映画と渓流釣り

梅雨のはしりに映画の話

 このところ、異常な忙しさで映画をまるで観てませんでしたから、かねてから行きたいと思っていた二本の作品を続けて鑑賞いたしました。

 一つは根岸吉太郎の『雪に願うこと』。北海道帯広で行なわれている、ばんえい競馬とかいう橇引き競走馬の厩舎を舞台にした、兄弟や男と女の愛の物語です。根岸監督の最近作はあまり触手が伸びずご無沙汰してましたが、日活ポルノの頃からファンでしたからこのお話には期待してました。監督の傑作といえば『遠雷』です。田舎を舞台にしているので匂いが同じではないかと思っていたのですが、あれほどドロドロいているわけではなく、乾いた淡白なタッチで綴られておりました。佐藤浩一とキョンキョンが渋くて、大人の色気が切なかった。

 もう一つ。『嫌われ松子の一生』。中島監督のケレン味ある演出に対しては、好き嫌いがあるでしょうが、前作『下妻物語』など消し飛ぶほどの傑作になりました。中島監督、怖いですね。これからどんな映画を撮っていくのでしょう?才能が溢れこぼれ落ちています。得てして、こういうタイプの監督は短命になりがちなので、ノッテイル今こそ沢山の作品を残して欲しい物です。この作品はミュージカルであるし、フェリーニのエッセイ風モザイク映画でもあります。日本人でこの手の作風を上手く処理できた人を知りませんので、ただ単に感服いたしました。わたくしもかつて学生映画を8mmフィルムで撮ったりしてましたから、こんな映画を商業ベースで作品にしてしまう事の難しさがチョッピリ分かるつもりです。
中谷美紀が女優の本領を発揮してました。

 今日は朝から雨模様。梅雨が貴方の所にも雨を運んできてますか?
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