネットワークの発達により、地震が襲ってくる数秒前にはその情報を知ることをできるようにもなりました。

これからも地震予知に関する科学は発達し、将来的には何時間も前に予知できるようになる日がくるかもしれません。ただし、たとえ予知できたとしても備えや知識を身につけることを怠っていては、被害をおさえることはできません。

ナマズを飼う…ことは難しいかもしれませんが、各家庭での最低限の震災対策はしておきたいですね。

事務局 農澤


ご存じでしたか?(116) / AEDが多い都道府県は?

2009-11-27 12:00:16 | ご存じでしたか?シリーズ

厚生労働科学研究(主任研究者:丸川征四郎氏)によれば、平成20年12月現在、一般市民が利用できるAEDの数は、日本全国で149,318台に上るそうです。都道府県別にみると、第一位が東京都で21,249台、第二位が大阪府で9,598台、第三位が愛知県で8,958台、以下神奈川県(8,247台)、埼玉県(7,468台)と続きます。

そして、人口10万人あたりに対する一般市民が利用できるAEDの数を比較すると、第一位が山梨県で176.1台、第二位が東京都で169.0台、第三位が福井県で161.6台、次いで三重県(159.0台)、島根県(151.1)台と続きます。このように人口に対する普及数でみると、都市部以外でも着実に普及が進んでいることがよくわかります。

AEDの設置については地方自治体で急速に制度化が進んでおり、一定以上の大きさの建物やある程度の人数の出入りがある建物には、条例で設置が義務付けられる市区町村も増えてきているようです。

人の多い場所によく出入りする方は、どの場所にAEDが設置してあるかを覚えておき、いざという時にすぐに動けるようにしておきましょう。

事務局 農澤


ご存じでしたか?(115) / AEDの普及数

2009-11-26 15:29:46 | ご存じでしたか?シリーズ

AEDとは、「Automated External Defibrillator(自動体外式除細動器)」の略で、心室細動の際に機器が自動的に体内の解析を行い、必要に応じて電気的なショック(除細動)を与え、心臓の働きを戻すことを試みる医療機器のことを言います。

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2004年7月から特別な資格を所有しない一般市民にも扱うことができるようになり、駅や学校等の公共施設を中心に普及し始め、2008年12月現在では一般市民が使用できるAED(PAD; Public Access Defibrillation)の数は日本全国で約15万台に上ります。
また総務省消防庁によると、平成20年中に一般市民によりAEDによる除細動が実施された件数は799件に及び、疾病者の一ヶ月後生存率、一ヶ月後の社会復帰率と共に昨年を大きく上回る結果となりました。

心室細動が起こった際、5分以内に除細動を行うことできるかできないかで生存率が大きく左右されると言われています。駅等の公共施設では、5分以内に歩いて帰ってこられる程度の距離に、間隔をおいてAEDを設置するところが増えているそうです。

AEDは使用方法を音声で案内し、除細動が必要かどうかをすべて機械が判断してくれます。必要でないと判断すれば発動しないこともあります。救護を行う側への負担が少なく安心して使用できるというところが、数の普及と同時に一般市民の実施数を増やしている所以かもしれません。
しかし簡単に使用できるとは言っても、いざ疾病者を目の前にすると相当勇気がいるということは想像に難くありません。
消防機関の実施する応急手当普及講習等に積極的に参加するなどして、最低限の利用方法等を理解しておきたいものですね。

事務局 農澤


ご存じでしたか?(114) / 静電気とセルフ式ガソリンスタンド

2009-11-11 13:36:00 | ご存じでしたか?シリーズ

セルフ式ガソリンスタンドを利用する際「静電気除去パッドに触れてから給油して下さい。」等という音声案内等を聞いたことがある方は多いと思います。

1998年の消防法改正(規制緩和)により、欧米ではスタンダードだったセルフ式ガソリンスタンドが日本でも登場するようになりました。人件費等の管理費が少ない分、フルサービスのスタンドに比べて料金が安く済むことから利用が多く、その後もセルフ式スタンドは増え続けて2008年末現在では約7,700件、ガソリンスタンド全体の約17%がセルフ式になっているそうです。

しかし、平成13年にセルフ式スタンドにおいて「静電気が原因と考えられる火災」が発生したことを受け、「火気厳禁」「給油中エンジン停止」「自動車やバイク以外の容器等への給油禁止」などの注意事項に加え「静電気対策にかかる事項」が付け加えられることになりました。

ガソリンは危険物第4類第1石油類(軽油は第4類第2石油類)に指定されています。第4類に分類される危険物は「引火性液体」といい、液体自身に火が着くのではなく液体から揮発した蒸気(気体)に火が着くことによって火災が発生します。ガソリンはマイナス40℃でも気化し、引火性が非常に高く、ほんの少しの静電気でも着火の恐れがあるため、もしものことを考えて給油時に身体の中の静電気を除去しておく必要があるのです。

2007年には全国のガソリンスタンドで27件の火災が発生し、そのうち給油中のセルフ式スタンドで発生した火災は3件ありました。原因が静電気かどうかは明らかになっていないようではありますが・・・これから空気が乾燥する季節になります。セルフ式ガソリンスタンドを利用される方は、特に静電気には注意が必要のようです。

参考…Wikipediaフリー百科事典、消防の動き2009.10

事務局 農澤


ご存じでしたか?(113) / 地震の多さ、世界と比べると?

