5コシャマインの戦いに関する『新羅之記録』の史料的検討コシャマインの戦いとは、康正3年(1457)に、蝦夷地(現、北海道)南部の渡島半島で勃発した史料上最初に確認される和人とアイヌ民族との戦いである。この戦いに勝利した蠣崎氏(近世の松前氏)は、他の和人勢力を支配下に置くことになる。それほど重要な戦いではあるが、それを伝える史料は近世に成立した『新羅之記録』のみである。今までの研究は同書に信頼を寄せて為されてきた。 . . . 本文を読む
1 「新羅之記録」概説
新羅之記録の正式名称居=神武天皇正統十五世の孫・応神天皇八幡大菩薩政党十八之孫・人王五十六代惟仁親王七代之苗裔、新羅三郎刑部丞陸奥守義光朝臣正統十五代後胤・当家之元祖信広朝臣以来代々年譜並二名誉奇特之記(*苗裔(びょうえい)「デジタル大辞泉」遠い子孫。*惟人親王(これひとしんのう)は清和天皇の名)、最初の松前氏の現存最古の記録家譜。 . . . 本文を読む
◎「箱館夜話草」概説(安政4[1856]) 淡齋如水著(本名蛯子吉蔵、通称亀屋吉郎右衛門)(『函館市史』史料編第一巻p449) 此処はむかし河野加賀守政通の館の旧跡にして箱館と云ふはこれによるよしいい云ふ。永正8(1511)年4月18日、東蝦夷地の夷人等ことごとく蜂起して、ウスが嶽の館をはじめとして志苔の館、与倉前の館に至るまで、みな蝦夷人のために襲われてせめ落さる。 . . . 本文を読む
4 地名「函館」について
1 地名「箱館」の誕生はいつ頃か
平凡社の「日本歴史地名大系」では箱館村を次のように紹介している。
近世から明治2年(1869)までの村で、近世の郷帳類では箱館村として把握されていた。
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