ゆゆの部屋

お暇なときにまったりと。

祇王寺その2

2006-06-15 10:25:20 | Weblog
時々

平家物語の巻頭に
「祇園精舎の鐘の音に、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢の如し。・・・」
と美しく書き出してあるが、更に読み進むと祇王・祇女のことが出てくる。
これは平家全盛の頃、平清盛と二人の女性の哀れな物語である。
 その頃、都に聞こえた白拍子の上手に祇王・祇女という姉妹があった。
近江の国野洲江辺庄の生まれ。
父九郎時定は、江辺庄の庄司であったが罪あって、北陸に流されたので、母と共に京都に出て、白拍子となり、のち姉の祇王が清盛の寵を得て、妹祇女も有名となり、安泰に暮らしていた。
ところが、ここに加賀の国の者で、仏御前と呼ばれる白拍子の上手が現れて清盛の西八条の館に行き、舞をお目にかけたいと申し出た。清盛は、
「神とも言え、仏とも言え、祇王があらんずるところへは叶うまじきぞ、とうとうまかり出よ。」
と門前払いをしたが、祇王が、やさしく取り成したので、呼び入れて今様を歌わせた。仏御前は、
「君を初めて見る折は、千代も歴ぬべし姫小松 御前の池なる亀岡に 鶴こそ群れいて遊ぶめれ。」
と3度歌ったが、声も節も頗る上手だったから、清盛はたちまち心を動かして仏御前に心を動かした。
昨日までの寵愛は何処へやら、祇王は館を追い出されることになった。
祇王二十一、祇女十九、母刀自四十五の三人、髪を剃って尼となり、嵯峨の山里、今の祇王寺の地に世を捨て、仏門にはいったのである。
             (「祇王寺パンフレットより引用)