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大阪消防設備協同組合事務局のブログ

ご存じでしたか?(54) / 「おじゃんになる」は、昔のサイレン?

2008-06-26 14:17:20 | ご存じでしたか?シリーズ

 計画していたものごとが無くなってしまったり、全てが駄目になってしまったりしたときに「おじゃんになる」ということがあります。

 この「おじゃん」の語源は、江戸時代の鐘の音(擬音)なのだそうです。

 江戸時代、火の見やぐらの上部などに「半鐘(はんしょう)」と呼ばれる鐘を取り付け、火災・洪水発生時などに鳴らし、地域の消防団を招集するとともに、近隣住民に危険を知らせていました。
 火元が近い時は連打し、遠い時は数回だけ鳴らすなど、地域毎に鐘の打ち方が定められており、火災の大まかな場所や災害の種類が分かるようになっていました。(他にも時報や慶弔など様々な情報を伝えるために使う地域もあったそうです。)

 そして、火が消えた際はそれを知らせるために「ジャーン、ジャーン」と2回半鐘が打ち鳴らされていましたが、この鐘の音を当時の人は俗に「おじゃん」と言っており、これが転じて、今までやってきたことが全て無駄になったりすることを「おじゃんになる」というようになりました。【HP「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」より】

 現代の消防車が鳴らすサイレンと同じ意味合いであるこの鐘の音が、「おじゃん」の語源だったんですね。危険を知らせるという意味では共通していますが、『火が鎮火すること → おじゃんになる → 全てが無駄になる』という意味で捉えられていることを思うと、江戸時代の人にとって火事を起こすことは、なにもかもを失ってしまうほどの大惨事であったことが読み取れます。
 火事になってすべてが「おじゃん」にならないよう、日頃の火の用心を心掛けたいものです。

事務局 農澤

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ご存じでしたか?(53) / FAXで119番

2008-06-24 13:59:23 | ご存じでしたか?シリーズ

 FAXで、救急車や消防車を呼ぶことができるって、ご存じでしたか?
 

 これは、主に耳が不自由な方や、ショック等で声が出なくなってしまった方のために、各市町村の消防署が行っているサービスです。火災か救急のどちらか、名前、住所、火の回りや怪我の具合などを書き込み、専用の番号にFAXすると、電話の際と同じように消防車や救急車が出動します。
 

 お住まいの市町村の消防署にてFAX送信専用の用紙を手に入れるか、各消防署のホームページからもダウンロードすることができます。もちろん、専用の用紙でなくてもFAXは受け付けてくれますが、記入漏れ等があると救助作業に支障をきたすこともありますから、もしものときのために自宅の電話の隣に一枚、専用の用紙を用意しておくといいですね。

【参考リンク】大阪市消防局の例↓
http://www.city.osaka.jp/shobo/05moshimo/index.html#f119

事務局 農澤

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ご存じでしたか?(52) / 『車急救』…なぜ反転? 

2008-06-23 11:45:13 | ご存じでしたか?シリーズ

 救急車の前部に文字が書かれている場合、『救急』等の文字が反転しています。

51 (参考例:クリックで拡大)

ではなぜ、わざわざ文字を反転させているのでしょうか?

 ・・・もちろん誤植ではありません。

 

 答えは、『自動車のミラーに映したとき、正しい文字で読めるから』という理由から、反転させているのです。
 救急車は、要請された現場へいち早く到着するために、表示灯やサイレンで一般車両に認識させ、道を開けてもらいます。しかし、カーステレオなどでサイレンに気付かない運転手も多く、そういった時のために、救急車が一般車両に後ろから近づき、運転手がバックミラーやサイドミラーで認識したとき、反転文字が正しい文字に映って読みやすい…ということなのです。
 簡単な文字なので反転しなくてもすぐに読める気もしますが・・・。このように最前線の救護活動には様々な工夫がなされているのですね。

事務局 農澤

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ご存じでしたか?(51) / 火はなぜ燃えて、どうしたら消えるのか?

