国際版 少年少女世界童話全集⑭ 《マッチうりの少女》

寒くなってきましたね…




大晦日の物語…




お気に入りの作品なので、何度も読みました。




一人ぼっちの少女…




炎の中に映る幻…




目次も銀世界です。




とても寒い日の夕方…　年末の挨拶を交わす人たち…




その町の通りに少女がいました。
少女は人々に『マッチを買ってください』と頼みます。
しかし、誰も相手にしてくれません。




少女は裸足でした。
家を出るときはお母さんの形見である木の靴を履いていたのですが、
通りを横切っていると二台の馬車が迫ってきたのです。
馬車を避けようとしたとき、靴は脱げてしまったのでした。




少女は父親から『全てのマッチを売ってこい』と言われています。
しかし、一本も売れません。少女は空き家の石段に座り込みました。




数々の家から賑やかな笑い声が聞こえてきます。
立派な服を着た裕福な人たちが楽しそうにお酒を飲んで、
ごちそうを食べているのです。




マッチを売らずに家に帰れば、父親に怒られるのです。
それに、帰ったところで寒いのは同じです。
少女はマッチを一本取り出すと、壁に擦りました。




マッチが勢いよく燃え上がり、少女の前に立派なストーブが現れました。
何という不思議なことでしょう。
少女は冷たい足をストーブの方へ伸ばしました。
すると、マッチの火もストーブも消えてしまいました。
少女は新しいマッチを擦りました。マッチの火が踊り出すと…




今度は輝くように美しいテーブルが現れたではありませんか！
銀のトレーには桃が詰まったローストが乗っています。




『召し上がれ！』という声と共に、マッチの火もテーブルも消えました。




次のマッチを擦ると、少女の前にクリスマスツリーが現れました。
枝には何千という蠟燭が燃えています。お菓子や人形が飾られています。
少女が手を伸ばすと、マッチの火が消えて、蠟燭が空へ舞い上がりました。
そして数々の蠟燭は空に輝く星となり、その中の一つが流れ落ちました。

『誰かが天に召される…』

亡くなったお婆さんから聞いたことがあるのです。
『星が一つ落ちるとき、一つの魂が天に召される』と…

『お婆さん…』

少女は新しいマッチを擦りました。




炎は一段と明るく燃え上がり、そこにはお婆さんが立っていました。

『お婆さん！　私の大好きなお婆さん！』

少女は叫びました。しかし、マッチの火が消えれば、お婆さんも…

『消えないで！　私を連れていって！』

お婆さんを引き留めたいと思って、少女は残りのマッチを一度に擦ります。
辺りは昼間のように明るくなりました。




お婆さんは両手を伸ばして少女を抱き上げました。
二人は光と喜びに包まれて、空へ舞い上がっていきます。
もう寒くない…　ごちそうもいらない…　お婆さんと一緒なら…


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翌朝、少女の呼吸は止まっていました。新年の朝日が少女の体を照らします。
少女の顔には笑みが浮かび、周りには燃え尽きたマッチが…
この少女が炎の中に何を見たか、どんなに幸せだったか、誰も知らないのです…




橇に引っ張ってもらいますが…




やっと魔法が解けて…




脱走を試みる二人…




家を占領した怪物の正体は…？




貧しき人々に安らぎを…




結婚を認めてもらうために、大きな川を渡って…


この巻を読むと、冬が近づいてきていると感じます。
《マッチうりの少女》は悲しい結末でしたが、語り継がれるべき名作です。