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 9月19日は敬老の日。というわけで、今となっては昨日の話しですが、代表的なお年寄りスポーツであるゲートボールをモチーフとした、「あっぱれ! ゲートボール」をプレイしました。「あっぱれ! ゲートボール」は、ハドソンから発売されたPCエンジン用のゲートボールソフトなのです。





『あっぱれゲートボール』は、ゲートボールをシミュレーションしたスポーツゲームです。
 ゲートボールというと、「エッ、ジイちゃんたちのスポーツじゃん!?」なんて声が聞こえてきそうですが、実際にプレイしてみると、戦略的に、実に奥深いゲームであることがわかることと思います。一打ごとに急展開する、スリリングなゲームを楽しんで下さい。

「あっぱれ! ゲートボール」マニュアルより



 普通にゲートボールをプレイするアクションモード、打つときの力の加減にアクション性の無いシミュレーションモード、そしていろんなシチュエーションで練習できるレクチャーモードという、3種類のモードがあります。が、基本的にはゲートボールを1試合プレイするという、ただそれだけのゲームですね。
 ゲームモードを選択した後は、vsコンピュータかvsプレイヤーか、先攻か後攻か、vsコンピュータならレベルの選択、芝のコートか土のコートか、そして試合時間を決定していきます。
 最後に、12人の個性的なプレイヤーの中から5人のメンバーを選抜したら、試合開始です。



 細かいことはあんまり気にせずに、とりあえずプレイ開始。ゲームモードはアクション。こちらの後攻で、芝コート、試合時間は20分。コンピュータのレベルは町内大会、地区大会、全国大会、世界大会の4つから選べますが、まずは町内大会からですね。



 個性豊かな12人の選手から、5人選択します。選手はパワー系からテクニシャンからいろいろありますね。慎重な性格だとか、ここ一番に強いとかいう特徴を持った人もいるのですが、その辺はゲーム上、どういう風に表現されているんだろう? ま、とりあえずは適当に選んでみましょうか。
 ちなみに、タイトル画面に出てくる波平さんに似た人は、ゲーム本編には登場しません。





 まずは球を打つ方向と位置を決定。しかる後に、上部にある赤いバーが動きますので、黄色いマーカーの位置に合うようボタンを押して、ショットの強さを決定します。このあたりはゴルフゲームなんかとよく似ていますね。

 簡単にゲートボールのルールを説明しますと、各チームのメンバーが一人ひとり交互に自分のボールを打ち、3つあるゲートを順番にくぐっていくことでポイントを稼ぐゲームです。ゲートを1つくぐるごとに1点、最後に中央にあるポールに当てれば2点が入り、一人当たり最大で5点稼ぐことができます。ポールに当てた人はゲームから外れることになります。このようにしてボールを打っていき、先に全てのプレイヤーがポールに当てるか、時間が切れたときにより多くのポイントを取っていた方のチームが勝利することになります。

 ただし、ただ漫然とゲートだけ狙っていけばよいのかと言えば、けしてそんなことはありません。ゲートボールは和気藹々と楽しむだけのゲームではなく、その本性はかなりえげつない、駆け引きのゲームなのです。
 駆け引きを生み出すのは、タッチというルールです。打ったボールが他のボール(敵味方は関係ありません)にぶつかった場合、ぶつけられたボールをスパークという打ち方で好きな方向へ打つことができます。これを使えば、味方の球を有利な位置に動かし(ゲートをくぐらせれば得点も可能です)、敵の球をあらぬ方向へ飛ばしてしまう(普通はコート外に出してしまいます。コート外に出た球は、コートの端から打ち戻さなくてはなりませんが、そのときにはタッチすることができません)ことが可能です。、さらに、タッチした後にはもう一回自分の球を打つことができますので、ボールが密集している場所では、次々にタッチすることで、あっという間に有利な状況を築き上げることも可能なのです。
 つまり、いかに多くタッチするか、逆にいかに相手からタッチされないようなポジショニングを取れるかが、勝敗を大きく左右することになるのです。



 先攻が赤球、後攻が白球です。
 初めのうちはなかなか思ったとおりのショットができず、近距離にあるボールにすら当てることができませんでした。パワー調整を間違えると、やたら変な角度に飛んでいったりするんですよね。
 そんなこんなで、序盤から大きなリードを許してしまいます。ただ、相手がポールに当てると、点数ではリードを許すことになりますが、その人はゲームから外れて順番が飛ばされてこちらが連続して打てるようになるので、多少有利になります。そんなわけで終盤は多少点差を詰めていきましたが……。



 負けたー。
 うーん、とにかく正確なショットができないと話になりませんね。タッチ。とにかくタッチです。

 そんなわけで、しばらくは町内会レベルで修行。今度は先攻で再挑戦。メンバーも適当に入れ替えます。やっぱりパワー系よりも、正確なショットを打てる人の方がいいのかもしれません。



