すそ洗い 

R60
2006年5月からの記録
ナニをしているのかよくワカラナイ

泣いたらあかん、明日通天閣登ろう 西加奈子「通天閣」

2015年09月11日 | 書籍

西加奈子
「通天閣」
ちくま文庫

太字にて内田百間の「冥土」のやうな不安感を醸し出す夢日記が冒頭で
関西文学であるが 喋り言葉以外は標準語
この標準語と大阪弁のミックスがエエ感じの文学
大きい出来事やすべった転んだエンタテーメントは無し
そこはかとない涙な感動話も照れ臭そうにさらりと茶化し気味の関西気質

何者にもなれない 
ガサついた日常に辟易となんとかやりくりする 
通天閣の近所に住むおっさんとねーちゃん
物語が進むと この二人の関係性が見えてきて
最後の方で一大接近遭遇するも 結局出会い(再会)はないのが ちょっとオシャレ

「頑張ってるときの目がきらきらしてる?
本人より作品に惚れたと言ったほうが正しい?
じゃかましい!」

この3行が好きです
僕も そーゆー風なことをいわれてふられた経験あります
夢も希望も無い男といわれた経験もあります
そーゆーことゆー奴いるんです
芸術やら何やらの世界に夢見がちな奴

とにかく 大阪弁の肉声が このお話では素晴らしい
このニュアンスは大阪の子しかわからんニュアンスとか
ボケとツッコミのやりとりはあまりなく
ぼよ~んと大阪の肉声が出てくるんがエエ按配
地味で鬱鬱と話は進み
最後に通天閣でイベントがあり ここで一気に盛り上がり
感動を高めますが
その後がちょっとダラダラ長い尻切れとんぼ
まぁエエとしましょう



通天閣 (ちくま文庫)
クリエーター情報なし
筑摩書房

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