え!?
閉まっちょうやん!
夜10時前の田川後藤寺駅。
みどりの窓口の前で息子と立ちつくす。
営業時間、6:30~20:30 とドアに明記されている。
どうすんだよ明日朝5:40発の始発に乗るのに・・・。
予約購入していた切符が受け取れない・・・!
明日は息子とふたり、静岡まで一泊二日の旅行。
弟が静岡に居る。
その子どもたち、つまり甥っ子たちと三年ぶりに会う。
息子にとっても、歳の近い従兄弟たちと三年ぶりの再会になる。
この春、小学校を卒業し中学生になる息子。
これから部活だの勉強だの忙しくなるだろう。
日曜祝日といえど、あまり時間がとれなくなるかもしれない。
そして、静岡の弟。
これがバカをやって、この春とうとう離婚してしまった。
義妹がとてもいい子で、離婚したとしても、家との関係は保ちたいと両親に訴えてきた。
そもそもの原因は弟のたび重なる浮気であるにも関わらず、
健気に二人の息子をひとり育てて行くという。
毎年、年末年始には弟たちは一家で帰郷していたのだが、
浮気発覚の三年前からそれが途絶えていた。
こんなこともあって、これから先、お互い会う機会がなくなってしまうと思った。
そうして、自分が息子を連れて静岡へ会いに行くことを思い立った。
3月に入ってすぐ計画し、元妻へ連絡して息子の都合を確認し、
義妹に連絡して向こうの都合も確認。
そうして、静岡へ行く日を決めた。
さっそく、じゃらんで宿を予約しようとしたら、
宿が・・・とれない。
春休みさなかの三連休の初日。
ビジネスホテルも和風旅館も観光ホテルも、どれもこれも空室なし!
義妹たちが暮らしているのは、静岡県御殿場市。
御殿場市内に一軒だけペンションが残っていた!
しかも残りひと部屋!
もうこれでいい!
金額とか料理とか大して確認もせず、
予約フォームに宿泊人数だの名前だの住所だの入力していく。
全部入力し終えて、いざ予約ボタンをクリック!
"エラー お探しのお部屋はただいまご紹介できません。”
え!?
検索結果の画面に戻ってみたら・・・既にその部屋も押さえられてしまっていた。
入力している間に、誰かに先を越されたのだ。
じゃらんの部屋予約画面、「現在**名がこの部屋を閲覧しています。」
みたいなのがリアルタイムで表示される。
このときも、たしか「15名が閲覧しています」みたいに表示されていた。
この時点で御殿場市は空き宿ゼロになってしまった。
検索エリアを広げる。
三島市,裾野市,富士市,富士宮市・・・。
ない!
部屋がない!!
そうして、さらに広げて、結果、沼津市に一軒だけホテルを発見!
しかも、ここだけ5部屋も残ってた。
料金もプラン内容も、とくに問題があるわけでもないけれど・・・?
これは・・・ワケありか?
でもまあ、ここしか残っていない。
ホテルの予約が完了し、ひと安心。
沼津市か・・・御殿場からタクシーでいくらかかるかなあ?
そんな心配をしつつも、
沼津かあ・・・たしか干物が美味いんだよなあ。
特産の金目鯛のお造りを食べたいのう。
予約したホテルのプランには、「駿河湾の新鮮な海の幸を満喫」と謳い文句があった。
宿がちょっと離れてしまったけれど、逆に楽しみも生まれた。
宿の次は切符。
JR九州のサイトでメンバー登録して切符を購入。
始発に乗っても、向こうに着くのは11:45分ときた。
静岡・・・やっぱ遠いな。
でもまあ、鉄道の旅も嫌いじゃない。
長い道中、息子とふたりゲームでもして楽しもうじゃないか。
ゲームかあ、スマブラは途中で飽きるだろうな。
そうだ、こないだ発売された3DSの桃鉄2017!
もう中学生だし、そろそろ出来んだろ。
そう思って最近、Wiiの桃鉄2010を息子にやらせてみたら、「おもしろい!」と言ってくれた。
長い道中、息子と桃鉄もいいじゃない!
