はぐれ雲

毎日世界のどこかや身の回りで起きることを自分のことばで書いていきます。かなり過激な場合もありますがいつも本音です。

初恋の人

2022-02-04 14:58:42 | 日記
浦和の高校に在籍時、化学を二年間教わったのはS先生だが
うちらが卒業したら先生は化 学者になりたいので大学院へ行くという
ことでうちらの卒業後は高校を辞めてしまわれた。わたし18のとき。

スポーツマンで、ちょっとカールのある髪がふわっと風になびいいて大柄で
こめかみに汗をかき男性としての色気みたいのもあってえも言われなかった。
様々な実験を魔法使いのようにわれわれに教えてくださり、
何とか先生に認めてもらいたいものだ。と必死になって勉強をした。
化学記号はみんながみんな「暗記」した。熱かった同級生。

女子高だったのでライバルだらけ。みな先生の講義をきくと
学問の世界へ引き込まれるだの、渦に引き込まれるようだと言った。
血液型の実験もしたものだ。指紋の検出もした。
これらは教科書には載っていない実験だった。

みんなS先生の覚えが目でたくあれかしと100点を取ろうとがんばった。
でもなかなか百点はとれなかった。がんばっても90点台だった。
がっかり。100点取れる旧友がうらやましかった。

卒業の日、「あなたが一番きれいになったんじゃないかな」と言われた。
ドブスでデブだったのに。みんなの前でサラリと言った。
「ちょっとやせたね」くらいの口調だったからみなも気にしなかった。

ちがうんです。ちがうんです。わたしはわたしは先生に、先生にちょっとだけでも
認めてもらいたかったんです。そしたら少しやつれたんです。
泣きたい気もちだった。本当の恋心は伝えられなくって。でもみんなそう。

先生はどこかの国立で教授になったことを風の便りに聞いた。
わたしはやはり博士課程の学生の夫と結婚し4人の子どもをもうけた。

しかし、縁が無く10年で離婚。自分のわがままもあり、子供を全員ひきとって
看護師の合間に新聞配達や早朝のパン屋で働いた。2人保育園性。2人小学生だった。
幸い、生活保護を受けることもなく養育費もいただくこともなくカツカツでも
健康でのびのびとした子供に育ってくれた。
後に(夜勤なんかやって)ネグレクトだ。と言われたこともありひどく落ち込んだ。
いろいろあったがみな独立した大人になった。

15年前浅草の雷門でバッタリ先生と会った。白髪になってたがキラキラした眸
風貌はそのままで思わず「S先生ですか?」と声をかけた。
なんとなくわたしを覚えていたみたいで「愛子さん?」言われたと。
あ~流石先生覚えていてくださった。その日はメールだけ交換して帰宅した。

後日きいたところによると先生は12年前に奥様と死別されたそうだ。

それから時がたち結婚したが15歳上の夫とは趣味も生活様式も違うが
わたしの4人の子どもを我が子以上に可愛がってくれるし
子どもたちもとても尊敬している。

穏やかな人。ひねもすのたり今日は自分の話ばかりでごめんちゃいです。てへ。



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