そもそも何故この世界が滅ぼされなければならなかったかというと、エスカトンの仕事がクリーガンに侵食された世界を滅ぼすことだったから、なんですね。クリーガンは世界を侵食し、可能なら他の世界にもその勢力を拡大しようとします。マスターとしては、こんな存在を許しておくわけにはいきません。この世界もMight and Magic VI の時代から延々とクリーガンと戦い続けてきましたが、なかなかこれを排除できなかった。そこで業を煮やしたマスターによってエスカトンが送り込まれ、他に被害が及ぶ前に、世界ごと滅ぼしてしまおうというわけなのです。
ただし、クリーガンとの争いについては、Might and Magic VII において決着がつき、既に排除されています。つまり、この世界が滅ぼされなければならない理由は、もう存在しないわけですね。
エスカトンは案外話のわかる人物だったようで、クリーガンの脅威は既に去っていることを指摘すると、確かに世界を破壊する必要はもうないということは認めてくれました。しかし、一度発せられたマスターの命令はエスカトンにとっては絶対のものですので、マスターの意に反することはできないようです。破滅を招いた張本人であるエスカトンですから、破滅を止める方法ももちろん心得ているのですが、積極的に破滅を回避する行動を取るわけにはいかないというのです。
世界を破滅させるためにエスカトンが為さねばならぬことは既に終了しており、後はその時を待つだけです。心情的には破滅を止めてやりたいけど、マスターの命令に背くことはできない。そのジレンマの狭間でエスカトンが選んだのは、パーティーに破滅を回避するためのヒントを与えるというものでした。