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 スーパーファミコンのリコエイションゲーム「三國志英傑伝」(光栄)をプレイしました。リコエイションゲームは光栄オリジナルのジャンルで、「三國志」や「信長の野望」などの一般的な戦略シミュレーション以外のゲームをまとめてリコエイションゲームと呼んでいます。その内容は割と幅広くて、モノによって様々なんですけど、本作は要するにシミュレーションRPG です。







はじめに


 多くの方々の支持を受けてきたシミュレーションゲーム『三國志』シリーズが、生まれ変わりました。その名も『三國志英傑伝』。『三國志演義』に登場する、数々の武将の物語を再現したリコエイションゲームです。リコエイションゲームは、シミュレーションゲームとロールプレイングゲームの要素を、独自の方法で融合したゲームジャンルです。『三國志』の戦術を駆使するシミュレーションゲームの醍醐味と、武将の成長を楽しむロールプレイングゲームの面白さ。この2つをマッチングした、新しい『三國志』として楽しんでいただけると思います。
 今回は、『三國志演義』の主人公の1人、劉備にスポットを当てました。劉備は、漢王朝の復興を旗印に、蜀漢を建国した人物です。あなたは劉備となって、漢王朝の復興を成し遂げてください。
 董卓の討伐に始まり、曹操や孫権との駆け引きや、魅力あふれる名将との出会い、そして、様々なドラマが待ち受けています。
 さあ、舞台は整いました。『三國志英傑伝』の世界で、存分に活躍してください。


「三國志英傑伝」取扱説明書より





 本作は三國志演義を原作に、劉備を主人公としたシミュレーションRPGです。蜀漢建国書というサブタイトルが付いていることからわかるように、序章の董卓打倒から始まって、蜀漢を建国するまでの道のりを描いています。

 ゲームは町で買い物したり、人に会って話を進めたりする情報収集モードと、実際に敵と戦う戦争モードを交互に繰り返しながら話が進んでいきます。



 マップ画面はこんな感じ。城と、それを結んでいる街道とで構成されています。
 現在劉備が支配している城や、同盟を結んでいる武将が支配している城へ行くことができます。



 城の中には様々な建物が建てられています。
 軍議を開く評定所、屋敷、武器・防具の店、道具屋、人々が集まる集会所や酒場などなど。ここで情報収集したり、装備を拡充したりします。場合によっては、在野の人材が仲間になることもあります。

 ただ、どんな建物があるのかは城によってさまざまで、大きな城ならいろんな施設が集まっていますが、小さな城では店がいくつか欠けていたりします。
 また注意が必要なのは、城によって店の品ぞろえが違うことです。欲しいものがあるけど金が足りないので保留していたら、戦況が変わってその城に行くことができなくなり、買えず仕舞いで終わってしまうこともよくあるんですよね。このゲーム、割とずっと金欠気味なので、購入物品の取捨選択は重要です。



 スクリーンショットを撮っていなかったので、これはだいぶ後の画面ですが、準備が整ったらいよいよ出陣。配下の武将の中から、出陣する武将を選択します。
 劉備は必ず出陣しますし、シナリオによっては強制的に出陣する武将も存在します。それ以外は基本的に強い武将から選んでいくのですが、様々な兵種があるので、バランスを見ながら選択することになります。



 戦闘開始時に、まずそのシナリオの勝利条件が表示されます。
 このシナリオは華雄を倒すことが勝利条件ですが、敵の全滅が勝利条件なことが多いです。他には、特定の武将が特定の場所まで移動する、なんていうものもあります。
 また、制限ターンが決められているので、それ以内に勝利しなくてはなりません。



 戦場に双方布陣したら戦闘開始。
 まずは劉備軍が全員行動し、終了したら敵軍が全員行動、この繰り返しで戦闘は行われます。



 移動していって、敵が攻撃範囲内に入ったら攻撃することができます。
 攻撃してダメージを与えることで敵の耐久力を減らし、耐久力が0になれば勝利。負けた方は戦闘から排除されます。
 攻撃したり、策略を使うたびに経験値が増え、経験値が一定値までたまるとレベルアップ。各種能力がアップしたり、新しいスキルを覚えたりします。

 また、策略を使用することもできます。
 策略には、敵にダメージを与える攻撃系、味方の耐久力を回復させたりする回復系、味方の能力値を上げたり敵の能力値を下げたりするバフ/デバフ系があります。
 どんな策略を使えるのかは、その武将の兵種によって決まり、レベルを上げることで少しずつ使用できる策略が増えていきます。



