ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

キングスマン:ゴールデン・サークル

2019年05月03日 | 激辛こきおろし篇

元スーパー・モデル、クラウディア・シファーとの間に3人目の子供が産まれ、英国の由緒正しい歴史的建造物も大枚をはたいて購入、しかも、なっなんと自身貴族の末裔であることがDNA検査で判明したという、公私共に絶好調のマシュー・ヴォーンだ。

惨殺シーンのオン・パレードでスポンサーが付かず半ば自主制作で発表した『キック・アス』そして前作『キングスマン』は、確かに斬新なアクションと独特のイングリッシュ・ブラック・ユーモアで大いに楽しませてもらったが、続編となる本作の出来は?。はっきり言ってつまらないのである。

前作でてっきり死んだと思っていたハリー(コリン・ファース)が生きていたというのはお約束として、労働階級出身のあんちゃんエグジーがすっかり紳士面を気取って今回も大活躍、前作にも登場した(シファー似の)やり○ン王妃と逆玉婚で結ばれるという(小室K君もびっくりの)ご都合主義なシナリオに首をかしげた方も多かったのではないだろうか。

しかもきわめつけは、エルトン・ジョンがご本人役で友情出演。FU○Kを連呼しながら悪党相手に飛び蹴りをくらわすサービスカットまで用意されている。せめてモーホーネタで笑わせてほしかったところだが、オースティン・パワーズ・“マツコ”・デラックスばりの衣装がとにかく映像から浮きまくっているだけなのだ。

カメラ位置を自在に操るマルチアングル・アクションこそ健在だったが、得意のシーンとシーンのつなぎもお粗末で、冗長なシーンが多すぎるため映画にテンポがまったく生まれてこない。今回キングスマンが協力を仰ぐアメリカ諜報員の名前がウィスキーとテキーラって、“太陽にほえろ”じゃないっつうの。

それもこれもマシュー・ヴォーンの幸せボケが原因のような気がしてならないのだ。人間富と名声を手に入れると大抵の場合守りにはいるものだが、『キック・アス』と『キングスマン』で見せた凄まじいばかりの攻撃性を、残念ながら本作の中に見いだすことはできなかった。愛妻シファーから離婚状でも叩きつけられない限り、このスランプ当分の間続く可能性ありますよ。これが本当の“ヴォーン・アエテシメタル”、なんつって。

キングスマン:ゴールデン・サークル
監督 マシュー・ボーン(2017年)
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