2009-11-09 15:28:50 | ご存じでしたか?シリーズ

日本は世界有数の地震国です。

日本周辺には大型のプレートがせめぎ合っており、内陸部に無数の活断層が分布しているため、プレートの変動や活断層の地殻変動で起こる地震が多いといわれています。

消防白書によると、1999年(平成11年)~2008年(平成20年)の10年のあいだに全世界で発生したマグニチュード6.0以上の地震のうち、日本で発生したものが実に20.8%を占めるそうです。回数にすると1,018回中、212回の地震が日本で発生したことになります。また活火山の数も多く、全世界で1,548ある活火山のうち108(7%)が日本にあり、これも地震の多さに影響しているといわれています。

加えて、日本は津波が非常に多い国でもあります。
島国である上に複雑に入り組んだ海岸地形を持つことから、総延長約35,000kmに及ぶ長い海岸線を有しています。これは諸外国と比較しても非常に長く、国土面積当たりに換算するとイギリスの約2倍、韓国の約4倍、アメリカの約45倍となっています。このことからも、諸外国に比べて日本は津波の被害をもともと受けやすい(受ける可能性が高い)地勢であるということが分かります。

    
このように非常に自然災害に見舞われやすい環境にある日本ですが、災害の多さに反比例して災害による死者数が非常に少ないという特徴があります。

1978年から2007年の30年間に全世界で自然災害により死亡した約237万人のうち、日本での死者数は約9千人、全体の0.4%という数値になりました。5千人以上の死者を出した阪神大震災を含めてもこの数ですので、災害が多いわりに人的被害が非常に少ないと言えます。もともと自然災害が多いことから、防災に関する法律(建築基準法・消防法等)が整備されていることに加え、防災建築や消防用設備の充実、個々人の防災に対する備えや教育等が他国に比べて行き届いていることがこの結果に繋がっていると考えられます。

東南海地震など、近い将来日本各地で大地震が起きると言われています。
地震の数を減らすことはできませんが・・・個人でできる災害対策は最大限に行って、災害死者数が少ない国という栄誉を今後も保っていきたいものですね。

 

事務局 農澤


ご存じでしたか?(112) / 救急車を呼ぶか迷ったら…

2009-11-06 09:55:28 | ご存じでしたか?シリーズ

救急車呼ぶか迷ったら…1カ月で電話1.3万件 大阪

救急車を呼ぶかどうか迷った時、医師らが24時間態勢で相談に応じる大阪市の「救急安心センター」に、開設1カ月で約1万3千件の電話があり、8千件としていた予想を大幅に超えた。119番通報を減らす効果も期待され、同センターが受けた相談のうち、救急車が出動したのは3%にとどまった。

 同センターは1日、軽症患者を救急病院から診療所などに振り向ける狙いで設置。通話内容の5割が病院の照会、3割が医療相談だった。

 同様の取り組みは、東京都が07年に「救急相談センター」として導入。一定の効果が出ているとして、国が大阪市と奈良、愛知両県でモデル事業として今月1日から実施した。大阪市消防局は、119番通報による救急出動(年19万3千件)並みに利用が伸びると見込んでいる。

 「♯7119」または「06・6582・7119」でつながり、医師や看護師ら6人が対応する。同センターは市消防局の指令情報センター内にあり、救急出動が必要な場合はすぐ対応できる。

 利用者の中には、看護師に相談して安心し、救急病院まで行かずに翌日受診すると言って電話を切った例もあった。一方、「頭が痛い」と訴えた男性に看護師が「しゃべりにくいですか」などと質問し、脳内出血が疑われるとして救急車を出動させ、くも膜下出血とわかって緊急手術をした例もあったという。大阪府内の複数の市も事業への参加を検討しており、平松邦夫市長は「要請があれば、積極的に連携したい」と話している。

 奈良県には、26日正午までに1336件の相談があり、「想定以上」という。「#7119」または「0744・20・0119」にかけると、救急相談員や看護師が対応。症状によっては、県立医大高度救命救急センター(橿原市)の当直医に電話を回す態勢も整えている。【asahi.com/2009年11月3日15時12分】

