有言実行三姉妹シュシュトリアンの24年越しの追っかけ視聴。24年前の1993年3月28日に放映された第12話は「働く小学生のユーウツ」です。
なにやらショックを受け、呆然としながら歩く花子。一方楽しそうに、「仲間、仲間」と花子に絡んでくる、篠山、加納、荒木の三人。実は花子は漢字の書き取りテストの点が悪く、三人組と一緒に追試験を受けなくてはならなくなったのです。「将来ハーバードを出て、東大に編入して、ケンブリッジに留学する」と、あくまでも三人組とは違うと主張する花子ですが、まあテストの出来がイマイチだったのは間違いないようです。
本来割と優秀だったはずの花子がこんな点数を取ってしまったもの、すべてはシュシュトリアンの活動が忙しくて勉強をする時間を確保できなかったからなのです。しかし、忙しかった理由として思わず「シュシュ……」と言いかけますが、シュシュトリアンの正体がばれるとローストチキンにされてしまうため、そのことを言うことはできません。仕方がないので苦し紛れに、「金比羅船々 追い手に帆かけて シュラシュシュシュ」と踊りながらごまかしますが、いきなりの花子の奇行に、やはり三人組からは同類扱いされてしまいます。
そのまま4人で金比羅船々を歌い踊っていくわけですが、1番だけとはいえ、小学生なのによく知ってるなぁ。
ところ変わって、東京都庁近くの公園。濃いメイクに、けばけばしいカラーリングのスーツやミニスカに身を包んだ、見事なまでにバブルの名残りのようなファッションのOL3人組が、ベンチで話し込んでいます。しかしその内容は、昨晩ディスコで踊り明かしたとか、今日はお立ち台で踊るとか、忙しすぎて働いてられないとか、昼日中から何ほざいてるんだ、って感じですね。
1993年当時はすでに景気後退気に入っているはずなんですけど、東京ではまだまだこういう感じの人も多かったんですかね? 田舎者なので、このあたりの感覚はよくわからないっす。
突然猫の鳴き声が響いたかと思うと、バク転をしながら、全身をキャットスーツに包んだ怪しい女が近づいてきます。
「そんなに踊りたかったら、お立ち台で躍らせてあげるわ。その代わり、気安く忙しいなんて言わないで」
急に場面が変わり、ディスコのような場所へ。OLのうちの一人が、そのお立ち台で踊っています。しかし他の二人は床の上に横たわっており、そのそばにはプラレールの新幹線が走っています。横になっている二人の頭の上には風船が置かれており、新幹線がある地点を通過すると、風船が破裂して粉まみれになってしまうのです。
「ほらほらほら、急がないと風船が破裂して、仲間たちが大変なことになっちゃうよ」
一心不乱に踊っていたOLですが、仲間の下に新幹線が近づいてくるとあわてて駆け戻り、風船を取り上げて何とか難を逃れます。
選手交代して、今度は別のOLがお立ち台へ。さっきまで踊っていたOLは、ご丁寧に風船の下に横たわります。しかし今度のOLは踊るのに夢中になるあまり風船を取り上げるのが遅れてしまいます。結局風船は破裂してしまい、3人とも粉まみれになってしまいました。
……何この茶番。なんでこんなバラエティー番組のゲームみたいなのに付き合っているんだろう? お立ち台で踊れると言っても一度に一人ずつだし、すぐに踊りを中断して交代しなきゃいけないしで、そんなに楽しいもんでもないような気がするんですけどね。
家族揃って夕飯を食べる山吹一家。そのときテレビで、キャリアウーマンと名乗る怪人が現れて世間を騒がせているというニュースが流れます。怪人キャリアウーマンは、忙しい、忙しいと言いながらテキトーに油を売っているグータラな人間を狙っているのだそうです。
そのニュースを見て、刑事である英三郎は「忙しくなりそうだ」とつぶやきますが、そんなことを言っているとキャリアウーマンに狙われるかもしれないと、口をつぐんでしまいます。しかし花子はそんなことを気にせず、「今晩忙しいの」と、早々に席を立ってしまいました。
花子の忙しさの理由は、もちろん勉強。成績が落ちるだけでなく、あまつさえ篠山、加納、荒木の三人組と同一視されるなんて、花子のプライドが許すはずがありません。
「働く小学生のユーウツなんて、誰もわかっちゃくれないのよ」とつぶやきながら、国語の教科書を開くのでありました。なんだかんだでしっかり努力しているんだから、えらいよね。
