有言実行三姉妹シュシュトリアンの24年越しの追っかけ視聴。1993年4月4日放送の第13話は「好き嫌いのあるゴミ箱」です。
結婚式に出席するため、そろって出かける英三郎と恵。三姉妹に夕食の支度を頼んで、いそいそと出かけていきます。
一方、三姉妹は庭に咲く桜を眺めながら、のんびりとお茶を飲んだり、お菓子を食べたりしています。BGM は「さくらさくら」。春ですなぁ。
そこへ、羽の生えた菓子折りが、ぽかぽかぽかぽかと飛んできます。そんな意味不明な外見でありながら、「フライドチキン男ね」と、一発で見抜いてしまう雪子はさすがですね。
桜の木に止まったところを花子に叩き落され、フライドチキン男が正体を現します。今回フライドチキン男がやってきたのは、桜咲くぽかぽか陽気に誘われて、3丁目の裏通りにポカポカお弁当屋さんを開店したことを伝えるため。そしてもう一つ、「好き嫌いのあるゴミ箱の好き嫌いをなくせ!」という、お酉様からの指令を伝えるためです。
公園の桜の木の下に設えられているゴミ箱。そこへ花見客がゴミを捨てていくのですが、そのごみをぺっと吐き出してしまうのです。
「最近のゴミ箱が贅沢になったってこと?」と、雪子が意味のよくわからない疑問を呈しますが、フライドチキン男はそれに賛同します。なぜなら、まだ食べ物が残っている弁当などを捨てると吐き出さないのに、空になったただのゴミを捨てたときだけ吐き出してしまうからなのです。
そんなゴミ箱に、有言実行三姉妹シュシュトリアン得意のお説教をかまして欲しいと言うフライドチキン男。「ゴミ箱に説教して通じるかしら?」という雪子のもっともな疑問に対して、フライドチキン男は「話せばわかるゴミ箱ですから」とテキトーな発言。ホントにそうなの? 話が通じるなら、別にシュシュトリアンでなくてもいいような。
そのまましれっと冷蔵庫のビールを飲もうとしたフライドチキン男ですが、用事が終わったならさっさと帰れと、三姉妹に叩き出されてしまいます。まあ、親がいないときにビールが減ってたらさすがにまずいでしょうしね。まあ、既に一杯分注いじゃっているんで、もう遅いかもしれませんけどね。
やむなく出動する三姉妹ですが、「三人で行くほどの事件じゃない」と、ジャンケンで負けた人が行くことになりました。で、負けたのは、一番幸薄そうな感じのする月子です。
月子は早速公園へ行き、ゴミ箱に話しかけます。
「あなたが好き嫌いのあるゴミ箱? なんでも食べなくちゃ病気になっちゃうわよ。ましてや、あなたはゴミ箱なんだから、どんなゴミも食べなくちゃ。病気になってもいいの?」
月子の言葉に、病気になった自分を想像して、ゴミ箱がガタガタ震え出します。 しかも、「病気になりたくない」と話までし出します。すごい! 本当に話せばわかるゴミ箱だった!
