先日夕食に、とあるイタリアンのお店に行ったのだが、そのお店が
どうとかではなく、案内された小さな2人席のとなりの席のカップルの男の方
が俺と同じワイシャツを着ていて、それはもう、なんだかガッカリした。
白地に細い青いラインのワイシャツ。
「こいつも、ユニクロか…だろうな。」
彼女の方はにこにこ彼氏との会話を楽しみながらも、時々俺の方に
チラチラ目線をやり、男の方も肘を立てて髪を触る振りを繰り返しな
がらも俺の方に視線を遣ったりする…のがわかる。
ああ~向こうも俺と同じ嫌悪感を抱いてるんだろうなあ~と
思うこと事態、そのことが嫌な思いだ。
こっちがリラックスするのに腕を組もうとして、チラッと隣の男を見たら
もう既に腕を組んでいたのがわかったので、組む寸前に姿勢を変えて
背伸びして両腕を上げたりして、自分で馬鹿なことやってるな、なんて…
そりゃあユニクロでワイシャツを揃えれば、どこか道端で歩いてれば
同じ服を着た他人とはすれ違うことは必ずあるだろう。
その場合はどっちが先に気づくかで遠ざかったり、気にしなければ、
やり過ごしたりできる。
でもこの日の貴重な夕食のひとときの居心地の悪さといったらこの上ない。
う~ん。いっそのこと、
「あれ、もしかして俺と同じユニクロですか?」
「はい。ユニクロです。あなたもですか。奇遇ですね。」
「どちらのユニクロですか。穂高ですか?平田ですか?」
「私は穂高なんです。住まいも近いので…」
「安いし、生地の品質も良いから、乾きの具合いも良くて、
アイロン掛けしやすいですね。」
「そうなんですよ。アイロン掛けしやすい。」
「お互い庶民的で平均的なサラリーマンですね~♪」
「良かったですね~。同じです。安心しました。」
そんな究極のコミュニケーションをどちらが仕掛けるか。
それはお互い一人だけで、ランチ時にどこかの
狭~い定食屋の相席で対面同士になった時にしよう。
次はあれだ。ポール・スミスかなんかでビシッと決めてやるか。