
千葉大生殺害:裁判員裁判の死刑破棄 東京高裁は無期判決
千葉県松戸市で2009年10月、千葉大4年の荻野友花里さん(当時21歳)を殺害し部屋に放火したなどとして、強盗殺人や現住建造物等放火などの罪に問われた住所不定、無職、竪山辰美被告(52)の控訴審判決で、東京高裁は8日、死刑とした裁判員裁判の1審・千葉地裁判決(11年6月)を破棄し、無期懲役を言い渡した。村瀬均裁判長は「殺害態様は執拗(しつよう)で冷酷非情だが、殺害された被害者は1人で、計画性はなかった」と述べた。裁判員裁判による死刑が破棄されたのは2例目。
1審は▽殺害の態様が悪質▽放火殺人以外にも強盗、強姦(ごうかん)などを繰り返した▽強盗致傷などの前科で服役し、出所後3カ月足らずの間に再び事件を起こした−−ことなどを挙げ「殺害された被害者が1人だとしても極刑を回避する事情にならない」と判示。控訴審で弁護側は「被害者が1人で計画性もなかった事件で死刑が選択されたことは過去にない」と極刑回避を求めていた。
判決によると、竪山被告は09年9〜11月、荻野さんの自宅に侵入し、現金を奪って荻野さんを包丁で刺して殺害したほか、8人に対して強盗強姦事件などを連続して起こした。
被害者が1人の殺人事件を巡って村瀬裁判長は6月、強盗殺人などの罪に問われ、裁判員裁判で死刑とされた男(62)を控訴審で無期懲役に減刑。心中目的などで妻子を殺害した前科について「1審は過度に前科を重視し過ぎた」と述べた。弁護側は無罪を主張し、上告している。
毎日新聞 2013年10月08日
千葉大生強殺、1審死刑判決を破棄し無期懲役
千葉県松戸市で2009年10月、千葉大4年の荻野友花里さん(当時21歳)がマンションの自室で殺害された事件で、東京高裁は8日、強盗殺人罪などに問われた無職竪山(たてやま)辰美被告(52)を死刑とした1審・千葉地裁の裁判員裁判の判決を破棄し、無期懲役の判決を言い渡した。
村瀬均裁判長は「犯行には計画性がなく、同種事件で死刑がなかった過去の例からすると、死刑の選択がやむを得ないとは言えない」と指摘した。
最高裁によると、裁判員裁判の死刑判決が控訴審で破棄されたのは2例目。いずれも1人殺害のケースで、高裁が裁判員裁判の厳罰化に歯止めをかけた形だ。
控訴審では、死刑を適用すべきかどうかが最大の争点となった。
村瀬裁判長は1審判決と同様に、竪山被告が殺意を持って荻野さんの胸を包丁で刺すなどして殺害したと認めたが、荻野さんの部屋に侵入したのは金品を盗むためだったとし、「計画的な殺害とはいえない」と判断。計画性がなく、被害者が1人の過去の強盗殺人事件で「死刑は選択されていない」とし、先例に沿って判断すべきだとの考えを示した。
読売新聞 10月8日(火)
2011.6.22 「女性は常に強姦されたい」と思っている竪山辰美被告に死刑求刑
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