一方、ちっともえらくないのが、篠山、加納、荒木の三人。漢字の書き取りなどには一切目もくれず、外で写真撮影にいそしみます。しかも狙っているのは、女の子のスカート中とか太ももとか、問題のある被写体ばかり。前はもっと渋いテーマでも撮影していたのに、なんでこうなっちゃったのか。やっぱり春だからかなぁ。
しかし、ついつい「俺たち忙しいもんな」と口を滑らせてしまったばかりに、キャリアウーマンを呼び寄せてしまいます。あわてて逃亡を図る三人組ですが、キャリアウーマンもバク転しながら追いかけて生きます。いやその追い方、絶対遅いだろ。
三人組はたまたま出くわした花子に助けを求めます。花子に気付いたキャリアウーマンは、そこで3人の追跡をあきらめて去っていきました。別に現時点では花子を恐れる理由もないと思うのですが、なんで引いちゃったんですかね。無関係な人を巻き込むつもりが無いとか、そんな常識的な判断なんでしょうか。
「推測するに怪人キャリアウーマンは、よほど忙しい人間の変身で、暇人に逆恨みを抱いているんでしょうな」
団子を食いながら、三姉妹とフライドチキン男が会話しています。今回のお酉様からの指令は、怪人キャリアウーマンの正体を探ることなのです。フライドチキン男って自分の欲望に関しては素直すぎるくらい素直に暴走しますけど、第三者的な事柄については割と常識的な判断を下しますよね。
「でもそんな忙しいなら、そんな無駄なことしなければいいのに」とは、まことにごもっともな雪子のツッコミなのですが、そこが怪人の怪人たる所以でもあるわけです。
これ以上被害を増やさないために、今晩からパトロールをすることになったのですが、花子だけは忙しいからパスしようとします。しかし、何故忙しいのかを内緒にしているため、断り切れずにパトロールに参加することになってしまいました。うーん、勉強が理由ならパトロールも免除してもらえそうなもんですけど、やっぱり成績が落ちたことは言いにくいんですかね。花子はプライド高そうだしなぁ。
しかし花子の様子がおかしいことには、雪子も月子も気付いていました。ついに月子が、花子の部屋のゴミ箱の中から、くしゃくしゃになったテスト用紙を発見します。その点数は15点。これはヤバイ。忙しくて勉強できなかったなんて言い訳にならないくらいヤバイ。学校の授業だけで、家勉しなくてももっと取れるんじゃないの? っていうくらいヤバイです。
その夜、パトロールに出ようとする花子を、雪子と月子が押しとどめます。花子のプライドに配慮して勉強の事には触れず、「なんとなく二人だけでパトロールしたい気分なの」とか言っちゃってますが、それはそれで酷い言い方のような気もしますけどね。
ちょっと変な感じもしたようですが、姉たちの配慮に感謝しつつ、花子はねじり鉢巻をして勉強にいそしむのでありました。
火の用心の夜回りの体を装い、街をまわる雪子と月子。そこへ酔っ払ったOL主婦の悲鳴が聞こえてきます。駆けつけてみると、そこには粉の入った風船を持った、怪人・キャリアウーマンの姿が。
……でもこのOL主婦、飲み会帰りだから暇と言えば暇なのかもしれないけど、NGワードである「忙しい」とは言ってないんだけどなぁ。遊んでいる風ならだれでもいいのかな。
雪子と月子の姿を見たキャリアウーマンは、逃亡していきます。花子のときもそうだったけど、なんで逃げるんだろう?
キャリアウーマンの後を追う、雪子と月子。しかしコンテナが置かれている倉庫ような場所まで来ると、キャリアウーマンはムチを振るって雪子のちょうちんを叩き落し、されに首を締め上げていきます。急にどうしたんだろう? ここで戦うなら、最初に遭遇したときにやっちゃってもよかったんじゃないかと思いますけどね。
月子が拍子木を投げてなんとかムチを振りほどきますが、変身していない二人が相手をするには、キャリアウーマンは手ごわすぎる相手です。花子には勉強に集中してもらうため二人でどうにかしようと頑張るのですが、二人揃ってムチに捕えられ、絶体絶命です。
その頃、漢字の書き取りをしている花子は、使っていた鉛筆の芯が折れてしまいます。
「まさか……」
これ、古典的な虫の知らせの表現方法ではありますけど、虫の知らせ以前に、鉛筆の芯を細長く削り出しすぎでしょう。鉛筆削りじゃなくてナイフで削ったような感じですけど、デッサン用じゃあるまいし、この細さならよほど筆圧弱くしないと、簡単に折れちゃうよ。
「よう」
そこへ、突然クローゼットから現れるフライドチキン男。雪子と月子のピンチを知らせに来たのです。しかし花子は2人のピンチを知りながらも、「もう赤点は取れないのよ!」と、出動を渋ります。えー、それでいいの?
