社会思想社刊、イアン・リビングストン著のゲームブック「盗賊都市」をプレイ開始。
以下、猛烈な勢いでネタばれしてますのでご注意ください。
<現在の状況>
技術(9):7
体力(22):14
運(11):11
食料:2
金貨:37
宝石:0
装備:精神操縦薬、銀のフルート、チョーク、眼帯、黒真珠×6
あたし、レイン・デシンセイ。19歳。か弱い女の子兼、凄腕の剣士やってます。
シルバートンにしのびよるザンバー・ボーンの魔の手を何とかするために、悪名高き『盗賊都市』、ポート・ブラックサンドに住む魔術師ニコデモスさんを呼びにいってくるという依頼を、市長のオウエンさんから受けました。
いいことあったり、なかったり。なかなか思うようにはいかないものです。それでもなんでも進んでいかねばなりません。
ザンバー・ボーンよ待っていろ。正義の鉄槌を下してやる! ついでにアズールにもね。
<港通り>を北上すると、分かれ道に出ました。<港通り>はそのまま北に伸びていますが、東には<木靴通り>が伸びています。ま、とりあえず東に行ってみましょうか。
ちょっと細めのその通りを歩いていると、石畳の上にうつぶせに横たわって、なにやらうめいている人が。その脇には木のたがと杖が転がっています。
子供、みたいに見えるけど、頭巾を被っているので顔はよくわからない。
……これ、怪しいのよ。あたしの怪しいものセンサーはびんびん反応している。でも、とりあえず助けるしかないじゃない。
あたしが近づいていって手を貸そうとすると、その人は急に起き上がり、短剣を手にあたしに向かってつきかかってきます。
ゴブリンだ!
あたしも剣を引き抜いて応戦。
ボカ、スカ。
ま、ゴブリン程度メじゃないけどね。あたしは一瞬で片付けて、さっそくゴブリンの懐を探ります。出てきたのは金貨2枚、ニンニク、それからなんか古そうな骨。盗賊ゴブリンの持ち物なんて、こんなもんか。
さらに通りを東へ。
すると左側にろうそく屋がありました。いままで店で買い物なんて、黄金の花を買ったくらいなモノで(それでさえ、食料での購入だし)、あんまりいい思い出がないのよね。でも今はちょっと金貨に余裕があります。ここはリッチに買い物としゃれこもうかしら。ろうそく屋だけど。
店の中にいたのはエルフのろうそく職人。その人がこちらを振り向いたんだけど、妙に鋭い目つきでなんだか怖い感じ。なんだよぅ、あたしは客だぞぅ。
色つきろうそくは1本あたり金貨1枚。まあ、せっかくなんでドドメ色のろうそくを1本貰おうかしらん。
で、彼はさらに、奥にある魔法のろうそくも見ていかないかといってきます。
魔法のろうそく? 見る、見る!
あたしは奥の部屋へと案内されていきました。そこは幻想的な紫色のろうそくが灯っています。
はぁ、キレイ……。
その灯りに導かれ、あたしはまるで別世界を旅しているようでした。この世のものとは思えない、絵にも描けない美しさ。桃源郷とはこのことかしら。
あたしはエルフに礼を言って、店を後にしました。なんだかザックが軽くなったような気もするけど、あのろうそくの光に比べればたいした問題じゃないわよね。
さらにさらに通りを東へ。
通りの左側に、今度は「ベン・ボリマン、銀細工指」という看板のかかったお店が。お、今度はシルバーですか。やっぱりろうそくよりも、銀細工よねぇ。
店に入ると、白いエプロンをした人が銀のゴブレットを磨いていました。
あの~って声をかけたところで、そうでした、そうでした、ザンバー・ボーンを倒すために、銀の矢が必要だったことを思い出しました。
おずおずと尋ねてみると、銀の矢は金貨10枚か魔法の品2つで作ってくれるそうです。あたしの手持ちを見てみると、いくつか持ち物はあるけど、魔法の品はないみたい。ま、金貨10枚くらい、今のあたしには余裕で支払えるんだけどね。
あたしが金貨を支払うと、その人は銀の矢を作る作業に入りました。
じっと待つこと数刻。ようやく銀の矢は完成しました。彼曰く、絶対的を外さないシロモノだそうで、ザンバー・ボーン用アイテムなのがもったいないくらいです。
これで打倒ザンバー・ボーンに一歩近づきました。あたしは銀細工師に御礼を言って、先を急ぎます。
ここでまたまた四つ辻にでました。東へは<鍛冶屋通り>、北へは<塔通り>が伸びています。四つ辻なのに行き先が限定されるのはここの仕様かしらん。
<塔通り>って、ザンバー・ボーンの塔に続いていたりしないのかな? だとすると、行くのはちと早いよね。
そんなわけで、あたしは東の<鍛冶屋通り>へ。そういえば、ここまでずっと右手法で歩いてきたのか。意識してなかったけど。
そんなこんなで<鍛冶屋通り>を進んでいくと、いきなり目の前に小柄な老人が飛び出してきました。
何事かとついつい身構えちゃいましたけど、別に危害を加えるつもりはなさそうな感じ。
じゃん、と、その人が取り出したのは小さな小瓶。なんでもそれは元気回復の妙薬で、金貨2枚で飲ませてくれるそうです。
う、うさんくせー!