とつとつと、ゴミ箱が身の上話を語りだします。このゴミ箱は、本当は田舎の山桜の下に置いてあるゴミ箱だったのです。しかし、旅人が捨てていった週刊誌に、東京の花見の様子が掲載されていました。そこには、花見客が捨てたゴミでいっぱいになっているゴミ箱の写真が載っていたのですが、東京ではまだ食べ物の残ったゴミが多く捨てられているのに対して、田舎ではそんなゴミは皆無。ゴミ箱として生まれた以上、食べ残しのいっぱい出るゴミを捨てられたい。そんなわけで、このゴミ箱は東京まで出てきたと言うのです。
しかし、東京にも不景気の波が押し寄せ、食べ残しをゴミとして捨てるような花見客はほとんどいなくなってしまいました。前回が結構バブリーな雰囲気を残していたのでちょっと自信がなかったのですが、やっぱりこの頃はもう、バブルがはじけて景気後退気に入っていたんですね。
こんなことなら田舎に帰った方がいいというゴミ箱に、月子も賛同します。これで田舎に帰って、あっさりと一件落着かと思いきや……。
「その前に、あなたみたいなきれいな人を、一度ゴミ箱として拾ってみたかった」
などと、いきなり意味不明な発言。スカートをくわえるなどして、月子に襲い掛かります。シュシュトリアンに変身していないのでまともに戦うことはできませんでしたが、それでもゴミ箱をひっくり返すなどして、なんとか逃走に成功します。
その様子を、影からフライドチキン男がみつめています。あやしい。絶対何かたくらんでる。
帰宅した月子は、ゴミ箱のことを「変なヤツ」と言いながらも、「でも、かわいそう。田舎へ帰るんだって」と、ちょっと同情している様子です。
うーん、話のわかるゴミ箱だったのかもしれませんけど、そもそも東京に出てきたのも自分本位な理由だし、好き嫌いをするのも、月子に襲い掛かるのも自分勝手。個人的には、あんまり同情のする必要のないゴミ箱じゃないかと思いますけどね。
それはそれとして、月子がゴミ箱の対処に出かけている間、雪子と花子は恵から言いつかっていた夕食の支度に取り掛かっていました。何を作っているのかは「できるまで秘密」とか言っていますけど、雪子が作っているのはサラダ、花子はハンバーグあたりですかね。別に秘密にするほどのものでもないような。
月子は花子に頼まれ、買い物へと出かけていきます。
その頃、ゴミ箱は田舎へ帰るため、駅のホームにたたずんでいました。しかしその近くでは、ゴミ箱にゴミを吐き出された花見客が、復讐の為にゴミ箱を探してうろついています。やがてホームにいるゴミ箱に気付いた花見客は、ゴミ箱を取り囲むと、ロープでぐるぐる巻きに縛り上げ、いずこかへ運び去ってしまいました。
えーと、これは何かの犯罪に、……なるのかなぁ? 自意識があって、自立的に行動しているとはいえ、ゴミ箱だしなぁ。
縛られ、木に吊り下げられたゴミ箱は、花見客たちから殴る蹴るの暴行を受けます。これ、ゴミ箱だからちょっとおかしい絵面ですけど、やってることはかなり酷いですよね。まあ、確かにゴミ箱にも非はあるんですけど……。人間の姿をしていないと言うだけで、人はここまで酷いことをできるようになるものなのでしょうか。
やがて気が済んだのか、「二度と好き嫌いなんかするんじゃねえぞ!」と言い残し、花見客は去っていきました。あまりの仕打ちに泣き出すゴミ箱。うーん、自業自得な面もありますが、このリンチはさすがにやりすぎですね。
そこへ登場したのが、看護婦姿のフライドチキン男。吊られていたゴミ箱を解放すると、怪我の手当てをしていきます。
「あなたどっかで見たことある。そうだ、田舎の山桜の下にあるゴミ箱じゃない?」
ゴミ箱を助けた上に、同郷アピールをして、ゴミ箱に近づいていきます。
一緒に田舎へ帰ろうと言うゴミ箱に対して、その前に豪華なご馳走のある花見をしたいというフライドチキン男。すっかりほだされたゴミ箱は、治療のお礼にご馳走を用意する、と、いずこかへ向かっていきました。
ゴミ箱が向かった先は、先ほどゴミ箱をリンチしていた花見客。彼らはまた楽しそうに花見に興じていたのです。
花見客を襲撃してご馳走を強奪したゴミ箱は、意気揚々とフライドチキン男のもとへと戻っていきます。しかし、そこに出くわしたのは、買い物に出ていた月子。田舎へ帰ったはずのゴミ箱を見かけ、不思議に思い後を付けていきます。
大量のご馳走を見て大喜びのフライドチキン男ですが、この程度では彼の欲望は満たされないのでありました。「あなたってステキ!」とゴミ箱にキスまでしながら、「もっと豪華なご馳走が欲しいわ。日本料理ならお寿司が最高」と、さらにゴミ箱を焚きつけます。
ここで月子の超推理が炸裂。フライドチキン男は3丁目の裏通りにポカポカ弁当屋さんを開店した。ゴミ箱に料理を集めさせて、その料理をその店で出している? もしかして、田舎で週刊誌を捨てた旅人というのもフライドチキン男?