キャリアウーマンに捕まってしまった雪子と月子は、頭に風船を付けられて、床の上に寝かされています。2人の手足は、鎖でしっかりと固定されていて、逃げ出すことはできません。先端に針の付いたプラレールが走っているので、頭の近くを通過するたびに頭を上げて、風船を割られないようにしなくてはなりません。これ、頭を上げるだけならそう難しくはなさそうですけど、いつまでも延々と続けなければならないとなると、結構大変そうですね。
何故こんなことをするのかと言う雪子の問いに対して、「忙しいって言葉を使っていいのは、あたしだけなのよ!」と答えるキャリアウーマン。さっきもツッコんだけど、雪子も月子も襲撃しようとしていたOLも、別に「忙しい」とは言ってないんですけどね。
キャリアウーマンによるムチ攻撃も喰らったりして、徐々に2人の体力も限界に近づいてきます。
「あたし、もうだめ」
月子がついに力尽き、頭の風船にプラレールが接近したとき、謎の光に包まれて、プラレールが吹っ飛びます。
「お姉ちゃんたちに手は出させない!」
いいところで花子が登場。シュシュコロンでプラレールを吹き飛ばしたのです。ついでにキャリアウーマンにもシュシュコロンを一吹きして牽制すると、雪子と月子の拘束をはずしていきます。
……これ、普通に手で鎖をはずしているんですけど、そんなに大した拘束でもなかったんですかね。まあ、たとえばマジックテープみたいなものだったとしても、手首足首に巻かれちゃうと自力では取れなくなるので、そんなもんなんでしょうかね。
勉強よりも姉たちを助けることを選んだ花子。三姉妹はうなずき合うと、シュシュトリアンへと変身します。
今回、登場時のポーズがちょっと変更。最後の名乗りのときに、月子と花子が外側へ腕を伸ばすようなポーズになりました。シュシュトリアンの名乗りポーズと言うと、やっぱりこっちのイメージが強いですね。
「古人曰く、『おのれの長を以って、人の短をあらわすことなかれ』」
自分が優れているからといって、他人の短所をあげつらうようなことをしてはならない、という意味の言葉で、まあ今回の事件に当てはまってはいるのですが、今回はまだキャリアウーマンの正体がわかっていないので、本当にこのことわざが適当なのかどうかは、まだはっきりしていないんですけどね。
「うるさい!」
ムチを振るいつつ、キャリアウーマンとシュシュトリアンのバトル開始です。夜なので、いつもとはちょっと雰囲気が違いますね。
ムチ攻撃に苦戦するシュシュトリアン。しかしムチが後ろのショベルカーに絡みついたとき、そのムチの上を綱渡りの要領で渡っていった花子がキャリアーウーマンに蹴りをかまして武装解除させます。まあ、これをやるためには、キャリアウーマンが花子の体重を支えられるくらいの力でムチをピンと張っていないといけないんですけどね。
ムチを失ったことで形勢逆転。肉弾戦ではシュシュトリアンに分があります。最後はシュシュファイナルでキャリアウーマンのマスクを剥ぎ取ってしまいます。
「あなたはアナウンサーの!」
キャリアウーマンの正体は、前半でキャリアウーマンのニュースを読んでいたニュースキャスターの伊藤香でした。メイクとか服装とか髪型とか違うのに、よくわかるなぁ。私は街中で芸能人に会っても絶対に気付かない自信があります。
ちなみに、マスクをかぶっているときは、目じりが吊りあがったようなアイラインが書いてあったり、口紅も濃く引かれていたりして、いかにも怪人風のメイクだったのですが、マスクが取れると共に普通っぽいメイクに戻っています。
伊藤香がなぜこのような事件を起こしたのか。それはすべて、彼女の完璧主義的な性格によるものだったのです。
彼女は外ではバリバリのキャリアウーマンとして仕事をこなしつつ、家でもノートPCでニュース原稿を仕上げるなど、忙しい毎日を送っています。しかも家では、娘が料理を失敗したり、夫が洗濯もまともにできなかったりで、家事の方にまで手を回さなくてはいけないのです。
自分はこんなに忙しく、時間がいくらあっても足りないのに、他人はただ忙しがっているだけで、何もせずに遊んでいるだけ。そんなとき、洗濯機のスイッチを入れると突然洗濯機が爆発。その衝撃で、怪人・キャリアウーマンが誕生してしまったのです