あきらかにうさんくさい。でも、でも……、好奇心が抑えられない……。
あたしは財布から金貨を取り出すとその老人に渡し、妙薬とやらをごくごく飲みます。
ぷはー。
ん? なんだか身体が楽になったような……。疲れも取れていくみたいです。
あ、これ、本当に元気回復薬だったんだ。疑ったりして、ごめんね。
あたしは気分も新たに、通りを東へと進むのでありました。
とことこ歩いていると、道の真中に大きなマンホールが。
いや、入りますよ。結局は入るんですけどね。あの、ニコデマスが住んでいる辺りにナマズ川ってあったじゃないですか。あの川、ものすごく臭かったんですよ。それがマンホールの中といったら、どれほど酷いことになると思います?
……、いや、結局入るんですけどね。
マンホールの蓋を開けると、中からは鼻が曲がるようなものすごい臭いが……。ほら、ほらぁ!
それでもなんでも下りていかないと……。あたしははしごを伝って穴の中へと潜ってきます。
はしごを下りきってみると、そこは案の定下水道。ご丁寧に松明で灯りがついているのはどういうことなんでしょうか。コストの無駄のような気がするけど、ま、あたしにとっては好都合なんだけどね。
この下水は南北に伸びているようです。えーと、南に行こうかな。
しばらく進むと、下水の先で何か引っかくような物音がします。目を凝らしてみると、松明に照らされた巨大なシルエットがこっちに向かってきます。
! 巨大ムカデだ!
ガキン、ガキン!
巨大な体躯に硬いからだ。こいつ、強い!
何度も壁に叩きつけられながら、ラッキーヒットもありながらどうにかこうにかムカデを撃退。うひー、しんどいわぁ。
しかしムカデから戦利品なんて期待できるはずもなく、まさしく骨折り損のくたびれ儲けってヤツですよ。トホホ……。
先に進むと、下水道は鉄格子で終わっていました。鉄格子を外そうとガチャガチャやってみましたが、ガッチリはまっていて外れそうにありません。
と、上の方にレンガが幾つか外れているくぼみがありました。ここまできて収穫がないのも癪なので手を突っ込んでみると、中から鏡を発見しました。
こんなのでも、何もないよりましかな。
今度はマンホールを北の方へ行ってみることにしましょうか。すると現れたのはネズミが3匹。
下水道にネズミ。こういうの、わかりやすくていいわぁ。
ボカ、スカ。
ネズミ程度は軽く撃退ですよ(引っかき傷を隠しながら)。
まあそれはいいんですけど、戦闘中に何かが北の方の暗闇に隠れたような気がしたんだよね……。そいつに注意しながら、あたしは慎重に北へと進んでいきます。
下水道は徐々に東の方角へと曲がっていきます。一歩、二歩。ぬるぬる滑る床に注意しながら歩いていくと、不意にキーッという叫び声が下水内に響きました。
何事? と思いきや、白髪の魔女が両手をバカみたいに振り回しながら、引きつったような表情でなにやら呪文を唱えながらこちらに向かってくるじゃないですか!
あたしはガサゴソとザックを漁り、精神操縦薬を飲み干します。するとあたしには魔女の呪文が聞こえなくなってしまいます。えーと、これはいいことなの?
理屈はよくわからないんですけど、どうやら薬の効果のおかげであたしには魔女の呪文が効かないみたいです。魔女は慌てていますけど、もう無力なただのおばあちゃんです。
と、そういえばザンバー・ボーンを倒すために必要な品物の中に、魔女の髪の毛があったっけ。ちょうどいいから頂いちゃおう。
髪は女の命と言うし、あたしも女として同情は禁じえないんだけど、魔女の髪の毛をむんずと掴み、ブチッと一房切り取ります。魔女はなおもじたばたと暴れますが、いいかげんうっとうしくなってきたあたしはドンと魔女を下水に突き飛ばします。
下水でのた打ち回っている魔女は無視して、あたしはようやくこの臭いマンホールを後にしたのでありました。なんかもう、鼻がバカになってよくわかんないっす。
(つづく)
<現在の状況>
技術(9):7
体力(22):5
運(11):10
食料:2
金貨:21
宝石:0
装備:銀のフルート、眼帯、黒真珠×6、ニンニク、ドドメ色のろうそく、銀の矢、鏡、魔女の髪
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