 勝ちー。
 何度かプレイして、ようやく勝利を収めることができましたよ。

 普通にやると、最初のターンで1番ゲートをくぐり、(ゲートをくぐった場合にももう一回打つことができるので)その後2番ゲートの手前に、敵味方関係なくボールが多く集まることになります。この集団にうまくボールをぶつけることができれば、そこから連続してタッチすることで、敵を弾き飛ばし、味方のボールには2番ゲートをくぐらせ、試合を有利に進めることができるようになります。
 もっと言えば、得点でリードしている場合なら、更なる得点を稼ぎに行くよりも、ゲートの前で待ち伏せしていて、やって来た敵ボールをタッチして弾き飛ばすという嫌らしい戦術も成り立ちます。ホント、ルールを知れば知るほど、ゲートボールのえげつなさが見えてきますね。怖いなぁ。



 勝利の後には、みんなで記念写真を撮影。
 CONGRATULATIONS!



 町内会レベルに勝利したので、次は一気に世界レベルに挑戦です。

 世界レベルの特徴は、中・長距離でもかなり正確なショットをしてくることですね。実際こちらは、コートの1辺の1/3くらいの距離でもなかなかボールを当てるのは難しいのですが、相手はもっと長い距離でも平気でガツガツとタッチを決めてきます。これが何を引き起こすかと言えば、先ほど書いたように最初のターンにボールが集まり易い第2ゲートの手前エリアを、高い確率で相手に占拠されてしまうんですよね。
 それでもなんとか喰らいつこうと、外にはじき出されたボールをまた打ち込んでいくのですが、一瞬後には再度タッチされてまた外へ。なんかもう、無力感に駆られてしまいますなぁ。



 こちらの赤球は、軒並みコート外へ。一方、敵の白球は密集隊形を取り、相互タッチを繰り返しながら、護送船団のように集団で進んでいきます。



 負けー。
 世界レベルには何度か挑戦しましたが、結局1勝もあげることができませんでした。くそー!



 その後、レベルを一つ下げて全国レベルと対戦。世界レベルと比較すると、全国レベルでは結構ミスが目立ちますね。



 結局、3人で第2ゲートの前を占拠して敵のボールを排除し続け、その間に2人が相次いでポールまで到達。時間が迫ってきたので最後はちょっと乱れた部分もありましたが、完勝することができました。

 世界レベルには勝てませんでしたけど、ま、今日はこのくらいにしておきましょうかね。世界レベルを倒すとさらにその上のチームも出現するようなのですが、ちょっと気が遠くなるので考えないことにします。



 スポーツをゲーム化する場合、どうしても再現できる部分とできない部分とができてしまいます。その中から何を採用して何をオミットするのかということが、ゲームをデザインする上で重要になってきます。
 スポーツとしてのゲートボールは、本質的にはどの方向にどれ位の強さでボールを打ち出すのかという部分が、ほぼ全てであると言っても良いでしょう。本作では、キャラクターによって、非力だったり、コントロールが悪かったりといった特徴付けをすることによって、その部分をゲームとしてうまく成立させていると思います。

 しかし、問題は相手チームです。

 ゲートボールというのは、基本的に相手に完璧にプレイされると絶対勝てないんですよね。戦略性が豊かなスポーツではありますが、それは完璧なショットをし続けるプレイヤーなどいないということを前提としている部分があります。たとえば、相手ボールにタッチしに行ったのに少し外れてしまったら、これは逆にピンチになるわけです。状況によっては得点を狙わずに、相手からタッチされないような位置に打って様子を見るようなこともあるでしょう。しかしそれらの作戦はみな、どんな位置にあっても正確なショットをして、ゲートも通せばタッチもしてしまうというようなプレイヤーがいたら、まったく意味の無い選択となってしまいます。極端な話、常に思い通りのショットを打つことができるのなら、最初のターンですべてのゲートをくぐってポールまで到達できちゃいますしね。つまり、ゲートボールにおいて、ショットの不正確さというのは、ゲームをゲームたらしめている、とても重要なファクターなのです。
 こちらの操るキャラクターは一長一短があり、どのキャラをみても常に完璧なショットを打つことは不可能です。しかし敵チームはその部分を自由に調整できますので、実際はたとえ世界レベルのチームであっても常に正確なショットをしてくるわけではありませんが、著しくゲーム性を下げる結果になっているのではないかと思います。強者に立ち向かうというのもゲームにおける醍醐味の一つではありますが、そこにはプレイヤーの腕でどうにかできる部分が必要です。しかしその部分が相手のミス待ちのような形になってしまっているという点が、このゲームをつまらなくさせている要因としてあるような気がします。

 ゲームとして面白く遊ぶのでしたら、全国レベルくらいがちょうどいいかもしれませんね。ただ、レベルが低い相手ですと、戦略面でもちょっとアホになっているように感じます。そうなると、それはそれで、ハメ殺しみたいになってつまらないんですけどね。
 ただ、本作はゲームとしてはそんなに面白いものでもないと思うのですが、ゲートボールの戦略面については大いに興味をそそられました。後でもう少し詳しく調べてみたいと思います。

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