鉄道で桃鉄だぜ!
さっそく、近所の大きなスーパーの玩具売り場で、桃鉄2017を2本購入!
卒業祝いって名目で、しかも地理の勉強にもなる!っていえば元妻も納得しよう。
切符を購入して旅行のプランを立てる。
昼前に義妹たちの住んでいる場所から最寄りの新幹線駅、三島駅に到着。
そのまま、富士サファリパークへと行って、閉園時間まで動物を堪能。
夕飯を一緒にしたいと思っていたけれど、
予約したホテルのプランが、夕飯付きだったので、
夕飯は一緒にとらずに、そのまま沼津市のホテルへ直行。
そうして一日目は終了。
二日目は沼津市のホテルをチェックアウトし、
そのまま徒歩で、沼津港にある深海魚水族館に行くことに。
前にテレビで観たことあって行ってみたいと思っていた、日本唯一の深海魚メインの水族館。
そのまま沼津港で、駿河の味を堪能する。
しらす丼,桜エビ丼,どちらも外せない!
両方頼んで、息子とシェアすれば、いっぺんに味わえる!
自分も息子もいきものが大好きだし、魚介類が好物だし、
このプランは絶対に楽しめるはず!
もう旅行日までワクワクが止まらなかった。
そうして、冒頭に戻る。
出発前夜。
ネットで切符を購入した際、「23:30まで受取可能」と書かれていた。
ただ、「駅によってみどりの窓口の営業時間が異なります」とも書かれてはいた。
後藤寺駅はそこそこ大きい駅だから、まあその時間まで営業しているだろう。
昔、最終に乗って帰ってきたときも、確か駅員さん居た。
「後藤寺駅は始発から窓口開いて、駅員さんがおるよ。」
お母んも、こう言っていたし、実際当日の朝受け取るつもりでいた。
だが、当日慌てなくていいように前日の夜に受け取っておこう。
そう思って前日の晩に来てみればこうだ。
自分と息子、二人分の静岡行きの往復切符。
クレジットカードで決済済み。
あとは事前にみどりの窓口で受け取るだけだった。
これは・・・マズイぞ。
今から小倉駅まで受け取りにいかなきゃならないのか・・・?
さすがに小倉駅ならば、間違いなく23:30分まで営業しているだろう。
この時間から小倉駅まで向かうという最悪の事態を想定し、とりあえず帰宅。
ネットで一縷の望みを持って、ほど近い新飯塚駅の営業時間を確認してみる。
"22:30まで”
!
時計をみると、22:05。
そのまま車をぶっ飛ばす。
新飯塚駅まで車で30分はかかる。
だが、この時間ならば車も少ないし、間にあうやも!
明日は早く起きなきゃならないのに、今から小倉駅まで行きたくはない。
運転しながら、コンソールの時計とにらめっこ。
刻々とタイムリミットが近づくが、22:25、駅舎が見えてきた!
あとはこの立岩立橋を渡った先の交差点を左折すれば到着。
ギリギリ間にあった!
・・・前のタクシーが遅い!
もっとスピード出せや!
ほらみろ!赤になってしまったじゃねえか!
しかも前のタクシーも左折ウインカー出してやがる。
うわぁ、お前は直進しろよ!
・・・まあタクシーは駅に行きますわな。
とろいタクシーにイライラしながら、駅に着いたのは22:28!
みどりの窓口へと駆け込む。
こうして、無事に切符をゲット!
