雑居空間
趣味のあれこれを、やたらめったらフットスタンプ




 11月下旬の勤労感謝の日に有休休暇を絡めて4連休にして、2泊3日の佐賀旅行へ行ってきました。
 旅の主目的は城跡巡り。まず最初のターゲットは、佐賀県唐津市にある名護屋城です。



 名護屋城は豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に築かれた、日本側の前線基地。佐賀県北西部に突き出した東松浦半島の先っぽの方にあります。
 名護屋城の周辺には諸大名の陣跡なども残されていて、この辺り一帯は一つの大規模な遺構群となっています。

 朝鮮出兵に際しては全国各地の大名が集結しており、天下普請に近い形で築城されたため、工期は8か月ほどだったのですが、かなり大規模な城郭となっています。
 しかし、秀吉の死によって、秀吉以外は誰も望んでいなかった朝鮮出兵は終了。役目を終えた名護屋城も廃城となったようです。
 ただ、有力大名が集結していたので、この地は瞬間的に結構栄えたみたいですね。同時に政治の中心地ともなりました。



 名護屋城へはアクセスがちょっと面倒で、唐津駅近くのバスステーションからまず呼子へ移動し、そこからバスを乗り換えて名護屋城博物館入口まで移動しました。時間によっては直通バスもあるんですけどね。



 バス停の辺りから。右に見える丘の上に名古屋城跡はあります。
 本当は城跡の前に博物館に寄るつもりだったのですが、城跡の入り口の方が手前にあったので、結局先に城跡へ行ってしまいました。でも、移動時間の都合で着いたのが2時過ぎくらいだったので、陽が傾き始める前に城跡を回ったのは正解だったかもしれません。
 なお、名護屋城博物館では、VR名護屋城を利用できるタブレットの貸し出しも行っています。

 名古屋城跡自体は無料で入れるのですが、歴史遺産維持協力金という名目で、入り口にある観光案内所で100円を支払います。一応任意ではありますが、こういう遺構はなるべく状態の良い形で後世に残していきたいので、ちゃんと払いましょう。



 デカい。
 これが名護屋城の第一印象でした。
 目の前にあるのは三の丸の南の角の石垣なんですけど、想像していたよりもかなり大きくて驚きました。



 人が映っている写真を見れば、どれくらいのサイズなのかわかるかと思います。



 石垣の横を通っていくと、東出丸に出ます。





 東出丸から折り返すと、入り口にあった石垣の上にある、三ノ丸へ。







 三ノ丸には井戸跡もあります。
 名古屋城内には多くの井戸が掘られたのですが、この三ノ丸井戸が最も高い位置にあるため、現在は埋められていますが、当時はかなり深いものだったと考えられています。

 三ノ丸からまっすぐ本丸に上がるルートや、裏手にある水手口方面へ行くルートもあるのですが、まずは本丸の周囲をぐるっと回っていきます。



 三ノ丸の西側にある櫓台。



 なんか微妙な写真しか撮っていなかったのですが、櫓台の上から見えるのは「城のかげ溜池」です。
 


 三ノ丸と二ノ丸の間は、馬場で繋がれています。右手の石垣の上が本丸になります。



 馬場から本丸を見上げて。
 なんか、これくらいの傾斜ならよじ登れそうですね。



 馬場の途中には馬場櫓台が設けられています。



 馬場櫓台の上から。



 馬場を通り抜けると二ノ丸に出ます。



 ここには武器屋食料の倉庫があったようですが、今は大きな広場があるのみです。



 ここから北へ向かうと本丸の北を守る遊撃丸。反対側へ行くと、西側の出口を守る弾正丸と、搦手口となります。
 まずは弾正丸へ。



 弾正丸は二ノ丸から一段高くなっています。
 ここは浅野弾正長政が居住していたので、弾正丸と呼ばれているそうです。



 その西側にあるのが搦手口。虎口になっており、道はずっと下っていきます。



 搦手口の一番下から上を見上げて。
 ここから先は城跡の外になっちゃうので、また二ノ丸方面へ戻っていきます。



 右手の一段高くなっているところが本丸です。





 二ノ丸から本丸を見上げて。

 名護屋城ってアクセスがあんまり良くなかったから人もそれほど多くないかと思っていたのですが、そこは流石に日本100名城。この日も結構多くの人が訪れていました。なもんで、本丸を見上げて写真を撮ろうとすると、かなり高い確率で本丸から下を見下ろす人が写っちゃうんですよね。