 大阪市内で一ヶ月のあいだに13,000件、実に一日430件もの相談があった計算になります。救急車を呼ぶか呼ばないかの判断に困るケースが大変多いことがうかがえると共に、実際に救急車が出動したのはそのうち3%ということですから「冷静になれば対処できる」場合がほとんどであることも分かります。

 近年、いたずら目的と共に、緊急性の無い119番通報が増えてきています。中には、「救急車で行けば、病院で診察待ちがないと思った」「にきびがつぶれて出血した」「タクシーを利用する金がなかった」「食事が毎日同じで体に悪いので、病院で点滴したかった」などというとんでもない理由で救急車を要請したケースもあるそうです。

 このブログでも何度がご紹介しましたが、緊急性のない119番通報は、別のところで救えるはずの命が救えなくなるという悲劇を招く可能性があります。
 命の危険を感じたら迷わず救急車を要請すべきですが、すこしでも迷ったのならば救急安心センターを利用することがこれからのマナーと言えそうですね。

事務局 農澤


ご存じでしたか?(110) / 今日は「リサイクルの日」、消火器もリサイクルです。

2009-10-20 16:11:16 | ご存じでしたか?シリーズ

今日、10月20日は「リサイクルの日」です。

1990年に日本リサイクルネットワーク会議と地域交流センターが「10=ひとまわり」「20=ふたまわり」と読めるこの日がリサイクルの日にふさわしいと10月20日を「リサイクルの日」に決定しました。このリサイクルの日が徐々に浸透して、経済産業省ほか8省庁が10月を「リサイクル推進月間」とし、リサイクルの啓発や推進に取り組んでいるそうです。
ちなみに、毎年6月9日も「リサイクルの日」とされています。これは、東京都の金属回収業の男性が同じく1990年に提唱したもので、6と9を組み合わせると巴の形になり、それぞれ消費者と生産者に見立ててリサイクルの模様に見えることから、6月9日がリサイクルの日に決まりました。

リサイクルは環境問題と直結しており、リサイクルによるゴミの減少は資源の消費を抑えたりダイオキシンの排出が軽減される等、自然破壊の進行を止める働きがあります。特に近年では個人レベルでのリサイクル意識の向上が重要視され、家庭から出る廃棄物でもリサイクルが法令化されているものも多々あり、一般のゴミと同じように処分出来ないものが増えてきています。

消火器(エアゾール式等の簡易消火器具は除く)もそのひとつであり、粗大ゴミ等では回収することはできず、排出者個人が販売店等を通じてリサイクル施設に返却し(有料)、使えるものは再利用するよう法律で取り決められています。

リンク ⇒ 廃消火器リサイクルの推進について(社団法人日本消火器工業会HP)

このような経緯から、リサイクル(廃棄)を依頼するのが面倒になったのか、消火器を不法投棄をされる方が全国的に多発しているようです。9月中旬に大阪市東成区で発生した事故も、もとをただせば駐車場に放置してあった消火器を、子供が弄って破裂したことから大事故に繋がりました。消火器の不法投棄はこのような不幸な破裂事故を誘発する大変危険な行為ですので、絶対にしない、またはさせないようにしてください。

リンク ⇒ 不要になった消火器の処分(大阪消防設備協同組合HP)

リサイクルが常識となりつつある今、「ゴミにお金がかかる時代」と嘆くのではなく、住み良い環境を後世にも残すという大きな視点で、リサイクル社会に理解を示して行きたいものです。

事務局 農澤


ご存じでしたか?(109) / 家庭用消火器とは? ~すべての消火器が危険なわけではありません~

2009-10-02 16:06:25 | ご存じでしたか?シリーズ

消火器の破裂事故が相次いで発生したことにより、古い消火器を処分し新しい消火器に買い替える方が増えてきているようです。

家庭用の消火器については、使用期限を製造日から「8年」と各消火器メーカーが定めています。家庭用消火器は8年以上経つと容器の劣化が始まり、消火器の種類によっては使用時に破裂の恐れがあること、また、PL法(製造物責任法)の有効期限が近づくこと等から、8年以上経った消火器は絶対に使用しないで下さい。

また、「古くなった消火器を廃棄するため、薬剤を噴射しようとしたときに破裂した」という事故も発生しています。種類にもよりますが、古くなった消火器や容器が損傷している消火器は使用したとき(レバーを握ったとき)に破裂の恐れがあります。また、いかなる目的であっても、個人での分解などは絶対に行わないで下さい!(消火器を分解して点検・整備をするには「消防設備点検資格者第一種」、薬剤の詰め替え(放射試験)を行うには「消防設備士乙種6類」という資格が必要です。また消火器は、中身の薬剤の有無に関わらず、処分するにはリサイクル費用等が必要です。