ふう~よかった。
帰宅すると、「どうやった?」と、息子が心配そうに出てきた。
間にあって無事に切符をゲットできたと伝えると、
「よかった~!」
そう言ってベッドにもぐりこんだ。
明日は4時半には起きる予定。
早く寝なければいけない。
自分が迎えに行く前に入浴を済ませていた息子はパジャマに着替え、
すぐに寝息を立てはじめたものの、自分はまだまだやることがたくさん。
まず、風呂に入って、それから荷物を用意。
一泊二日なんで、そんな用意することはないが、
デジカメ,携帯電話,3DSと桃鉄のソフト,サイフに切符に、
プリントアウトしてファイリングした、
電車の乗り換え表やホテルの予約票、富士サファリパークの割引券。
昨日ひよ子で買っておいた、義妹たちへのおみやげのお菓子に、
うちのお母んから預かった、甥っ子ふたりへのお小遣い。
時計をみると、とうに日付が変わって、1:30!
やばい・・・さすがに起きられなくなるわ。
携帯電話のアラームを4:00にセットして布団にもぐる。
仕事がハードだったし、いろいろあってすこぶる疲れた。
・・・・・。
・・・。
・・・。
・・・・・。
「たけお!!」
・・・。
「あんた、間にあうんかい!?」
!
お母んの声だ。
まさか・・・寝過ごした?
「いま何時?」
「もう5時20分ばい!」
はあ!!
あと20分しかないやんか!!
携帯のアラーム鳴ったかあ?
飛び起きて着替える。
息子も同時に飛び起きる。
寝癖もそのまま、歯磨きもできぬまま。
目やに付けたまま、お母んの車に乗り込む。
後藤寺駅まで車で10分くらい。
時間は・・・5:32!
「明日何時に起きるんね?」
「4時。」
「電車は何時に出るんね?」
「5時40分。」
「なんでそんな早よ起きるんね?」
「朝めし食べて歩いて駅まで行くき。」
「お母さんが送っちゃるき、5時くらいに起きればいいが。」
「お母ん、明日仕事やろうもん、だき、わざわざ早く起きんでいいっちゃ!」
・・・そんなことを言っていたくせに。
お母ん、起こしてくれてありがとう。
送ってくれてありがとう。
駅に着いて、ホームに駆け込む。
既に始発の電車が止まっている。
乗りこんだ瞬間、アナウンスが流れる。
「この電車は5時40分発、日田英彦山線 小倉行きです。」
「まもなく発車します、閉まるドアにご注意ください。」
ふう~なんとか間にあった。
昨晩、ギリギリで切符を入手して安堵していたが、
まさか当日、寝坊して電車に乗り遅れそうになるとは・・・。
つくづく時間にルーズだな俺は。
まだ外は真っ暗。
かすかに東の空が明るい程度。
土曜なので車もまばら。
昨晩コンビニで買っておいたパンとジュースを息子に手渡す。
起きてまだ30分も経っていない。
しかもバタバタしていて、腹なんか減ってはなかろうが・・・。
よりによって、固くて分厚いチョコの入ったチョコクロワッサンを起きぬけに食わす。
独特のエンジン音の響く、ワンマン・ディーゼルエンジンの電車に揺られながら、
日田英彦山線を上り、最初の乗り変え駅、小倉を目指す。
到着予定時刻は6:33。
各駅停車の鈍行列車で、小一時間。
出だしに つまづいたけれど、静岡への旅。
わくわくが止まらない。
つづく。
こりゃまたすごく臨場感のある旅行記の幕開けですね。
臨場感といえば例の歯根嚢胞の治療記がピカイチでしたが、それだけに訪問者も多そう。
下に「荒らしか?」と思われるコメが来てますが、消さずに置いてらっしゃるという事は、
「そんなになるまで放っておいたなんて、なんてバカな人。」っていう感想をただ一言で表現しているコメント。とも取れるからかな?