 特定の武将同士が戦闘をすると、一騎討ちが始まることがあります。三国志演義で因縁のある武将同士のことが多いですね。





 能力値が表示され、画面上では打ち合ったりセリフの応酬があったりするのですが、一騎討ちの結果は固定で、どちらからが必ず勝利し、負けた方は討ち取られたり、逃げ出したりします。大体は劉備軍の武将が勝つんですけどね。
 耐久力を削りきらなくても敵を倒せ、相応の経験値も入るので、一騎討ちの発生はありがたいイベントです。



 また、一騎討ちとは違うのですが、敵が仲間になってくれることもあります。ただし、このゲームに「話す」というコマンドは存在しないので、仲間になる場合でも1回は「攻撃」しないといけないんですけどね。



 兵種はたくさんあるのですが、基本になるのは歩兵隊、騎兵隊、弓兵隊の3つです。



 歩兵は突出した特性は持っていませんが、欠点の少ないバランス型。地味ではありますが、オールラウンドに活躍してくれます。
 ただし、歩兵、騎兵、弓兵は三すくみの関係になっていて、歩兵は弓兵に強いのですが、騎兵とは相性が悪くなっています。
 また、歩兵隊に準ずる兵種として、山岳地帯の機動力に優れる賊兵隊というのもあります。

 なお、劉備も歩兵なのですが、劉備だけ回復系の独自スキルを持っていて、回復担当ユニットとして大活躍してくれます。





 攻撃力、防御力、移動力と、単純なカタログスペックで言えば、騎兵が最強です。劉備軍で言えば関羽、張飛、趙雲といったあたりが騎兵なので、序盤は彼らに頼る部分が大きくなります。
 ただし、三すくみの関係で、歩兵は軽く蹂躙できますが、弓兵からは大きなダメージを受けてしまいます。なまじ移動力があって強いだけに、うっかりすると敵中で孤立してしまいがちでもあり、集中砲火を喰らわないよう注意しなくてはいけません。
 また、攻撃範囲が狭いという問題もあります。他のユニットは大体、自分の周囲縦横斜めの8マスに攻撃することができるのですが、騎兵隊は縦横に隣接した4マスにしか攻撃することができません。そのため、得意なはずの歩兵からでも、反撃することのできない斜め方向から耐久力を削られることもあります。
 もう一つ、移動力は高いのですが、悪路の走破性にも難があります。荒れ地や、なぜか兵糧庫や兵舎などでも移動力ががくんと落ちますし、林と山地に至っては侵入することさえできません。マップによっては、他のユニットが山や林を通ってガンガン進撃してくる中、騎兵だけ平地を大きく迂回しなくてはならないなんてこともあったりします。

 画像がありませんけど、もう一つの兵種・弓兵最大の長所は何と言ってもアウトレンジからの攻撃です。敵の射程外からなら、反撃を恐れずに攻撃することができます。
 また、高スペックな騎兵に対して相性が良いというのも重要で、敵の主力を抑え込むためにも、弓兵は欠かすことができません。
 ただし、カタログスペックは全体的に低め。そのため、相性がいいとは言っても騎兵と正面からぶつかって一方的にボコれるわけではありませんし、歩兵とやりあったらかなり危険です。重要な兵種ではあるのですが、運用には注意が必要です。
 それに、長距離攻撃ができる反面、隣接したユニットを攻撃することができないので、敵に張り付かれると反撃することができません。味方のユニットで壁を作り、その裏から攻撃するのが基本的な戦術となります。

 上記の兵種はアイテムを使用することでクラスアップをすることができます。歩兵隊なら短兵→長兵→戦車、騎兵隊なら軽騎兵→重騎兵→親衛隊、弓兵隊なら弓兵→連弩兵→発石車、賊兵隊なら山賊→凶賊→義賊、といった感じです。
 クラスアップをすると各能力が増え、使用できる策略も増えるのですが、武将のレベルが5下がるので、短期的には少し弱くなってしまいます。



 他には、回復系スキルの使い手である輸送隊、軍師系に多い妖術使い、バフ/デバフ系スキルが得意な軍楽隊、いまいち特徴を説明しずらい武道家、猛獣使い、異民族などの兵種があります。これらの部隊はクラスアップをすることはできません。
 また、アイテムを使用することで、異なる兵種に転職することも可能です。



 勝利条件を満たせば、その戦はこちらの勝利。生き残った武将にボーナス経験値が入り、次のお話へと進んでいきます。
 なお、戦闘中に倒された武将も、死んでしまうということはなく、次の戦闘にはまた普通に登場させることができます。



 戦闘が終わると、また情報収集モードに戻ってきます。
 事態が良くなったり、悪くなったり、味方の軍勢が攻められたり、新たな敵が現れたり。一戦終わっても、劉備に休息の時が訪れるのは、まだまだ先の話です。



