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→♂♀←_no.10_2011:雲の果て

2011-07-07 23:29:41 | 今月のお薦め_XX.20XX
雲の果て村山由佳 集英社
私が著者に惹かれるのは、鋭い感性とその感性のままに綴られていく、
直線的な文章を提供してくれるからです。

感性の鋭さを研ぎ澄まされたナイフとすれば、ナイフを苦もなく扱う料理人が
作者に他ならない。この料理人から提供される料理というのはありふれた食材を使うため、
知っている味である。しかし、おいしさは格別。
(天才すし職人の包丁さばきによるにぎりといったところか)

雲の果てでは、例えば、アボリジニの人たちについてである。
先に書いたように、食材も調理方法も明らかなので、新しい考え方を読み手に提供することはない。
でも、心を少なからず抉ってくる、それがムラヤマユカである。

何はともあれ、雲の果てを読みながら感じたことを、記していくことに。

とりあえず、今回の「大きな場面転換は良しとしましょう」で読み進める。
新たな舞台にショーリ以外のメンバー、今後、どのように絡むのだろうってなことを
考えながら、(いくらなんでも、場面移行した巻で合流、帰還することもないだろうから、
かれんや丈が直接登場しない)ショーリの物語を気楽に読む。

でも、主要でない星野りつ子が、どうしてる・どうするだろうか、と考えるのは害はないはず。
好きになった人をあきらめるタイミングは結果論なので、ショーリ対する気持ちの設定は、
作者にお任せであるものの、まだ、完全にあきらめきれない以上のオモイがある体で想像すれば、
関東近辺から、いなくなったショーリを追いかけないわけがない。
恋人であるかれんより、片思い宣言済みのりつ子のが、むしろ行動を起こしやすいだろう、
そのような、どうしてる・どうするだろうかである。そしたら、巻の終盤にショーリが
りつ子という人物を連想する箇所が出てきたから、これまでのキャラをおろそかにしないで、
新しい舞台で物語を展開していくだろうと思い込める。
実害のない想像が物語のこれまでとこれから繋がりを保証してくれた格好だ。

で、新メンバー、アレックスが日本語が多少出来る設定があったので、どう活かしていくのかなって。
そしたら、最後でその設定も早くも顔をのぞかせる。

で、あとがきを読むと
(ネタバレ注意報!?多少、行は下げます)


(下げました、抜粋です)
途中、ある施設を見学していた時、突然-ほんとうに突然-「おいコー」がこの先、
最後の最後に迎える場面が、頭の中のスクリーンにフラッシュみたいにまぶしく強烈に
映し出されて、(以上、抜粋でした)
だと!。反射的にウッドノート(小山田いく)の定かでない記憶に基づくラストの全員集合が
過ぎったが、凍える月のあとがきでペース早めるなどといったこともあわせて、
正式なラストスパート宣言か?

つまらぬ詮索ばかりしてしまうにもかかわらず、本をおもしろく読めたのは
雲の果てが一貫の極上にぎりだった証!?。
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