かつて武士たちが乗馬訓練に使用していたという、城下町のメインストリート、杉の馬場。
その両脇に桜が植えられていて、桜のシーズンにはそりゃあ見事な桜街道となるらしい。
しかし、これまで何度か秋月を訪ねてはいるが、
真夏だったり紅葉シーズンだったりで、桜の時期に行くのはこれが初めてだった。
今年の桜の時期、ちょうど連休を獲ることができたので、
息子とふたり、どこか良いところはないかと考え、
そうだ・・・秋月へ行こう!となった。
早くも中学三年生の息子。
そんな歳で、秋月なんか楽しめるわけがないのだが、
どういうわけかうちの息子、ショッピングモールやテーマパークより、
こういう地味な歴史史跡や、自然探索が好きだったりする。
自分もそうだが、元妻もそうだった。
これは完全に血筋だ。
車で小一時間ほどかかったろうか。
いつも使う322号線の八丁峠が工事で通行止めとなっており、
迂回路を通って行ったので、いつもより時間がかかったように思う。
嘉穂アルプスを越えて、到着するのは朝倉市秋月。
平日だったにも関わらず、車と人でごった返している。
ゆっくりゆっくり進む車列。
秋月の公営駐車場を目指す。
公営駐車場の直前、おばあさんが、段ボールを持って車の前に飛び出してくる。
自分の前の車にも飛び出して、段ボールを見せて何かをアピールしていた。
なんだ!?
そう思いつつも、何をやっているのかは察しが付いていた。
段ボールには、マジックペンで「400円」と書かれていた。
公営駐車場の料金は500円。
このおばあさん、それよりも100円安い料金で、
自宅ガレージに観光客の車を呼びこんでいたのだ。
おばあさんが大きな身振りで必死に車を入れろと誘導する。
その方向を見ると・・・トタン屋根付きのボロいガレージ。
すでに車が二台入っていて、あと一台ギリギリ止められないことはない。
だが、軽自動車じゃなきゃ切り返しなしで止めるのは厳しそうだし、
なにより助手席は先に降りなきゃだし、
運転者も止めたあと、隣の車にドアが当たらないよう、ギリギリで車から降りなきゃならない。
これはいかん・・・おばあさんには悪いが100円程度で冒険はできない。
それに公営駐車場はすぐそこだ。
駐車場に車を止め、さっそく秋月のメインストリート、杉の馬場を目指す。
狭い道路を観光客と車がひっきりなしに通る。
杉の馬場は、地元の車以外は乗り入れ禁止なので、ゆっくりと散策できる。
ほどなくして到着。
情緒あふれる城下町、桜がなんて似合うのだろう!
広島城の周りとか、小倉城の周りでは見たことがあるが、
古い街並みの城下町で桜を見たのは初めてかもしれない。
石橋から川にせり出した桜も、
青葉の眩しいモミジとならぶ桜も、
年季の入った大きな門の後ろに立つ桜も、
なんて風情があって素敵なんだろう。
息子とあれこれ喋りながら、桜を鑑賞しながら秋月を散策する。
桜と同時に楽しめるのが、春の草花。
立ち並ぶ商店、その脇にはプランターが置かれ、
パンジーにビオラ、アネモネなんかがたくさん植えられている。
黒門をくぐって、垂裕神社(すいようじんじゃ)あたりまで来ると、
スミレにホトケノザ,カラスノエンドウ,ハコベラ,タツナミソウ,etc・・・、
今度は野の花を楽しむことができる。
桜や草花を楽しんだあとは、露店でグルメ!
・・・と行きたいところだけど、あまり腹が減っていない。
それに息子もあまりこういうのをねだらない。
前回ここに来た時に息子が「うまいやん!」と感激していた、箸巻きを買って食べることに。
地域によってはナニソレ?ってなるかもしれないので、箸巻きのことを説明すると、
割箸に粗末なお好み焼きのようなものが巻かれただけのジャンクフード。
とあるみやげもの屋にあった灯篭の屋根、ステキなコケとヤドリギでいっぱいだった。
わざと掃除せずに、こんなふうに苔生さしたのだろうな。
自分はチーズを、息子はベーコンを購入。
一本、500円也。
こういうとこの露店はやっぱり高いや。
500円つったら、広島で直径20cmのお好み焼きが一枚食えるわ。
そば入り豚入りで。
その後はソフトクリーム。
息子は北海道メロン。
観光地じゃ、ご当地アイスを食えっての。
てなわけで、ここらご当地といえば・・・柿かな?
しかし柿なんてシーズンオフだし、何よりもソフトクリームで柿ってあるかいな?
けっきょく秋月らしいメニューはなく、自分は桜餅を注文。
桜餅味のソフトクリームなんて珍しいやん?
食べてみたら、まずくはないのだが、アイスの中に含まれていたもち米が、まあ邪魔だった。
息子の北海道メロン、正解。
前日に新元号が発表されたばかり。
発泡スチロールのフタや段ボールにそれを書いて置いてある店が多いなか、
早くもそれをきちんと額に入れて、小渕さんの平成と並べて展示している店も。
それにしても明朝体はないだろう。
箸巻きとソフトクリームを堪能して秋月を後にする。
おみやげも忘れずに。
秋月に来たので、名物くずもちを。
秋月は葛粉が有名。
くずきりやくずもち、くず湯はもちろん、
最近はくずうどんや、くずそうめんなど、麺類が人気なよう。
そうめんは一度食べたが、あれは確かに美味かった。
ちょっと興味あったが、すんごい狭い場所だったのでやめた。
もっと広くって、ガンガン投げられる場所だったらやったかも。
的にアル中クソ親父の顔写真貼って。
路地で足取りのおぼつかない老人を発見。
壁に寄り掛かって前のめりになったので、これはいけない!と心配になって注視するも、
何事もなかったかのように排尿。
前のめりになったのは、単にぽこちん出すためだけだったようだ。
地元のジジイかな?
公衆便所あるんだから、そこでやれよと。
今年は息子とゆっくり桜を楽しめて良かった。
つくしを見つけてはしゃいだりと、まだまだかわいいところもあり、
そんな息子と一緒に散策できて嬉しかったのだが、
来年はとうとう高校生。
高校生といえば部活に勉強に趣味に恋愛に、色々と充実してやることも増える。
家族が少し疎ましく感じてしまう時期でもある。
いよいよ一緒に歩く時間もなくなってしまうかな・・・?
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