 で、クリアしました。

 序盤は結構苦労しましたね。そもそも配下の武将が少なく、あまりレベルも高くないことに加え、劉備軍は敵軍と比べて基本、寡兵です。ゲームに慣れていないこともあり、勝てたとしてもやられる武将が多かったり、ギリギリの戦いが続きました。
 しかし、全体的な難易度はそれほど高くないと思います。ゲームが進むにつれて配下の武将が増え、強力な策略も使えるようになり、だんだん楽になっていきます。終盤はあんまり負ける気はしませんでしたね。
 ただ、配下の武将はたくさんいるのに、出陣できるのは7人~13人くらいで、どうしても数的不利を被ってしまうんですよね。もっとたくさん出陣させたかったんだけど……。その辺りは、ゲームバランスの都合だというのは十分理解できるんですけどね。戦略シミュレーションの方の三國志なら、終盤は国力が増して楽勝モードになっちゃうので、こちらの方が最後まで楽しめると言えば楽しめるのですが。

 シナリオの途中で退却すると、入手した経験値はそのままでシナリオ開始前に戻れるので、経験値稼ぎ的なこともできます。ただ、同じシナリオを何回もプレイするのは趣味じゃないので、意図的に経験値稼ぎをすることはほとんどやりませんでしたが、それでも普通にクリアまで行けました(普通に負けそうだったので退却したことは何回かありましたけど)。



 プレイしていて一番問題だと思ったのが、弓兵が少ないという点です。特に序盤。
 クリア後に攻略情報で確認したんですけど、このゲームは序章から四章まであるのですが、二章までに仲間になる弓兵の武将はたったの二人。しかも確実に仲間になるのは簡雍のみで、もう一人の関純は途中の分岐で仲間になる方のシナリオを選ばなくてはなりません。私はプレイ中は攻略情報を見ていなかったので、関純が仲間になるルートは選んでおらず、弓兵はかなり長いこと簡雍のみで戦わざるをえませんでした。しかも簡雍って、けして強い武将じゃないですしね。
 結局、三すくみの一角が極端に弱いので、戦術の幅がかなり狭まるんですよね。敵は歩兵、騎兵、弓兵とまんべんなく揃っているのに、こちらは弓兵が足りないので、なかなか有利な形を作ることができません。武将の相性を上手くずらして、いかに有利に戦いを運ぶのかがシミュレーションゲームの面白さではないかと思うのですが、これはシミュレーションゲームとしては割と問題だと思います。
 一応、入蜀したあたりからは、弓兵も割と豊富になってくるんですけどね。呉懿と李厳は最後までがんばってくれました。



 ストーリーは基本的には三国志演義をなぞっています。
 あくまでも劉備視点なので、劉備が絡まないイベントはさらっと流されます。官渡の戦いは客分として裏から眺めているだけですし(顔良や文醜を斬ったの関羽じゃね? っていう疑惑をかけられたりはします)、赤壁の戦いも諸葛亮を派遣するだけで終わりです。

 ただ、実は終盤の方ではオリジナル展開も待っています。



 最初に「アレ?」と思ったのは、入蜀したのに龐統が生き残ったところ。一応、落鳳坡シナリオもあったんですけどね。
 落鳳坡で敵の罠に嵌ったりしたのですが、そのときは戦闘で負けなければ死なないのかな、くらいにしか思っていなかったのですが……。



 げえっ、関羽!!



 なんと、張遼がおきあがり、仲間になりたそうにこちらを見ている。



 そして、死んだはずのあの男も……。

 そんな感じで、なかなかファンタスティックな展開が待っていました。まあ、原作通りにやっても、バッドエンドみたいな感じになっちゃうので、これくらいやっちゃってもいいかもしれませんけどね。
 ちなみに、一応原作通りに、夷陵の戦いで負けて終わるエンドもあるようです。明らかにバッドエンドですけど。



 シミュレーションRPG のプレイ経験はそんなにないんですけど、結構楽しめました。
 数少ないプレイ経験からしても、難易度はそれほど高くなかったと思います。三国志の知識があれば武将のことが大体わかっているので、話も分かりやすいですし、キャラゲー的に楽しむこともできますし。

 割と面白かったので他の作品もプレイしたいと思ったんですけど、コーエーの同系統のゲームである「英傑伝シリーズ」は、あまり数が出ていない上に、今プレイするのが難しいものが多いんですよね。やっぱり戦略シミュレーションほどには人気が出なかったんですかね。
 今手元にはゲームボーイアドバンス版の「三國志孔明伝」があるので、そっちもそのうちプレイしたいと思います。








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