計画していたものごとが無くなってしまったり、全てが駄目になってしまったりしたときに「おじゃんになる」ということがあります。
この「おじゃん」の語源は、江戸時代の鐘の音(擬音)なのだそうです。
江戸時代、火の見やぐらの上部などに「半鐘(はんしょう)」と呼ばれる鐘を取り付け、火災・洪水発生時などに鳴らし、地域の消防団を招集するとともに、近隣住民に危険を知らせていました。
火元が近い時は連打し、遠い時は数回だけ鳴らすなど、地域毎に鐘の打ち方が定められており、火災の大まかな場所や災害の種類が分かるようになっていました。(他にも時報や慶弔など様々な情報を伝えるために使う地域もあったそうです。)
そして、火が消えた際はそれを知らせるために「ジャーン、ジャーン」と2回半鐘が打ち鳴らされていましたが、この鐘の音を当時の人は俗に「おじゃん」と言っており、これが転じて、今までやってきたことが全て無駄になったりすることを「おじゃんになる」というようになりました。【HP「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」より】
現代の消防車が鳴らすサイレンと同じ意味合いであるこの鐘の音が、「おじゃん」の語源だったんですね。危険を知らせるという意味では共通していますが、『火が鎮火すること → おじゃんになる → 全てが無駄になる』という意味で捉えられていることを思うと、江戸時代の人にとって火事を起こすことは、なにもかもを失ってしまうほどの大惨事であったことが読み取れます。
火事になってすべてが「おじゃん」にならないよう、日頃の火の用心を心掛けたいものです。
事務局 農澤
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