と推察しました。
仮にそうだとしても挨拶も自己紹介も礼儀も何も無いれっきとした「暴言」でしかないので、私ならすぐ消すか、今言ってる様な事をとうとうと書き連ねるかのどっちかになるでしょうけどね。
浮気でしたかー。それはキツいなぁ。
価値観の相違とかお金の問題とかよりも一番イヤな原因かも。
起こして送ってくれるお母さん優しい。
最近は訪日外国人の増加もあってホテル取りにくい様ですが、なんとか見つかって良かったですね。希望通りにいかなくてブーたれるのではなくむしろプラスに捉えて楽しむポジティブな生き方が良いですね。
まだ「エルおじ」なる用語が無かった随分昔に、くたびれたサラリーマン風のおっちゃん二人が正にその様な事を愚痴りながらオフ会をしていて、ゲーム内ではキャピキャピのエルフ女でアイドルポーズの仕草をしている。みたいな四コマ漫画を見た記憶があったのでそれを探して紹介したかったのですが見つけられませんでした。
旅行記の続き楽しみにしておきます~
ドラクエの書き込みで静岡に行かれているのは知っていたのですが、
行かれたのは御殿場、沼津だったんですね。
てっきり大河がらみで浜松か静岡だと勝手に思ってました。
自分も父の実家が静岡なので夏休みとかによく行きました。
新幹線の旅も良いですね~
静岡だと「のぞみ」が止まらないので、
乗り換えとか大変だったでしょうか……
御殿場・沼津近辺はあまり行ったことないですが、
沼津は海が”超”綺麗だったのを覚えてます。
まるで沖縄や南海のように澄んだ海に感動した記憶があります。
あと、わさび漬けが美味しかったような。
あの近辺はホテル・旅館はあんまり無いのかもしれませんね。
丹那トンネルを超えて熱海辺りなら沢山あると思いましたが、
今更言っても遅いですね……
続編楽しみにしております。
私も暖かくなってきたら、
お墓参りも兼ねて静岡行ってみようかな。
コメントありがとうございます。
歯根嚢胞の記事、実際かなりアクセス数が多くて、
検索キーワードをみると、術前の自分と同じように、
深刻に傷病に悩み、手術や治療費など、
いろいろな不安で検索して辿り着いているのが判ります。
にも関わらず、あんなダラダラとふざけた記事。
本気で悩んでいるであろう方たちに申し訳ないと思ってしまいます。
あの迷惑コメント、そういったひとが検索で来てみれば、
あんな記事だったので、「こちとら本気で悩んでるのにフザけんな!」
そんな思いでやったのかな?なんて思っています。
あ、荒らしのコメントをそのままにしておくのはフレボのときからで、
そのまま晒しておく意味合いで放置しています。
まあIPアドレスが表示されるわけでもなく、
書いた本人に何のマイナスにもなりはしませんけどね。
宣伝系やマルチポスト系の荒らしは削除しています。
詳しくは続きの記事に書いてゆきますが、
まあ計画どおりにならないこと。
帰ってきて「ああしとくんだった。」「こうしとくんだった。」
そんな後悔でいっぱいです。
まあ、また行けばいいさ!
そんなふうに思っていますけどね。
交通費はじめ出費を考えると、そうそう行ける場所ではありませんが・・・。
そういえば、お母んに起こしてくれたうえ、送ってまでくれたのに、
未だにお礼を言っていないという。
まあ、息子が母親に面と向かって礼を言えないのは世の常。
今年の母の日プレゼントは、ちょっとだけ予算あげようかしら。
コメントありがとうございます。
そうでした、静岡はおんな城主直虎の舞台でしたね。
この続きの記事にも書くと思いますが、実は浜松駅に着いてそれに気付きました。
「あ、そういやそうだった!」と。
新幹線、のぞみは静岡スルーなんですね。
おかげで名古屋からこだまで三島まで行きました。
長旅でしたが、楽しかったですよ。
満員で車窓をじっくり眺められなかったのが残念ですが・・・。
熱海が意外と近いとは気付いたのですが、
さすがに観光地なんか、あっと言う間に宿はなくなっているであろうと思い、
そこまで検索しませんでした。
逆に考えると、そっちの方が充分な宿泊施設があって、
空きもあったかもしれませんね。
続きの記事に書きますが、沼津でよかったと思っています。
Keiさんが勧めてくださった、桜エビのかき揚げそばも食べられず、
心残りがたくさんで、またひとりででも行く気でいます。
連日更新していこうと思っていましたが、もうこんな時間・・・。
続きは明日以降ですね。