つらつら日暮らし

約300字で仏教(38)

最近、「神仏習合」について、再度評価する気運が高まっているせいか、その成果としての修験道に対する関心が高まり、様々な側面から研究が進んでいる。ところで、その意味では次の言葉を見逃してはならない。

なるほど真言は(天台もその中に入れて)、「神道」と或る種の抱合を遂げたことによって、修験道なるものが発展した。修験道は、一方では神道であり他方では仏教である、日本的霊性の外郭に触れたものと言ってよい。
    鈴木大拙『日本的霊性』岩波文庫、77頁


大拙は、鎌倉新仏教に於ける仏教の発展を、日本的霊性の完成だと見ているので、それまでの修験道のあり方は、まだ「外郭」という中途半端な状況に留まっている。確かに、神道と仏教という習合的状況からすれば、大拙を満足させるものではなかったのかもしれない。されど、それは早計に過ぎるように思われる。

従来の記事は【カテゴリー約300字で仏教】からどうぞ。

この記事を評価して下さった方は、にほんブログ村 哲学ブログ 仏教へを1日1回押していただければ幸いです。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「約300字で仏教」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事