消火器は「なんでもかんでも破裂する…」というわけではありません。破裂する危険性があるのは「使用期限の過ぎた、あるいは期限内であっても容器の損傷が激しい消火器(ガス加圧式消火器)」であるということをまずご理解ください。

 

・消火器の種類

家庭用に販売されている消火器は、主に「ABC粉末型消火器」や「ABC強化液消火器」というものが多数を占めています。その中でも、「ガス加圧式(加圧式)」「蓄圧式」に別れ、それぞれに特徴が違います。

【ガス加圧式消火器のしくみ】

Kaatusikumi_7 まずガス加圧式消火器は、その名のとおり使用時にガスで圧力を加えるタイプのもので、消火器の中でも最も一般的なものです。比較的安価でありながら、高い消火能力を持っているのが特徴です。
この消火器は、通常は消火器本体には圧力はかかっていませんが、使用時(レバーを握った際)に瞬間的に消火器本体に高い圧力をかけ、内部の消火薬剤を噴射させるしくみになっています。消火器内部に加圧用ガス容器(二酸化炭素や窒素ガス等を圧縮したボンベ)が内蔵されており、レバーを握ることによってこの容器に穴をあけて一気にガスを出し、薬剤とともに噴射するのです。

抜群の消火能力とコストパフォーマンスを兼ね備えたこのガス加圧式消火器ですが、思わぬ落とし穴があるので注意が必要です。

使用期限(8年)が過ぎて金属が疲労していたり、期限内であっても保存状態の悪いガス加圧式タイプの消火器は、使用時に(レバーを握ったときに)かかる高い圧力に容器が耐え切れず、破裂してしまう・・・という恐れがあるのです。9月中旬に大阪市東成区で起きた破裂事故も、ガス加圧式の消火器であることが確認されており、おそらくレバーを握ったか、何かの拍子で握った状態になったことにより破裂したのではないかと考えられています。

 

【蓄圧式消火器のしくみ】

Tikuatusikumi_5 もう一方の蓄圧式消火器は、本体容器内に薬剤の放出源となる窒素ガスが常時蓄圧されており、レバーを握ることによって消火薬剤が放出される仕組みとなっています。蓄圧式消火器には指示圧力計(方位磁石のようなゲージ)が必ず取り付けられており、かかっている圧力の状態を常時確認することができます。一般的には加圧式消火器よりも高価で、消火能力が若干劣るとも言われていますが、容器に急激に高い圧力をかけることがないため、使用時の破裂の恐れが無いという利点があります。現在、販売されている一般的な家庭用消火器は、すべてこの蓄圧式消火器になっています。

 

【消火薬剤の種類】
また上記のしくみの他に、一般的に市場で販売されている家庭用消火器には、中身の薬剤の種類別に「ABC粉末タイプ」と「ABC強化液(液体)タイ プ」があります。ここでのABCとは、Aが「普通火災」、Bが「油火災」、Cが「電気火災」にそれぞれ対応しているという意味であり、あらゆる原因の火災 が想定される住宅火災では、この二種類が最適とされています。
上記の消火器のしくみと併せて「加圧式のABC粉末消火器」とか「蓄圧式のABC強化液消火器」という表記で販売されています。

ただし、厳密に比較すると、同じ家庭用消火器でも設置する場所によって向き不向きがあります。
たとえば粉末タイプの消火器は、天ぷら油を消すために台所で使用した場合、火を消すことはできても、粉末の細かい粒子が冷蔵庫等の電化製品に入り込んで故障の原因になる・・・などという二次被害が起こることもあります。このことを考えると、台所に消火器を設置する場合は「強化液タイプのものが良い」と言えるかもしれません。(消火器を選ぶ際は、消火器販売店でご相談の上お買い求めいただくことをお勧めいたします。)

   
   

テレビ等のメディアで消火器の危険性が報道され、「古い消火器には触るのも怖い」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ご理解いただきたいことは、古い消火器の“破裂”は、たとえガス加圧式消火器であっても、使用しない限り(レバーを握らない限り)起こることはまずありません。当然ですが、置いておくだけで自然に破裂することもなく、製造から何十年経った消火器でも触ったり持ち運んだりするだけでは破裂することはありません。(但し、腐食による液漏れや、高い所から落とすなど衝撃を与えたり、急激な温度変化に耐え切れなくなったりしたことによる破裂等は起こる場合があります)

また、処分に困ったのか、消火器の不法投棄も増えているようです。不法投棄は、別の事故を誘発する大変危険な行為です。絶対にしないでください。

以上のことをご理解いただき、適切な消火器の廃棄処分にご協力いただきますよう、お願い致します。

事務局 農澤