雑居空間
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 社会思想社・現代教養文庫、イアン・リビングストン著のゲームブック、「トカゲ王の島」をプレイ開始。

 これ以降、「トカゲ王の島」のネタばれを含んでいます。ご注意ください。



 あたし、レイン・デシンセイ。19歳のか弱い女の子、兼、凄腕の剣士をやってます。
 旧友のマンゴに会うために立ち寄った小さな漁村・オイスターベイ。しかしその村は、近くにある火山島に住むトカゲ男の脅威に晒されていたのです。
 マンゴと2人でその火山島に乗り込んだあたし。しかしマンゴは、砂浜にいた巨大蟹の手によって、命を落としてしまった。
 あたしはマンゴの無念を胸に抱き、トカゲ王の打倒を誓ったのでありました。首を洗って待ってろよ、トカゲ王!



<現在の状況>

技術(9):9
体力(21):21
運(12):6

金貨:
宝石:
飲み薬:
食料:6

装備:剣、革の鎧、ザック



 谷間の道を進んでいくと、本当にかすかだけれど、足跡のようなものを発見した。観る限りでは、最近つけられたものではないみたい。
 その足跡はずっと道の先へと続いている。それの後をどんどんとつけていくと、やがてその足跡は何か乱れたような痕跡となり、そこから一人分の足跡とそれに続く二本の直線は、さらに道の先に延びている。
 その跡を更についていくと、やがて砂地に半分埋もれた、きらきらと輝くものを発見した。拾い上げてみると、それは真鍮でできた楕円形のかぎたばこ入れみたいだ。
 あたしはそれを拾い上げ、ふたを開ける。中には小さな金のかたまりと、一枚のメモが入っていた。

「いま、君がこれを読んでいるということは、トカゲ王の奴隷鉱山を脱出しようとしたわたしの試みが失敗したことを意味する。わたしのいかだが、この谷間をこえ平野が川とぶつかるところに隠してある。もし、君がわれわれを救うためにここにいるのなら、その川を上流にさかのぼり、泥でつくった小屋があるところまで来てほしい。奴隷鉱山はすぐその近くだ。くれぐれもトカゲ男の衛兵たちには気をつけるように」

 なるほど。
 どこまで信用できるのかは微妙だけど、一応の指針になるだろう。
 あたしはとりあえず奴隷鉱山を目指して、この道をまっすぐに行くことにした。そのメモと金のかたまりをザックに放り込んで、あたしは再び足跡を追いかけた。



 ほどなく、地面が土から岩へと変化し、それに伴って足跡も消えうせてしまった。ま、いずれにしろこの道を進むしかないわけだけどね。

 バラバラ。

 遠くで何かが落ちるような音が聞こえた。
 またがけ崩れか、それとも火山の噴火でも始まったか。
 いずれにしろ、あまり時間をかけるのは得策ではない。あたしは歩を早め、先を急ぐことにした。

 と、あたしの行く手を阻むように、目の前にのっそりと巨大な爬虫類が現れた。ざっと5、6メートルくらいはあるかもしれない、バカでかいトカゲだ。そいつは凶悪そうな目つきであたしをじろりと睨みつける。その表情からは何を考えているかはわからないけれど、あたしをロックオンしていることは間違いなさそうだ。
 そいつは牙をむき、こっちに向かってゆっくりと近づいてくる。あたしも剣を引き抜き、そいつに向かって斬りつけた。

 ボカ、スカ。

 それなりに歯ごたえのある相手ではあったけど、今のあたしは元気満タン。あたしの剣を受けて、ほどなくその巨大トカゲは息絶えた。つーか、こんな感じで真正面からぶつかってくるだけの敵ってのは、こちらからすれば安心して対処できるので気が楽だ。
 あたしはトカゲの死体を踏み越えて、谷間の道を進んでいった。



 やがて道は谷間を抜けて、草原に出た。道の左手には、多くの鳥が羽を休めている池がある。何かの足しにでもなるかと思い、あたしはその池に近づいていった。
 その池の表面には緑色の藻が浮いていたんだけど、一応飲めるのかもしれない。そっと水を掬おうと水べりに屈み込んだとき、水面に何か口のようなものが現れ、あたしに向かって液体を吐き出してきた。
 あたしは頭を下げてその液体をかわすと、後ろに跳び退り、剣を手にする。すると池の中からその口の主、巨大鉄砲ガエルが陸地に飛び出してきた。

 ボカ、スカ。

 毒液さえなければそいつは大した相手ではない。あたしは難なくそのカエルを斬り倒した。
 そんなカエルが棲んでいる池の水が飲めるのかどうか微妙だと思ったんだけど、ひと暴れしてちょっとのどが渇いたのも確かだ。
 ま、そうそう腹も壊さないだろうと、あたしは水を一口掬って飲んだ。
 ん、おいしい。別に何ともないみたい。

 ちょっと休んで人心地ついたところで、池のそこに木箱が沈んでいることに気が付いた。
 なんだろう。あたしは気になって、その箱を取るために池の中にずぶずぶと入っていった。ラッキーなことに、あのカエル以外には特に危険な生き物は生息していないみたいだ。
 箱を陸に引き上げて、剣の柄で箱をこじ開ける。中に入っていたのは、色のついた小瓶、ビロードの小袋、赤い皮製のブーツ、金の指輪。何なんだろうね、この箱。

 あたしはとりあえずビロードの皮袋を開けてみることにした。紐を解くと、中は空っぽ、というか、まったくの暗闇が広がっているような感じだ。
 ためしにそこらの小石を拾って袋に放り込んでみる。特に何もなく、ただ袋に吸収されただけみたいだ。特に重くなっている様子もない。そっと手を入れてみると、指先には何か硬いものがあたり、引っ張り出してみるとそれはさっき放り込んだ石だ。どうやらこの袋には、いろんなものを放り込んでおくことができるみたい。いいもん拾ったかな。

 次にあたしはブーツを履いてみた。それはあたしの足にぴったりとフィットする。けど、特に魔法の効果のようなものはないみたいだ。

 それからあたしは、小瓶に入っている液体を飲み干す。と、突然ぐらりと大きくあたしの頭が揺れた。
 なんだろう?
 この薬の効果だろうか、どうも身体の調子がおかしい。身体の動きが鈍いような気がする。こりゃ、ヘンなものを飲んじゃったかなぁ……。

 あたしはのそのそと立ち上がると、道へ戻って再び西を目指した。



 道を進んでいくと、左手に何か動くものが見えた。足を止めてよく見てみると、どうやら野生のブタみたいだ。
 ゴクリ。
 あたしは生唾を飲み込む。あれ、食べたらおいしいかなぁ。
 あたしは剣を手にブタを追いかける。しかしそいつは予想以上にすばしこく、やがて平原を横切ってどこかへと逃げ去ってしまった。
 ちぇ。
 逃した魚は大きいというけれど、あいつきっと、とってもおいしかったんだろうなぁ……。


(つづく)



<現在の状況>

技術(9):9
体力(21):14
運(12):7

金貨:
宝石:
飲み薬:
食料:6

装備:剣、革の鎧、ザック、金のかたまり


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