津軽より帰って早一週間程経ちますが、この身体はもぬけのようで、魂はいまだに津軽を
さ迷うているかのようです。
放心状態に虚脱感。ゴールデンウィーク期間中であることが一層これらを助長しているかの
ようです。
津軽までの行程は車でおよそ10時間。休憩時間もなしに高速道を突っ走ればもっと早くに
着けるのに、まづは安全第一に心掛けた結果です。それにしても、津軽は遠い!
弘前市に別れを告げ五所川原市の金木町へ向かう。途中、藤崎、板柳といった有数の林檎
の産地を走り抜ける。さほど広くはなくて昔ながらにくねくね曲がった道路の両脇にはまさしく
林檎農家が立て込んでいました。今なお、実際に居住しているらしい藁ぶき屋根の住居にも何
軒か出会いました。
しばらくして人家を抜けると、道路は林檎畑の真っ只中に。津軽富士『岩木山』が雪を冠した姿
で、辺り一面の林檎畑の後方に現われています。
ここが津軽 まさしく本物の津軽
津軽平野は風もなく暖かでした。思わず吉幾三さんの『津軽平野』の歌詞が…
『津軽平野に雪降る頃はよ 親父ひとりで出稼ぎ支度…』
遠く離れたこの地にあっても、何故かこの歌には父親のことを思い出させてくれるものがあります。
そう言えば、『いくぞうハウス』の看板見ましたよ。実際のお宅は拝見できませんでしたが。
五所川原市街を通過して金木町に近づいてきました。この辺りまで来ると岩木山も遠くかすかに見
えるという状態になってしまいます。津軽平野はどこへ行っても『お岩木やま』を拝めるようです。
金木町、前回以来5年ぶりです。さくら祭りに湧きかえっている弘前とは違って、ここ金木は静かに
春を謳歌しているかのようでした。ふーっと息を抜ける安らぎがありました。
金木町を出発したのは午前11時頃。帰路、鶴田町の鶴の舞橋に立ち寄る。ここで岩木山を心行く
まで眺めて津軽に別れを告げました。津軽にいる時は何ともないのですが、津軽から離れれば離れ
るほど、恋しさが募るようでもありました。
暦の上では、春も終り、五月五日は立夏でした。
いとしい津軽へ、著作権付き?の駄句をご披露して終わりと致しましょう。
行く春や津軽路はいまなみだ雨