 そのまま先へ進み、本丸の北側にあるのが遊撃丸です。
 一度目の派兵である文禄の役の戦線が膠着したころ、明からの講和使節としてやってきた遊撃将軍の沈惟敬が宿泊したことからこの呼び名がつけられました。
 なお、沈惟敬は講和の使者ではあったのですが、小西行長と結託して、日明双方に「相手が降伏した」という嘘の報告をしてしまいます。まあ、なんとか停戦させたいがための嘘だったとは思うのですが、当然、その後の日明間のやり取りで嘘が発覚してしまいます。結果、沈惟敬は処刑されてしまうのでありました。



 二ノ丸の北側には石垣が並んでいます。



 遊撃丸の北側をとって水出曲輪方面へ向かいます。
 左側の高くなっている所が遊撃丸。お墓があったので誰のだろうと思ったら、どうも一般の人のお墓らしいです。だから、ガイドマップにも記載されていません。なんでこんなところにあるんだろう?



 城跡の北東部にあるのが水手曲輪です。





 あちこちに井戸を掘ったというのは三ノ丸の所でも書きましたが、名護屋城は水の入手に結構苦労したようです。
 この水手曲輪に掘られた井戸は、貯水を目的としたものだそうです。



 水手曲輪を通り過ぎると、三ノ丸からぐるりと本丸の周りを一周したことになります。
 ここから本丸に登っていくこともできるのですが、一旦三ノ丸に戻り、正面っぽいところから本丸へ向かいます。





 と、いうわけで、三ノ丸から本丸へ。





 緩い階段を登っていくと、だだっ広い本丸に出ます。



 中央に立っているのは「名護屋城址」の碑。文字は東郷平八郎によるものです。



 本丸の北の角には天守台があります。





 本丸からは周囲の景色がよく見えます。特に北側の玄界灘の風景は良いですね。



 本丸から遊撃丸を見下ろして。



 こちらは二ノ丸。



 こっちは弾正丸。



 本丸にあった多聞櫓の跡です。



 そのすぐ隣には、本丸南西隅櫓跡があります。



 その南側に本丸新石垣櫓台跡があります。



 新石垣櫓台跡から、南西方向を眺めて。
 下の方に見える台は、馬場にあった馬場櫓台です。





 城跡内は一通り見終わったので、また溜池まで下りてきました。



 溜池の反対側へ。
 普通に入ってきたところから行った方が近いのですが、溜池を回り込んで博物館の方へ向かいます。



 この辺りはプチ山登り気分です。



 妙に複雑な案内板。



 道路の上の通路を通り、名護屋城博物館へ。ここは無料で見学することができます。
 名前こそ「名護城博物館」ですが、ここの常設展は「日本列島と朝鮮半島との交流史」と題して、名護屋城が機能していた時代だけでなく古代から近現代までの、日本と朝鮮との関わりについて展示されています。
 それなりに面白かったんですけど、展示内容というか、説明文が朝鮮贔屓過ぎる気はしました。

 また、名護屋城博物館で日本100名城スタンプを押すことができます。
 ただ、実はこの佐賀旅行のとき、いつもスタンプを押している日本100名城と、続日本100名城のガイドブックを忘れてきちゃったんですよねー。そんなわけで、名護屋城のスタンプは押せずじまいとなってしまいました。
 まあ、別にスタンプをコンプリートしてもらえる記念品みたいなものはいらないんだけど、やっぱり若干の気持ち悪さはありますね。



 唐津駅へ戻るバスの時間まで少し余裕があったので、近くで何か見られそうなものが無いかと思ったら、前田利家と小西行長の陣跡がすぐ近くにあるようです。





 ただ、どうもこの山の上みたいなんですよね。なので、今回はやめておきました。



 あと、これは博物館近くの道の駅ですけど、ゾンビランドサガのデジタルスタンプラリーをやっていました。たえちゃんかわいい。



 名護屋城がデカいというのは知識としては持っていたんですけど、実際に見てみると想像よりずっとデカかったですね。さすがは太閤秀吉。すごいですわ。

 ただ、城跡だけじゃなくて名護屋城周辺にある陣跡まで見ようと思ったら、もっと時間が必要ですね。今回はスケジュールの都合で2時間ちょっとしか時間を取れなかったのですが、最低でも1日たっぷり取りたかったところですね。
 あと、陣跡は結構広い範囲に分布しているので、できれば公共交通機関だけじゃなくて、車も使う方が良いかとも思います。

 100名城スタンプを押せなかったということもありますけど、可能ならもっと時間を確保して再訪したくはあるんですけどねぇ。一度行っているから他の城跡よりも訪問優先順位は下げざるを得ないし、立地的にも何かのついでで訪れることも難しそう。はたして、またのご縁が、ありや、なしや……。


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