2008-06-18 12:00:07 | ご存じでしたか?シリーズ

 燃えるためには、『燃えるもの(可燃性物質)』『着火源(火)』『酸素』の要素が必要です。この三つが揃った時に初めて火が燃え、逆にこの三つのうち一つでも欠けていると、燃えることはありません。
つまり、消火活動は、この三つのうちのどれか一つを取り除くことによって完了するのです

 たとえば、一番簡単な「水をかける」という行為は、水が『燃えるもの』を包み込むことで、火が燃える連鎖反応を停止させているのです。これからの季節によく行う花火を例にとると、ろうそく等の火(着火源)を花火の火薬(燃えるもの)に近づけた時、空気中の酸素と結び付いて発火し、終わればバケツに溜めた水に花火を入れて燃えるものを取り除き、燃焼を停止させる・・・ということになります。 ※電気火災や化学火災の際は逆効果である場合があるので注意が必要です。

この他にも、使用した炭を墨壺にいれたり砂をかけたりするのは、『酸素』の供給を断つことで火を消している、ということになります。
消火器で粉末や泡を噴射するタイプのものは、泡や粉で『燃えるもの』を包み込みこんで酸素との接触を断つことを目的としており、二酸化炭素を噴射するタイプのものは『酸素』に働きかけて消火することを目的としています。
また、火災が起きた時、昔は、隣家へと火が燃え移っていくことを防ぐために、隣の家自体を取り壊して燃え移りを防いでいました。これは家屋疎開といい、『燃えるもの(可燃性物質)』を取り除く消火方法にあたります。

なんだかややこしい話もでてきましたが、「三つのうち一つを取り除けば火は消える」ということを知っていれば、いざという時に役立つかもしれませんね。

事務局 農澤

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ご存じでしたか?(50) / 東京国際消防防災展2008≪リポート≫

2008-06-10 16:34:08 | ご存じでしたか?シリーズ

『東京国際消防防災展2008』が、東京国際展示場(ビックサイト)にて、6月5日~8日にかけて、行われました。今回のメインテーマは、「防火 防災 力の限りSTRIVING FOR THE BEST(ストライビング フォー ザ ベスト)」。STRIVINGとは、「~し続ける、やり遂げる」という意味の英語で、地域・事業所・消防関係者がともに、防火・防災都市東京の実現に向け、たゆまず邁進したい、という思いが込められています。会場では最新の消防装備、防災用品の展示・実演、地震被害を体験する災害体感シアター、災害時の知恵を楽しく学ぶ防災キッチンなど、様々な催しが行われ、企業関係者や一般参加者を含めて多くの人で賑わっていました。以下、最終日(6/9)の様子を写真でリポートします。(写真は、クリックで大きくなります)

2008060809tokyo014 日曜日ということもあり、家族連れで賑わっています。

2008060809tokyo006 多くの出展企業の中には、当組合の賛助会員も。【ヤマトプロテック㈱】

2008060809tokyo002 宮田工業㈱は、新製品のお酢の力で消す消火器「セーフミスト」を展示。

2008060809tokyo007 マルヤマエクセル㈱は、当組合でも使用させていただいている、連結送水管耐圧試験機と消防ホース耐圧試験機の実演紹介を行っていました。

2008060809tokyo011 ㈱モリタは、大きなブースで消防車等も展示され、ひと際来場者の注目を集めていました。屋外では、消火器使用の実演も。

2008060809tokyo026 松下電工㈱のブースでは、最新の防災システムの紹介。

2008060809tokyo005 組合員の㈱赤尾のブースもありました。最新の消防服が、所狭しと並べられていました。

2008060809tokyo023 東南海地震などの大規模地震が噂され、来場者は非常食等の防災グッズにも興味深々の様子。

2008060809tokyo028 地震体験では、阪神大震災と同程度の揺れを体験。予想以上の大きな揺れに驚きを隠せない来場者も。

2008060809tokyo034_2 ステージ上では、今子供たちに大人気の「トミカヒーロー・レスキューフォース」が、地球を守るため戦ってくれています。

2008060809tokyo071 今回、「防災アンバサダー」に任命された、押切もえさんの姿も。

住宅用火災警報器の設置義務化や、大地震の危険性が噂される中、防災企業関係者のみならず、一般の来場者も、防災に対する興味関心を持つきっかけの場となった今回の東京国際消防防災展。最新防災機器等の発展の素晴らしさに感嘆するとともに、大災害の恐ろしさも実感し、日頃のそなえの大切さを改めて考え直すよい機会となりました。