……いやまあ、多分当たっているんでしょうけど、その推理、ちょっと飛躍しすぎていない? それに、ポカポカ弁当の店先には、ざっと見ただけで50以上のメニューが書いてあるので、それを全部ゴミ箱に調達させるのは流石に無理があるのでは……。
もっと言えば、寿司はポカポカ弁当屋では出せませんよね。寿司は単に、フライドチキン男が今食いたかっただけのような気が……。
そんな風にご馳走をガツガツと要求するフライドチキン男の様子を見て、「大変!」と、雪子と花子を呼び出す月子。フライドチキン男の懇願に、さらにご馳走を集めに行こうとするゴミ箱ですが、その前にシュシュトリアンが立ちふさがります。
「古人曰く、『春眠暁を覚えず』」
その故事とゴミ箱と何の関係があるのかとツッコむフライドチキン男ですが、これはゴミ箱への言葉ではありません。ぽかぽか陽気に誘われてポカポカ弁当屋など開店せずに、いつまでも寝ていなさいという、フライドチキン男への言葉だったのです。
うーん、それもどうなんだろう? 商品の仕入れ方法に問題があっただけで、弁当屋を開店すること自体は別に悪いわけじゃないような。こうなってくると、どうせ碌なことをしないんだから、弁当屋に限らずフライドチキン男は何もするなと言っているようなもの……って、まあ、あながち間違ってもいないか。
フライドチキン男が正体を現し、自分が騙されていたことを知ったゴミ箱はショックを受けますが、それはさておき、シュシュトリアンとフライドチキン男との間でバトル開始です。
ステッキを振るって、意外にも互角の勝負を展開するフライドチキン男。花子と月子を転倒させてその上に座ったり、突然消えたかと思ったら木の上から現れたり、変幻自在な戦いぶりでシュシュトリアンを翻弄します。
そんな中、フライドチキン男に放り投げられた月子が、ゴミ箱の中へと飛び込んでしまいます。それによってゴミ箱は、月子が前に田舎へ帰ることを勧めてくれた少女であることに気がつきます。
それはさておき、シュシュトリアンとフライドチキン男のバトル再開。今度は一転してシュシュトリアンが攻勢に出ます。最後はシュシュファイナルのバリエーション技「シュシュクレーン」で、フライドチキン男を木の上に飛ばしてしまいます。
捨てゼリフを吐いて逃げ出したフライドチキン男ですが、これ、懲らしめたことになるのかなぁ?
「東京に来て、ひとつも良いことが無かったのは残念だったけど……」
雪子はゴミ箱を気遣った言葉をかけますが、ゴミ箱は「いいえ、ひとつだけ、良いことありました」と顔(?)を赤くします。きょとんとする雪子と花子に、月子は「あたしとゴミ箱の秘密」とだけ答えます。戦闘中のアクシデントとはいえ、月子を拾うことができたことが、ゴミ箱にとっては良い思い出となったのでありました。でも、月子もまんざらでもないような様子なのはなんでなんだろう?
一方、帰宅した英三郎と恵は、料理の途中で放り出されたキッチンを見て呆然。
「だからあの子たちに料理させるの嫌なのよ!」
「今日はなんか取っちゃおうか」
普段なら三姉妹が叱られておしまいになるパターンだと思うのですが、英三郎と恵の短いやり取りだけでおしまいです。尺が足りなかったんですかね。
[次回予告]
「シュシュトリアンの正体がわかりました。次回、お伝えいたします」
「何言ってんのよ」
「そんなこと、ねぇ」
「月子、花子、マジみたい」
「「えー?」」
次回、有言実行三姉妹シュシュトリアンは、「シュシュトリアンの父現る!?」。お楽しみに。
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