雪子は、香は何でもできるスーパーレディかもしれないけれど、世の中の人みんながそうではないとたしなめます。また花子は、もう少しおおらかになったほうが良いと忠告します。
自分自身に厳しい人は、得てして他人にも厳しさを求めがちです。しかし、人にはそれぞれ自分なりのペースがあり、限界を超えてムチを入れたとしても、効率よく働けるようになるわけではありません。重要なのは各人がどうすれば力を尽くすことができるのかということで、欠点をあげつらってもあまり良いことはないのです。この辺り、雪子も花子もかなりもっともなことを言っていますよね。とても高校生や小学生の発言とは思えません。できれば月子にも何か言って欲しかったところです。
しかしシュシュトリアンからの言葉を受けて、香も変わります。後日、街頭インタビューで通行人に話を聞こうとした際に、「これからグアムに行って月曜の朝に帰ってきて会社に行かなくちゃ行けないから忙しい」と言われて断られるのですが、空港へ向かう後姿に向かって「気をつけて、いってらっしゃい」と手を振る余裕ができました。もともと仕事はできる人っぽいですし、心に余裕ができたなら、きっと立派にやっていけることでしょう。
一方、花子は漢字の追試験に苦戦中。答えがわからず、苦悶の表情を浮かべています。しかしそんな花子の様子を見て、篠山、加納、荒木が、自らの答案を差し出します。
「いつも勉強を教えてくれているじゃないか」
「友情のカンニングだ」
「きっと神様も許してくれるよ」
そんな姿に花子も遂に、「私たち、仲間よね」と、三人組を仲間として受け入れたのでありました。
が、しかし。
追試の結果は、まさかの0点。4人揃って再々試験を受けるハメになってしまいました。
三人組に怒りを爆発させる花子ですが……、えー、まあ、今回は自業自得だよね。
[次回予告]
「春ねぇ」
「そうだ、ご馳走もってお花見行こう」
「その前に、お酉様からの指令よ。世間を騒がすゴミ箱を退治せよ、ですって」
「ゴミ箱?」
「なに、それ?」
「とにかく、行きましょ」
次回の有言実行三姉妹シュシュトリアンは、「好き嫌いのあるゴミ箱」。
「田舎もんを、なめるなよ」
お楽しみに。
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OLは、27:30に「忙しくて忙しくて」と言っていますよ。
ところで36:25の月子は、何と言っているのでしょう?「おねえちゃん○○しよう」と言っているのですが、よく聞き取れません。
分かれば、教えていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
久しぶりに12話を見返してみました。
私が「忙しいとは言っていない」と書いたのは、OLではなく、主婦とクレジットされている人でした。
夜中に酔っぱらって寿司折下げていたので、主婦と認識できなかったようです。よく見るとわりとおばちゃんぽい感じですね。
いずれにしろ、冒頭で「忙しくて忙しくて」と言っているOLとは別人かと思います。
本文の記述は修正しました。
月子のセリフについては、音だけを拾うと「お姉ちゃん、とにちゅうしよう」と聞こえますけど……、なんて言ってるんでしょうね。
文脈的に、花子を呼ぼう、あるいは変身しよう、というような意味合いだとは思いますが……。
素早い修正に立腹、いえいえ、感服いたしました。
OLは、オフィスレディーならぬオールドレディーの方でしたか。その、寿司折りのオールドレデイーは、41話での十二支の「とら」さんと同一人物ですね。
ところで、月子の発言は「とにちゅう」と聞こえますか。わたくしには「どにちょー」と聞こえます。仮に「とにしゅう」であるとすると「とにかくシュシュトリアンしよう」の省略形なのかな?
実は、シュシュトリアンの英語字幕付き動画を作ろうと孤軍奮闘中なのですが、何かにつけて不明な点や奇々怪々な事象が多いので困っています。つまり、うまく訳せないのです。いいかげんな訳し方はしたくないですしね。
だいたいのところ、7話くらいまでの「翻訳」は出来たのですが、動画に「字幕」を付ける作業はまだ手つかずの状態です。
話中の疑問点は、また質問させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?
よろしくお願いいたします。