すそ洗い 

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2006年5月からの記録
ナニをしているのかよくワカラナイ

藤田嗣治「異邦人」の生涯

2008年02月15日 | 書籍
京極関係を中断して 

藤田嗣治「異邦人」の生涯   近藤 史人 著 

を必死のパッチで読み終わりそう。なぜ必死のパッチかとゆーと図書館で借りた本なので、返さなければいけないからであります。

借りた本とゆーのはコストがかかっていないので「まぁ、タダやしエエんとちゃいますぅ~」と扱いがぞんざいになり、図版を眺めただけで結局ろくすっぽ読まずに返却するのが大抵な自分、でも今回は必死のパッチで毎日行き帰りの通勤電車で没頭してしまっている。なぜか?

とっても読み易く、とっても面白いからであります。

今まで「変なカッコして気取ってるイヤミな海外かぶれ、でも絵はめっぽう巧そー」ぐらいの誤解した印象しかないおっさんだったんですが、藤田嗣治の本当に美しい乳白色 http://blog.goo.ne.jp/tagomago1021/e/142c11ec0f8129a787fbe545a981fbac
にビビッときて以来、とても気になる存在になっておったわけで

でも大抵の美術書・美術評論・史実は退屈でまどろっこしくわかりにくくめんどっちいんですよね~。これもその類でパラパラっと眺めて読まないで終わるだろうとゆー予定だったんですが、NHK社員の近藤 史人 の記述が実にわかりやすくフラットでバランスがよく安易でものすごく読みやすく一気にページ数がじゃかすか進む(大抵の美術書は2ページ進むのにえんやこらさどっこいしょで途中で挫折)

これはイイよ

でその藤田さんがなぜにオカッパか、なぜに仏蘭西か、なぜに戦争絵画も一生懸命か、がわかりやすく書かれています

藤田さんて「断るのが苦手な思いやりのあるイイ人」

でも「断るのが苦手な思いやりのあるイイ人」って、たいてい仕事や表現ってイマイチだったりするでしょ?それなのに藤田さんの仕事って、あーゆーレベルですからね、そこんとこ不思議

基本は「他者に対する気の弱さ」「精一杯の虚勢」「陰に縮こまって他人の反応をビクビク観察」「人一倍の劣等感と優越感」らしい藤田さん

でも頑張っちゃったんですね、実直勤勉努力相克切磋琢磨

そんでもって「40代はまだまだ青年」を実践しまくる方で

戦前・戦中・戦後の藤田史実を彼の絵画表現と平行して眺めると実に奥深く頭が下がりっぱなしなんやわ、誤解しまくっていた自分は土下座したいね

中高年の明日への夢と希望を実践で示し、どんなに外的条件がド最悪であっても実直勤勉努力相克切磋琢磨を忘れなければ、ま、何もしないで年老いるよりはエエんとちゃいます?と言っております(誰が?)

藤田嗣治「異邦人」の生涯
近藤 史人
講談社

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