創土社刊、鈴木直人著のゲームブック、「チョコレートナイト」をとりあえず1回プレイ(本当は2回目だけど)。魔法使いの城に侵入したものの、フラグを立て損ねたことが響いて死亡しました。
子供向けっぽい雰囲気であることや、システム的にあまり凝ったことをしていないことなどから、実は私はこのゲームに対してあまり期待はしてはいませんでしたが、実際にプレイしてみてその見方は180°変わりました。これ、かなり面白いですね。
一度プレイしただけなのでゲーム構造はまだはっきりと掴めてはいませんが、クリアするためには他のゲームブックと同等にちゃんと正解ルートを見極めなくてはいけないくらいの難易度は持っていると思います。ただ、全体的にギャグやパズルが散りばめられているなど遊び心に溢れていて、とりあえずプレイすること自体が面白いのです。それはFFみたいな殺伐とした雰囲気が悪いとかいうことではなく、「チョコレートナイト」が世界観に適した世界観なりの演出が成功しているということなのです。
ゲーム的な処理だけではなく、文章による演出だけでもない。それはゲーム製作者としての能力と、小説家としての能力がバランスよく備わっていないと成し遂げられないことです。そのことは結局、大きな可能性を持っていたはずのゲームブックというジャンルが衰退した大きな理由の一つである“作家不足”の一因となっていたのだと思います。実際、同じテキスト量を書くにしても、普通に小説を書く以上の労力を払わなくてはゲームブックを完成させることはできませんからね。その意味において、鈴木直人はゲームブック作家として稀有な力量の持ち主だったと言えると思います。
ついでに言えば、ゲームブックが普通の小説よりも割高になるというのは当然ではないでしょうかね。書くの大変そうだし。
今まで寝かせていたのがもったいなかった気もしますが、プレイにまで漕ぎつけることが出来たのは幸いでした。ドルアーガ復刊のおかげだね。盆くらいまでにはクリアしたいなぁ。
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