事務局 農澤

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ご存じでしたか?(49) / 遠水は近火を救わず

2008-06-04 13:54:57 | ご存じでしたか?シリーズ

 遠水は近火を救わず(えんすいはきんかをすくわず)ということばがあります。これは、「遠くにあるものは、緊急の時には役に立たない」ということのたとえ。中国戦国時代の思想家、韓非(かんぴ)の著書「韓非子」からでたことばだと言われています。

強国の圧力に苦しむある国の重臣が、他国と友好を結んで助けを期待しようと考える王様をけん制するように言いました。

「池に溺れている者を見つけたとき、泳ぎの上手い人を知っているからと、その人に助けを求めに行っても間に合いません。火事が起こったとき、海には水がたくさんあるからといってわざわざ汲みにいっても間に合いません。ですから、遠方の国と友好を結んだとしても、責められたときにあてにすることはできません」

日本のことわざでいえば、「遠くの親戚よりも近くの他人」という言葉がこれと同じですね。

当組合への府民の方々からのご相談の中にも、「ずっと物置に置いていた消火器を処分したい」とか「大掃除をしたら消火器が見つかったので処分したい」といった問い合わせのお電話が来ることがあります。きっと、消火器を買った当時はキッチンや寝室等に置いていた消火器も、出番がないので物置の奥にしまってしまい、いつしか消火器があることすら忘れてしまった・・・というケースが多いのだと思います。
いざ、火事が起こったとき、せっかく買った消火器も物置の奥に隠れてしまっていては、すぐに消火をすることができず、「遠水は近火を救わず」ならぬ「物置の消火器は天ぷら火災を救わず」になってしまいます。
消火器は、火災の初期消火にはとても有効な消火器具です。どこにあるかすぐに思い出せてすぐに使える場所に設置して、「宝の持ち腐れ」にならないようにしたいものですね。

事務局 農澤

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ご存じでしたか?(48) / 火災は何時ごろ起こる?

2008-06-03 16:48:58 | ご存じでしたか?シリーズ

 火災は何時ごろに多く起こっているのでしょうか?

 大阪府危機管理室の調べによると、平成18年に大阪府内で起こった3,375件のうち、火災発生が一番多い時間帯は19:00代で203件に及びます。次いで、17:00代(183件)、18:00代(180件)と17:00~20:00までの間で、全体の約17%を占めています。
 火災の発火源別に見て、「それ自身が発火している」「ガス・油類を燃料とする道具類からの発火」が、全体の約70%を占めていることから、一日を過ごして注意力が散漫になる時間帯でありながら、夕食の準備等で火を使うことが多くなることが理由のひとつであると考えられます。
 ちなみに、火災の一番少ない時間帯は7:00代(82件)次いで5:00台(91件)、6:00代(95件)となっており、朝の早い時間帯には他の時間帯に比べ、火災発生が少ないことがわかります。

深夜の時間帯は、0:00代が131件であるのに対し、1:00代になると157件、2:00代になると159件と増加していきます。これは、寝たばこ等の火の不始末とともに、放火や放火の疑いが一番強い時間帯であることを示していると言えます。

特に夕方以降の火を多く使う時間帯、そして一日の疲れが溜まり注意力が低下する時間帯には注意が必要のようです。

事務局 農澤

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ご存じでしたか?(47) / 学校の火災はどのくらい起きているか

2008-06-02 17:02:54 | ご存じでしたか?シリーズ

5月12日に発生した中国四川省での大地震では、本来壊れてはならない学校が崩壊し、多くの子供たちの命を奪いました。現在でも救出作業は続いており、犠牲者数はまだまだ増えるといわれています。

多くの場合、地域の避難場所として指定されている学校ですが、この学校が災害に巻き込まれることも少なくありません。
大阪府危機管理室の調べによると、平成18年に大阪府内の小学校~高校で起きた火災は合計20件。一見少ないようにも思えますが、半数にあたる10件は「放火」や「放火の疑い」が出火原因とされており、そのうちの約半分は児童が学校にいる時間帯に起こっています。
幸いなことに死者が出るほどの火災はありませんでしたが、半数に放火の可能性があることには憤りを感じます。学校では、避難訓練などを通じて災害時の対策などは十分に行われていますが、子供であってもいざというときに自らの身を守れるよう、家庭においても十分な教育が必要であるといえます。

事務局 農澤

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